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30代で入れ歯に?歯周病の症状と治療法・予防法を解説

 更新日:2023/03/27

歯周病は口の中に炎症が起こる病気です。以前は歯槽膿漏と呼ばれ、高齢者の病気として知られていましたが、最近は20代や30代にも増えつつあります。進行すると入れ歯になってしまう場合もあるので、日ごろのケアが重要です。歯周病は何が原因で起こり、どのようにすれば予防や治療ができる病気なのでしょうか。
この記事では、歯周病の原因と症状、治療法や予防法について、Medical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
髙崎 俊輔 歯科医師 池上通り歯科 院長

 歯周病の原因と症状


細菌が増殖して、塊となったぷラークが原因で起こる炎症のことで、歯槽膿漏とも言われます。30代以上の7割の人が歯茎にトラブルを抱えていると言われていますが、その中で最も多いのが歯周病です。歯周病は進行度合いによって歯肉炎や歯周炎の症状を引き起こします。

歯肉炎の症状

歯周病の初期の状態が歯肉炎です。健康な時の歯茎はピンク色ですが、歯肉炎になると歯茎が赤くなります。歯と歯の間の歯肉が炎症を起こして赤く膨らんで腫れたようになっているから赤くなります。痛みはほとんどありませんが、歯磨きで出血してしまうこともあります。

歯周炎の症状

歯肉炎の症状が進行すると歯周炎になります。初期状態では歯茎が赤くなって腫れあがります。水がしみたり、歯磨きや食事の際に出血したりすることもあります。
さらに進行すると、歯肉が赤紫色に腫れあがって膿が出ることもあります。歯肉が退縮してしまうことによって歯が長く見え、ぐらつく場合もあります。
炎症が歯を支えている歯槽骨まで及んで溶け始めているため、歯周ポケットの奥から出血するようになります。口臭も強くなってしまいます。

歯周病の原因

歯周病の原因には直接的なものと間接的なものがあります。
直接的な原因は歯磨きで落とせなかった歯垢です。歯垢にはたくさんの細菌が含まれているので、歯周病の原因になります。
間接的な原因は生活習慣や遺伝的なものです。例えば糖尿病の人は歯周病が進行しやすく、喫煙や運動不足・睡眠不足なども進行しやすい原因であることが分かっています。

 歯周病の治療法

歯周病の治療法は進行度合いによって異なります。ここでは、歯周病の代表的な治療法を解説していきます。

歯垢の除去

歯周病の進行度合いによらず必ず行われるのが歯垢や歯石の除去です。歯科医院の専用機器を使用して取り除くことで歯周病の原因を除去できます。
重度の歯周病の場合、外科手術で歯茎を切開してから歯垢や歯石の除去を行う場合もあります。

レーザー治療

歯垢や歯石を除去するとともにレーザーを使用して歯周病を繁殖させる細菌を取り除きます。

歯茎の再生

歯周病によって減退してしまった歯肉を再生させる治療です。歯肉の再生治療には下記のようなものがあります。
・口腔上部から歯肉を移植
・専用のジェルや薬剤を湿布して細胞組織を再生させる
歯肉を移植する場合は自由診療ですが、専用のジェルを塗る方法であれば病院によっては保険適用されることもあります。

インプラント

歯周病が進行して歯を失ってしまうとインプラント治療や入れ歯治療が必要になります。人工の歯根を顎の骨に埋め込み上から歯冠をかぶせます。審美性が高いため人気がありますが、自由診療なので費用がかさんでしまいます。手入れを怠るとさらなる歯周病の原因になってしまうリスクもあります。

骨の再生

歯周病が重症化して根元の骨が溶かされてしまうと、自分の骨や人工骨を移植する方法も多いですが、デメリットやリスクも大きい方法です。進行度合いによっては歯茎の再生で用いたような専用のジェルで再生可能なこともありますが、数ヵ月かかります。

 歯周病の治療法・入れ歯

歯周病が進行して歯を失ってしまった場合、部分入れ歯や総入れ歯にする治療を行う場合があります。20代や30代でも入れ歯が必要になることもあります。

保険適用の入れ歯

保険適応される入れ歯の素材は、プラスチック素材でできていることがほとんどです。上下とも総入れ歯にしても1~2万円で済む場合もあります。

 メリット

・費用が抑えられる
・修理しやすい

 デメリット

・本来の歯と比べると噛む力が弱い
・欠けやすい
・においや汚れが付きやすい
・厚みがあるため食べ物の温度を感じづらい
もし作り直しをしたい場合は、保険適用で作るには半年置く必要があります。

