FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 症状から調べる
  3. 骨・筋肉・関節・腱
  4. 「くるぶしが痛い」原因はご存知ですか?考えられる病気も解説!

「くるぶしが痛い」原因はご存知ですか?考えられる病気も解説!

「くるぶしが痛い」原因はご存知ですか?考えられる病気も解説!

くるぶしの痛みを感じた場合、多くの方が捻挫を疑うでしょう。しかし、足をひねった覚えがないのに痛いのはなぜかと疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

実は、くるぶしが傷む理由には捻挫や打撲以外にも、病気による影響で傷むことがあるのです。

そこで本記事では、くるぶしが痛いのは病気なのかを解説します。症状別の代表的な病気や原因、受診の目安もご紹介するので参考にしてください。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

プロフィールをもっと見る
徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

くるぶしが痛い症状の原因

くるぶしの痛みといっても、内側の痛みや外側など痛む場所が異なります。また、それぞれの場所で痛む原因も異なるでしょう。ここでは、くるぶしが痛い症状の原因についてご紹介します。

くるぶしの外側が痛い症状の原因

くるぶしの外側に痛みが生じている時の原因としては、次のようなものが考えられます。

  • 怪我
  • 捻挫
  • 骨折

怪我は、靴のサイズがあっていないなどが原因として考えられるでしょう。歩くときなどに、同じ場所に痛みを感じる場合、擦れて傷になっている可能性があります。そのため、動かなければ痛みは止まりますが、動き始めると痛いというようなこともあります。捻挫は、足をくじいたりした場合などにおこる症状です。内側にひねるなどして、くるぶしの外側に痛みを感じることがあります。骨折については、皮下出血が生じるなどで痛みが伴うことがあります。さらに、骨が変形することもあり、歩くのが困難になるほどの痛みを感じることもあるでしょう。

くるぶしの内側が痛い症状の原因

くるぶしの内側が痛い症状の原因としては、次のようなものが代表的です。

  • 怪我
  • 腱や靭帯の損傷・断裂
  • 骨折

くるぶしの内側に痛みを覚えている場合も、外側の痛みと同様に傷や怪我による痛みの可能性があります。靴のサイズが合っていない場合などに、靴との摩擦によって傷ができてしまい、その結果痛みが発生してしまうのです。また、腱や靭帯が伸びたり断裂したりした場合も、くるぶしの内側が痛むことがあります。主な病気としては、後脛骨筋腱機能不全などが挙げられます。くるぶしの内側にある後脛骨筋腱が、炎症を起こしたり断裂などを引き起こした場合に、機能しなくなってしまうのです。その結果、強い痛みを感じることがあります。骨折については、くるぶし外側の痛みと同様のケースが考えられ、歩くのが難しいほどの痛みを伴うこともあります。

くるぶしが痛く・腫れている症状の原因

くるぶしが痛く・腫れている症状の原因としては、次のようなものが代表的です。

  • 腱や靭帯の損傷・断裂・炎症
  • 障害
  • 骨折

腱や靭帯が損傷・断裂・炎症などを引き起こしている場合には、患部が腫れて痛みが伴うことがあります。症状が進行すると、痛みの影響で歩行が困難になるほどです。障害については、外脛骨障害のことであり、腫れと痛みを伴うことがあります。また、足の骨を骨折することでも腫れが生じることがあります。皮下出血が生じたり、くるぶしの骨が変形するなどして大きく腫れることがあるのです。

くるぶしの痛みで考えられる病気

くるぶしの痛みは、外傷によるものもありますが、病気によって生じている場合もあります。注意が必要な病気も中にはありますので、事前に把握しておくことは大切です。ここでは、くるぶしの痛みで考えられる病気をご紹介します。

関節炎

くるぶしの痛みの中には、病気によって引き起こされているケースもあります。まず代表的な病気としては、関節炎です。関節炎にもいくつか種類があります。

  • 痛風性足関節炎
  • 細菌感染による関節炎
  • 負荷による関節炎

痛風性足関節炎は、足の関節内に尿酸の結晶が生じて、急性関節炎を引き起こしたものです。尿酸結晶が関節内に析出して、滑膜を刺激します。すると、くるぶしまで及ぶほど腫れることがあるのです。強い痛みも伴います。約7日~10日程度で痛みは収まる傾向です。しかし、高尿酸血症の方は、繰り返して発症することもあります。何度も発症を繰り返していると、関節の変性変化が発生する可能性もあります。また、関節炎は細菌感染負荷がかかり続けることでも、引き起こされる病気です。主な症状としては、関節が熱を帯びて、皮膚が赤くなるようになることがあります。特に細菌感染による関節炎の場合は、発熱や体のだるさといった、全身の症状が現れることもあるため注意が必要です。

