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オンライン診療可能な肛門科

肛門科と聞くとどうしても身構えてしまい、受診しづらいという印象を持つ人も多いと思います。受診しづらい理由に、「一体どういう疾患があるのか」、「肛門を見られるのも恥ずかしい」、「どんな診察をされるのかわからない」ということがあると思います。本記事では、肛門科について、実際の診察の流れ、オンライン診療についての流れや受診のメリットについて、わかりやすく解説しています。肛門科でのオンライン診療に関しての知識を身につけることで、受診に対する不安がなくなるでしょう。

オンライン診療の対象となる症状

オンライン診療は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、2020年4月より、診療科や疾患を問わず、初診からオンライン診察が可能となりました。肛門科でも対応する医師によりますが、肛門部の疾患で受診することができます。

肛門科で見つかる一般的な疾患は?

肛門科で見つかる疾患には、痔核(いぼ痔)・裂肛(切れ痔)・痔ろう(あな痔)・肛門周囲膿瘍・肛門ポリープ・尖圭コンジローマ(HPVによる性感染症)など、さまざまな種類があります。その中でも、痔核・裂肛・痔ろうが全体の90%以上を占めています。

  • 痔核:痛みのない内痔核、痛みのある外痔核や血栓性外痔核
  • 裂肛:肛門部が裂けたもので痛みや出血を伴う
  • 痔ろう:肛門周囲に膿がたまる状態が悪化したもので、痛み・発赤・匂いなどを伴う

これらの疾患の問診はもちろんですが、視診・触診が最も重要となります。

肛門科でのオンライン診療のケース

オンライン診療を取り入れている肛門科にもお聞きしたところ、初診では対面が基本とのことです。肛門疾患というのは、ほかの科に比べても特に視診・触診が重要なため、オンライン診療の対象となるケースは限られます。

初診の場合

病院にすぐ受診すべきかどうか、問診だけでもいいので緊急性があるか判断してほしい場合であれば、初診でもオンラインで受けることができます。

再診の場合

すでに初回の対面診察は終わっており、経過が安定していて、塗り薬や内服を処方してもらう場合は、オンライン診察のケースが多い傾向にあります。
また、潰瘍性大腸炎の患者さんの内服継続の場合や、痔が再発しているが受診がなかなかできないために一時的に薬を出す場合、あるいは対面診察の結果を伝える場合においてもオンライン診察は利用されます。

オンライン診療の受診例

痔を心配している30代の女性を例に、初めて肛門科のオンライン診療を受ける際の流れを紹介します。

  • オンライン診察の受付後に、ネット上で問診票に症状などを記入します。
  • 医師から問診票をもとに、症状や生活習慣などについて詳細な問診をされます。
    ※ここでは特に痔の痛みや出血、かゆみ、分泌物(膿や粘液)、熱感、便もれがあるか、便通の状態や排便時間、既往歴なども聞かれます。1.、2.で医師が緊急と判断した場合は再診となります。次の再診時は、対面受診でおこないます。
  • 視診:肛門周囲の状態を診て、痔の形態を判断します。
  • 触診:直接肛門部に人差し指を入れて患部の状態を調べます。硬さや可動性の有無が悪性の判断に有用で、最も重要です。視診で患部を確認し、触診でより正確に診断します。
  • 肛門鏡による診察:肛門鏡という器具で肛門を押し広げ、奥の状態まで観察します。
  • 便潜血検査:肛門部に病変が見つからなくても、大腸に潰瘍や出血など何らかの異常がないかを検査で確認します。一般内科や健診でもおこなうことがあります。大腸カメラの必要性を判断するのに役立ちます。

以上の流れで診察後、痔と診断された場合は、生活習慣の指導や塗り薬の処方、また重症度によっては手術などの治療をおこないます。

肛門科でのオンライン診療を初診で受けるメリット

再診では、3.~6.の項目をおこなうことになるため、事前にどんな検査を受けるか知ることができる点においては、オンライン診療のメリットといえます。
誰しも肛門部のデリケートな部分に関しては質問がしづらいと少なからず感じるはずです。オンライン診療の問診で肛門科の医師にあらかじめ診てもらうことで、疾患の予測はある程度可能なので、次回の受診では不安なく臨むことができます。

肛門科のオンライン診療の保険適用範囲

オンライン診療は、2018年4月から保険適用になり、診療報酬として、「オンライン診療料」や「オンライン医学管理料」などが策定されています。
肛門科のオンライン診療でも同じく基本は問診なので、2つをとることができます。 医薬品を処方した場合は「処方料」(42点)や「処方箋料」(68点)を算定できます。

まとめ

肛門科のオンライン診療ですが、結局は再診で直接、視診・触診を受ける必要があるので、中には利用しない人もいるかもしれません。

しかし、あらかじめオンライン診療で問診を詳細におこなうことで、緊急性の有無や一時的な薬の処方、次回の検査の流れの説明などを受けることができ、再診時にはスムーズな診察ができるというメリットがあります。

肛門科のように視診や触診が重視される科では、オンライン診療は治療や検査をスムーズにする非常に重要な診察ですので、できる限り受診することをおすすめします。