目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 症状から調べる
  3. その他
  4. 「意味もなく緊張する」原因はご存知ですか?考えられる病気も医師が徹底解説!

「意味もなく緊張する」原因はご存知ですか?考えられる病気も医師が徹底解説!

「意味もなく緊張する」原因はご存知ですか?考えられる病気も医師が徹底解説!

意味もなく緊張するときの対処法は?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

山内 昴也

監修医師
山内 昴也(医師)

プロフィールをもっと見る
東北大学医学部卒業。地域の中核病院で救急医療に従事し、その後東北大学病院精神科で医員として勤務。地域の精神科救急病院で精神科救急医療に従事した後に、東北大学病院精神科に再度勤務。身体疾患を持つ患者に対して介入を行うリエゾン精神医学を中心に、広く精神医療を実践している。医療ライターとしても活動しており、一般の方に正しい医療情報を発信している。

「意味もなく緊張する」症状で考えられる病気と対処法

理由はよくわからないけど「とにかく緊張する」「意味もなく緊張する」という症状が出る人がいます。人と会うこと、生活すること、仕事をうまくこなしていくことなどに支障が出ることもあり、その原因について知っておきたいですよね。「意味もなく緊張する」で考えられる病気と対処法について確認しておきましょう。

意味もなく緊張する症状で考えられる原因と治し方

意味もなく緊張する症状について詳しく分解していきましょう。
「知らない人と話す前に過度に緊張する」場合には、社交不安障害の可能性があります。
「将来のこと、家族のこと、お金のことなどさまざまなことが心配で落ち着かない」場合には、全般性不安障害の可能性があります。
「不安が急に高まる発作(=パニック発作)がおきて、それが起きないか心配で見知らぬ場所や広い場所で緊張する」場合には、パニック障害の可能性があります。
その他には「幼い頃から他の人からの否定や批判が怖く、自信がない」場合があり、回避性パーソナリティ障害の可能性があります。
深呼吸で落ち着く程度であれば問題ありませんが、症状の落ち着かせ方は疾患ごとに異なります。対処が難しいと感じる場合には、精神科を受診しましょう。適切な診断をくだしてもらい、薬物療法や認知行動療法などの治療方法の中から、最もよい治療を一緒に行っていきましょう。

すぐに病院へ行くべき「意味もなく緊張する」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

被害妄想や幻聴がある場合は、精神科へ

この記事の読者のかたの中には「誰かに監視されている」「電波攻撃を仕掛けてくる」「ストーカーが四六時中いる」などの怖い体験、「お前は馬鹿だ」「いま笑ったな?」などと、そこに存在しない人から話しかけられているという不思議な体験をしている人がいるかも知れません。周囲の景色も何故か変わってしまい恐ろしく、意味もなく緊張してしまう状態かもしれません。そのような、被害妄想や幻聴がある場合には、速やかに精神科を受診してください。いち早く薬物療法を行うことにより、症状の進行や今後の生活の質が向上することが知られています。ご家族や友人に、独り言をにやにやと話している人がいる場合には、速やかに精神科受診を促してください。また、興奮して手がつけられない場合には、警察への連絡を考慮してもよいでしょう。

受診・予防の目安となる「意味もなく緊張する」ときのセルフチェック法

  • 意味もなく緊張する以外にパニック発作がある場合
  • 意味もなく緊張する以外に疲れやイライラなどで生活に支障が出る場合
  • 意味もなく緊張する以外に被害妄想や幻聴症状がある場合
    • 「意味もなく緊張する」症状が特徴的な病気・疾患

      ここではMedical DOC監修医が、「意味もなく緊張する」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
      どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

      全般性不安障害

      全般性不安障害は、仕事や学業などのさまざまな出来事や活動に関して、過剰な不安と心配が出てくることを特徴としています。また、落ち着きのなさや過緊張、神経の高ぶり、疲労しやすさ、集中困難、または心が空白となること、イライラしてしまう、筋肉の緊張、睡眠障害のうち、3つ以上が半年以上続く場合に診断されます。この疾患は女性に多く、もともと物事を気にしやすい敏感な人になりやすいと言われています。いろいろなことを心配してしまう人であっても、生活に支障が出ていなければ問題ありませんが、全般性不安障害の場合には、心配や不安のせいで落ち着かなくなり、生活がままならなくなることがあります。不安や心配が増えてしまい、仕事や家事に影響が出る、または睡眠がままならなくなるような時には、精神科を受診しましょう。

      パニック障害

      パニック障害は、繰り返される予期しないパニック発作が特徴の病気です。パニック発作とは、動悸や心拍数の増加、発汗、身震いや震え、息切れや息苦しさ、窒息感、胸の痛みや不快感、吐き気やお腹の不快感、めまいやふらつき、気が遠くなる感じ、寒気や熱感、皮膚の異常な感覚、現実感がなくなる感覚、おかしくなってしまいそうという恐怖、死ぬかもしれないという恐怖が突然起き、およそ数分で症状がピークに達するものを指します。パニック発作が起きるのではないかという不安が残ったり、パニックを避けるために不慣れな場所や運動を避けたりすることがあります。原因には、もともとの心配性などが挙げられます。「自分でなんとかしよう」と生活や考え方などを工夫する人が多いのですが、逆効果となってしまうこともあります。パニック発作が繰り返される場合には精神科に行き、治療方針について話し合いましょう。

