腰痛は日頃のケアで
克服できる
“子どもの頃よりも腰痛が解消されました”
ました。Ricky先生から見ていかがでしょう?
R:基本的には問題ありませんね。やや腰が反っていはいますが、それがロニー選手の生活スタイルやレースのパフォーマンスに最適なのであれば問題はありません。39歳にしては若々しいという印象です。
ロ:嬉しいですね。頑張ってよかった。僕のレーシングキャリアは10歳からですが、だいたいみんなレーシングカートから始まるんです。カートはサスペンション(路面の凹凸を車体に伝えない緩衝装置)もないし、シートもかなり硬いし、姿勢も辛い。子供のころから常に腰は痛かったですね。
でも日本に来てから、腰の痛みを取るためにさまざまなケアの勉強をし始めました。周りの方にアドバイスももらったりして、この5~6年でかなり調子がよくなってるんじゃないかな。Ricky先生からも問題ないと言ってもらえて、自信に繫がります。
ロ:僕が参戦しているSUPER GTは、今もっとも世界で注目を集めているレースです。トップクラスのレーシングドライバーばかりで、レーシングドライバー同士はもちろん、自動車メーカーやタイヤメーカーの間でも熾烈な競争があり、毎年車が速くなっています。その分、カラダにかかっている負担も大きくなっているので、レーシングドライバーとして車のポテンシャルを引き出すためのトレーニングは欠かせません。
ロ:僕はレース中もトレーニングのときも、デバイスをつけてカラダのデータを全部取っているんだけど、とくに夏場のレースは車内もすごく暑いし、心拍数も190ぐらいまで上がってしまうんです。また、モータースポーツは一瞬たりとも気が抜けない。すぐに他の車に抜かれるし、デバイス上でもチームメイトにばれてしまうからね。
ロ:確かに20年ぐらい前までは、ドライバーよりマシーンのほうが重要だったんです。でも、フェラーリで7回世界チャンピオンを取ったミハエル・シューマッハがフィジカルの重要性を証明して以来、変わってきたんです。
井:ロニーさんのいちばんすごいところは、自分のカラダの末端まで意識が届いているところですね。練習中も「これで合ってる?」という確認の回数が非常に多いんです。ここに注目して今後もトレーニングをしていくことに価値があると思います。
井:腹筋がちゃんとコントロールできているので、さっきのX線結果も、ご本人の努力の成果かなと思っています。
井:主には体幹と、肩甲骨のトレーニング指導ですね。
ロ:レーシングカーの中で、シートベルトをしていつも同じ姿勢でいるせいか、首や肩甲骨周りに負担がかかっていたみたいなんですね。以前はレース中にも首に違和感が出てしまっていたんだけど、井上先生のおかげで、今ではレース前は100%痛みがない状態にまで持っていけるようになりました。おかげで「もっと頑張れる」という気持ちになったよ。
ロ:そう。どんなにトレーニングをしても、最後の粘りはメンタル。でも、カラダのコンディションが良くなれば、メンタルでももっと自信がつくからね。