関節リウマチ

関節リウマチは、自己免疫疾患のひとつです。体の免疫システムが、何らかの原因で自分の細胞を攻撃してしまうために発症します。発熱・食欲不振・倦怠感など、全身に及ぶさまざまな症状を発症しますが、中でも関節の炎症を起こすことが特徴として挙げられます。関節に炎症を起こすと、腫れや痛みが現れ、症状が悪化すると関節の破壊が生じることもあるでしょう。ここまで症状が悪化すると、関節を曲げたり伸ばしたりする動きが難しくなり、変形して歩行が困難となるケースもあるのです。

痛風

痛風とは、先述したように尿酸の結晶が関節内にできてしまうことで、突然起こる関節炎です。心臓から遠い位置である、足のつま先などから発症することが多く、足の関節などでも発症します。痛みのある患部が赤く腫れあがり、激しい痛みを伴うこともあるため、歩行が難しいケースもあります。症状はおおよそ2日~3日程度続き、1週間~2週間程度で収まることが多いです。しかし、高尿酸血症の方には、繰り返し起こる可能性があります。何度も繰り返していると、関節の変形が生じることもあるため注意が必要です。高尿酸血症の方が痛風の治療を行うのであれば、一時的なものではなく、継続的な治療が必要となります。

変形性足関節症

変形性足関節症は、足首の関節軟骨が変性・摩耗することで炎症を起こす病気です。軟骨の変性や摩耗は、加齢やスポーツなどが原因となりすり減ることで引き起こされます。特に足首に負担がかかるようなスポーツをしている場合、足首に負担がかかるため発症しやすいといわれています。また、足関節の骨折・捻挫・外傷・細菌感染によって発症することもあるため、誰しも起こる可能性のある病気です。さらに、先述の関節リウマチや痛風の影響により、関節の変形を起こすこともあります。

病気以外に考えられる原因

病気によるくるぶしの痛みをご紹介しましたが、病気以外でも痛みを感じたり腫れたりすることはあります。どの診療科目に受診するかを判断するためにも、病気以外の原因も把握しておいたほうが良いでしょう。ここでは、病気以外に考えられる原因をご紹介します。

捻挫・骨折

病気以外にも、くるぶしが痛くなる原因があります。その原因のひとつが、捻挫や骨折です。捻挫とは、足をひねることでおこる症状です。通常、足首には体重異常の負荷がかかっています。そのため、足首をひねると、通常以上の非常に大きな負荷がかかります。すると、くるぶしにある靭帯が傷ついてしまうのです。これが捻挫の痛みの仕組みとなります。一度捻挫をしていると、捻挫した付近の靭帯が緩むことがあります。そのため、捻挫しやすくなっているため注意が必要です。骨折もくるぶしの腫れや痛みを起こす原因です。骨折には骨が折れている状態だけでなく、ヒビが入った状態・骨が欠けた状態・つぶれた状態なども含みます。原因は、大きな力が加わって骨折する以外に、繰り返し負担がかかって生じる疲労骨折も考えられます。疲労骨折は、同じ部分に負担が継続的にかかることでひびが入るような症状です。疲労骨折の場合は、痛みは生じますが、我慢できるケースもあります。そのため、日常生活の動きを問題なくこなせることもあるため、疲労骨折と疑わないこともあるでしょう。

むくみ

日常生活でのむくみも、くるぶしの痛みや腫れにつながります。むくみは、血液を心臓に戻す力が衰えることで起きやすくなる症状です。通常足の血液は、主にふくらはぎの筋肉によって、心臓へと送り返されています。しかし、ふくらはぎの筋力が低下すると、血を送り返す力が弱まってしまいます。その結果、むくみという症状が現れるのです。足のむくみが強いと、場合によっては圧迫感や痛みが生じる可能性があります。長時間座る方にむくみが起きやすいと思われることが多いですが、足のむくみは水分や血行に大きく関係するため、筋肉量が少ない方や血行が悪い方にも起きやすいです。適度な運動を行うと同時に、アルコールや塩分を取りすぎないように食事に注意することも必要となります。

くるぶしが痛い場合の受診の目安

くるぶしが痛い場合の受診目安としては、怪我をきっかけとした痛みの時や、激しい痛みが発生している場合に受診するようにしましょう。また、痛みが少ない場合でも大きく腫れるケースがあります。そのような時も、万が一に備えて受診するようにしましょう。早期受診が、病気の早期治療につながります。異変を感じた場合には、早めに受診することが大切です。

まとめ

くるぶしの痛みには、痛む場所の違いによって考えられる外傷がいくつかあります。

また、病気の可能性もあるため、注意が必要です。症状によっては、医療機関に受診する必要があるでしょう。

しかし、症状や痛みの原因となる病気を知らなければ、捻挫などと甘く考えてしまい受診に至らないケースもあります。

その間にも、症状は悪化してしまいます。治療が手遅れにならないためにも、正しい知識を備えて、症状ごとの適切な医療機関を受診できるようにしておきましょう。

この記事の監修医師