保険適用外の入れ歯

保険適用外の自費治療で入れ歯を作る場合の素材は、たくさんの種類があります。保険適用外の入れ歯の素材には下記のようなものがあります。

 総入れ歯の床の素材

保険適用外の入れ歯の床の素材には下記のようなものがあります。
・金属:熱が伝わりやすいので、食べ物の温度を感じられます
・入れ歯の歯茎に当たる部分にシリコンを貼り付けたもの:噛むときの衝撃を和らげてくれるので痛みを感じづらいのが特徴です。
・ナイロン樹脂:薄く弾力性があり軽い素材で装着感がいいと言われています。

 部分入れ歯の固定装置の素材

歯周病で一部の歯を失ってしまった場合に部分入れ歯になる場合があります。保険適用される部分入れ歯の固定装置は金属ですが、自由診療では審美性が高いものがあります。
部分入れ歯には、他の歯や歯茎に固定するための装置が付いています。金属は歯の色と全く異なるため見た目があまりよくないですが、自由診療で用いられるものは固定装置が歯茎と同じ色だったり磁石で固定させたりしています。費用がかさむ分、口を開けて笑っても目立たないなど審美性が高いメリットがあります。

 歯周病の予防法

30代で入れ歯にならないためにも、日ごろから歯周病の予防をすることが大切です。歯周病の予防法をまとめてみました。

歯磨き

歯周病の一番の予防法は、日ごろの歯磨きでしっかりと歯垢を落とすことです。歯周病の大きな原因となる歯と歯茎の間の歯垢をしっかり落とすことで歯周病の元になる細菌の増殖を防ぐことができます。
さらに、歯ブラシを使用して軽く歯茎のマッサージをすることも歯周病の予防に繋がります。

 歯ブラシの選び方

歯周病の予防には、電動より手動の歯ブラシのほうがおすすめです。電動だと強くなりすぎたり場所によって調節がしづらかったりする場合があるからです。
毛の硬さは硬すぎると歯茎を傷つけてしまうことがあるため、柔らかめか、普通の硬さがおすすめです。
また、ヘッドの大きさはコンパクトで高さが低めのものが隅々までのブラッシングに適しているためおすすめです。

 磨き方のコツ

歯磨きをするとき上から斜め45度の角度で当てることで、歯と歯茎の間の歯垢を取り除きやすくなるのでおすすめです。力を入れすぎずに軽い力で小刻みに歯ブラシを動かして磨くのがきれいに落とすコツです。また、歯垢が貯まりやすい部分は丁寧に磨くのがいいでしょう。

定期的に歯科医院でチェック

歯や歯茎に特に異常がなくても、歯科医院で定期的にチェックするのがおすすめです。歯周病は自分では気付きにくい場合も多く、気付いた時には進行が進んでいることもあるからです。歯科医院にチェックに行くと、歯についた歯石を取ってきれいにしてくれるため、歯周病はもちろんむし歯のリスクも少なくなります。
目安としては半年~1年に1回程度のチェックがおすすめです。

 30代でも増加中の歯周病予防で入れ歯のリスク減少


30代以上の7割が抱えている歯茎のトラブル。その中で最も多いのが歯周病です。
初期段階では少し腫れたり出血したりする程度ですが、進行すると膿が出たり腫れあがることもあります。歯肉が退縮していくので最終的には歯が抜け落ちてしまうこともあります。歯が抜けてしまった場合はインプラントや入れ歯での治療が一般的ですが、保険適用されるのは入れ歯です。
保険適用される入れ歯は食べ物の温度を感じにくい、部分入れ歯の金具が目立ってしまうなど、デメリットも少なくありません。毎日のメンテナンスも大変です。
入れ歯にならないためにも、日ごろからしっかり歯磨きをしつつ、歯科医院で定期的にチェックを受けることで予防を行うようにしましょう。

髙崎 俊輔 歯科医師 池上通り歯科 院長監修ドクターのコメント
歯周病はサイレントディジーズ(Silent Disease:静かなる病気)とも呼ばれ、痛みがなくいつの間にか進行してしまう病気です。 気づかずに放置していると、歯の寿命が短くなってしまうだけでなく、全身に影響を及ぼすこともあります。 歯周病に限らず痛みなどの症状がなくても、お口のトラブルを予防したり早期治療することは、お口の健康を保つには大変大事なことです。かかりつけの歯科医院で年に2~4回は定期的に診てもらうようにしましょう。
 
監修ドクター:髙崎 俊輔 歯科医師 池上通り歯科 院長

 歯周病治療でおすすめの歯医者さん 関東編

池上通り歯科

出典:http://www.ikegamist-dental.com/

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