      社交不安障害

      社交不安障害は、他の人から注目を浴びる場面に対して、強い恐怖や不安を感じる病気のことです。典型的には、顔が赤くなる、汗をかいてしまう、言葉につまることで「恥をかくんじゃないか」「変に思われるんじゃないか」などと思い、よく知らない人と合ったり雑談することを避けたり、人前で食べることを避けたりすることがあります。もともと心配性である場合や、自分に否定的な評価を持っている人がなりやすいと言われています。通常の生活で問題とならない程度であれば受診は必ずしも必要ありませんが、人からの評価で恥をかいてしまうのではと孤立するようになったり、または仕事で人と合わざるを得ないのにその度に強い不安を感じてしまい支障がでている、という場合には精神科を受診しましょう。

      うつ病

      うつ病は、うつ病エピソードという2週間以上の不調な期間がある場合に診断されます。ほとんど毎日、一日中落ち込んでおり、もともと好きだった趣味や活動に興味を持てなくなったり、楽しく感じられなくなったりすることが重要な所見とされています。その他にも、気力や集中力がなくなる、頭の回転が遅くなる、強い疲労感、不眠や過眠、食欲低下や食欲増加、焦った気持ち、自分に価値がなく自分を責めてしまう、死ぬことを考えてしまう、などが症状として現れることがあります。家族にうつ病が多いなどの遺伝的理由や、神経質な性格、ストレスの多い生活などが誘引となることがありますが、原因ははっきりしていません。うつ病の人の多くは、仕事や家庭において「うまく行かなさ」を感じることがあります。日常生活に支障が出るほどのメンタルの落ち込みや頭の回らなさを感じるようになった場合には、精神科を受診しましょう。

      統合失調症

      統合失調症は、「誰かに監視されている」などの事実ではない事柄を強く信じ込んでしまう妄想や、「お前は馬鹿だ」などの存在しないはずの声が聞こえる幻聴という症状を特徴としている病気です。その他にも、考えがまとまらなくなったり、感情が乏しくなったりすることがあります。不思議な体験に対して恐怖して緊張感が高まるときもありますし、なぜか漠然と周囲が怖く感じて不安感が高まることがあります。原因ははっきりしていませんが、家族に統合失調症の人がいることや、ストレスの多い生活などが原因として考えられています。実は、統合失調症に罹患すると「幻聴や妄想を真実だと思い、異常だとは思わない」という不思議な状態に陥ることが多いといわれています。もし、幻聴や妄想に違和感を感じられた場合には、速やかに精神科を受診してください。家族や友人に、一人でにやにやして独り言を話している人がいる場合には、精神科受診を促すのが良いでしょう。

      強迫性障害

      強迫性障害とは、たとえば「手が汚れているに違いない」という強い思い(=強迫観念)が生じて、それを解消するために「手を洗う」という行動(=強迫行為)を繰り返し繰り返し行うことで、生活に支障が出てしまう病気です。他にも「鍵がかかっているか」「車で人をひいてしまったんじゃないか」などの考えがつきまとって、何度も確認してしまうことがあります。原因は明らかではありませんが、家族に強迫性障害の人がいると発症しやすいと言われています。強迫観念に支配されたり、強迫行為を繰り返し行ったりすることに、一日のうち一時間以上費やしている場合、その他にも仕事や生活がうまく回らなくなる時には、精神科を受診してください。

      「意味もなく緊張する」の正しい対処法は?

      「意味もなく緊張する」場合でも、通常の範囲内であれば、運動をしたり、深呼吸をしたり、好きな活動に打ち込んだり、ハーブティーを飲むなどの自分なりのリラックス法を行うことで緊張をとることができます。
      対処が困難であったり、生活に支障が生じたりしている場合には、精神科を受診しましょう。精神科の医師は、同じような緊張感を持っている人を数多く診ています。安心して相談しに行ってください。

      「意味もなく緊張する」症状についてよくある質問

      ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「意味もなく緊張する」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

      意味もなく緊張するのは過去のトラウマが関係していますか?

      山内 昴也医師山内 昴也(医師)

      過去のトラウマに関連して、似たような場面や状況に遭遇すると、緊張感が高まる人がいます。

      意味もなく緊張するのですが薬で治りますか?

      山内 昴也医師山内 昴也(医師)

      緊張が緩和する場合も珍しくありません。ただ、薬だけで治るというよりも、適切な対処行動や行動変化を行うことにより、総合的な症状の改善が見込めます。

      ストレスが原因で意味もなく緊張することはありますか?

      山内 昴也医師山内 昴也(医師)

      ストレスがあれば、誰でもある程度緊張します。しかし、そのストレスに対して過剰に緊張してしまう人はいます。

      まとめ 意味もなく緊張する症状は自分なりのリラックス法で対策

      自分なりのリラックス法で落ち着かない場合には、精神科への受診により改善が期待できる場合があります。精神科への受診こそ緊張してしまうかもしれませんが、勇気を出して受診することが解決への近道だと思います。

      「意味もなく緊張する」症状で考えられる病気

      「意味もなく緊張する」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
      各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

      精神科系の病気

      緊張は誰もが感じることのあるものですが、生活に支障が出ている場合には精神科を受診しましょう。

      「意味もなく緊張する」に似ている症状・関連する症状

      「意味もなく緊張する」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
      各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

      関連する症状

      • ある特定の場面でひどく緊張する
      • 何度も同じ行動を繰り返さないといられない
      • 何もかもうまくいかないと思う

      「意味もなく緊張する」という症状の他に、これらの症状がある場合には、「社交不安障害」「パニック障害」「全般性不安障害」「回避性パーソナリティ障害」「統合失調症」などの疾患が考えられます。
      「その行動をやめたいのにやめることができない」ため、イライラして落ち着かなくなったり、「何もかもうまくいかない」と強く感じて、じっとしていられずそわそわと歩き回ってしまう場合には、早めの医療機関への受診を検討しましょう。