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「エプスタイン病」の原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?医師が監修!

 更新日:2024/01/09
「エプスタイン病」の原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?医師が監修!

エプスタイン病とは、三尖弁の位置が下がっているために逆流を生じる、先天性の心臓病です。この病気は先天的な心臓病であり、多因子遺伝疾患として、環境的要因や遺伝的要因が複雑に絡み合って発症するとされています。今回は、エプスタイン病に関する症状や治療法について、Medical DOC編集部に伺いました。ぜひ最後までお読みください。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

エプスタイン病とは

エプスタイン病とは

エプスタイン病とはどんな病気ですか?

エプスタイン病とは、三尖弁の位置が下がっているために逆流を生じる、先天性の心臓病です。

心臓の弁を構成する三尖弁のつけ根が右心室側に沈み込んでいるため、心不全や不整脈などの症状があらわれることがあります。また、心房中隔欠損を合併している場合は、チアノーゼを引き起こすことがあります。

エプスタイン病はどのようにして発見されますか?

エプスタイン病は、新生児期から成人まで症状が出る場合があります。

重症例は新生児から発症し、成人後に発症する場合もあります。治療には心臓手術が必要であり、手術後も長く生存可能です。

エプスタイン病は、新生児期から発症する例や解剖によって発見される例があります。女性が妊娠した場合は、専門施設での管理下で出産できます。

エプスタイン病はどんな方に発症しますか?

エプスタイン病は先天的な心臓病であり、多因子遺伝疾患として、環境的要因や遺伝的要因が複雑に絡み合って発症する可能性があります。

また、特定の薬剤を妊娠中に服用した場合、発症する可能性もあるとされています。

エプスタイン病に合併症はありますか?

エプスタイン病は合併症を引き起こす可能性があります。心房中隔欠損症やWPW症候群のような心疾患が合併することが多く、それによってチアノーゼや不整脈などの症状があらわれることがあります。

また、病態は幅広く、新生児から成人まで発症する例があります。

エプスタイン病の原因はなんですか?

エプスタイン病の原因はウイルス感染、遺伝的要因、環境要因などが考えられています。以下に詳しく紹介します。

ウイルス感染:
エプスタイン・バーウイルス(EBウイルス)による感染が原因の一つとして考えられています。このウイルスは、通常は小児期に感染して免疫力によって制御されますが、免疫力が低下した場合に再発することがあります。

遺伝的要因:
エプスタイン病は遺伝的な要因が関与すると考えられており、家族歴がある場合は発症リスクが高くなるとされています。特に、心臓奇形の合併症がある場合には遺伝的要因が強く関与するとされています。

環境要因:
環境要因もエプスタイン病の原因として考えられています。具体的には、母体が妊娠中に喫煙したり、アルコールを摂取したりすることが、胎児の発育に悪影響を与える可能性があります。

エプスタイン病を予防する方法は現在確立されていませんが、適切な治療や定期的な検査を受けることで、症状の進行を遅らせる可能性があります。

エプスタイン病の治療法

エプスタイン病の治療法

エプスタイン病の治療法にはどのようなものがありますか?

エプスタイン病の治療は症状に応じた治療や患者さんの状態に合わせて行われます。いくつか例を紹介します。

症状に応じた治療:
エプスタイン病の治療には、症状に応じた治療が行われます。例えば、心不全や不整脈がある場合には、薬物療法や手術などの治療が行われます。

患者さんの状態に合わせた治療:
エプスタイン病の治療は、患者さんの状態に合わせた治療が行われます。例えば、心不全が進行している場合には、心臓移植をすることがあります。

定期的なフォローアップ:
エプスタイン病の治療には、定期的なフォローアップが必要です。フォローアップには、定期的な心臓検査や心電図検査などが含まれます。これらの検査によって、病状の進行や治療後の経過を確認します。

エプスタイン病の治療費はどのくらいですか?

治療費は患者さんの病状や治療法によって異なり、患者さんごとに異なります。治療費は、病院や医療施設によっても異なります。

一般的に、エプスタイン病の治療には、薬物療法や手術が行われることがあります。治療にかかる費用は、薬剤の種類や手術の種類によって異なります。また、入院期間や検査の回数によっても費用が変わってきます。

治療費については、医療保険や公的医療費助成制度を利用することで、自己負担額を抑えられる場合があります。具体的には、国民健康保険や社会保険、介護保険などがあります。治療費に関する詳細は、治療を行う病院や医療施設に問い合わせることをおすすめします。

エプスタイン病が新生児に発症した場合はどうしますか?

新生児期にエプスタイン病を発症した場合、治療は早期に行われる必要があります。治療を受けることで、症状の改善や合併症の予防が期待できます。エプスタイン病が新生児に発症した場合、治療方法は以下の通りです。ただし、病気の症状や進行度合いによって、治療方法は異なる場合があります。

新生児期のエプスタイン病は、心不全や低酸素症の症状が出ることがあります。治療としては、酸素投与や薬物療法が行われます。

必要に応じて、心臓手術が必要となる場合があります。手術の種類は病気の進行度合いや症状によって異なりますが、新生児期に手術を行う場合は、心室中隔欠損の修復や右心室肥大の縮小などの治療が行われます。

治療によって症状が改善された場合でも、定期的な経過観察が必要となります。治療方法については、医師や医療施設に相談することをおすすめします。

エプスタイン病の寿命や遺伝について

エプスタイン病の寿命や遺伝について

エプスタイン病の寿命について教えてください

病気の進行度合いや治療法によって異なるため、エプスタイン病の寿命について一概には言えません。

重症のエプスタイン病では、治療にもかかわらず若年性の死亡が報告されています。
一方、軽度のエプスタイン病では、生涯にわたって心臓の機能が低下することもなく、正常な寿命を送れる場合があります。

病気の進行度合いによっては、重度の合併症が発生し、病気による死亡リスクが高くなる場合があります。
しかし、現代の医療技術によって、症状の改善や合併症の予防ができるようになっています。定期的な経過観察や治療を受けることで、病気の進行を遅らせる可能性があります。

エプスタイン病は遺伝する可能性はありますか?

エプスタイン病は、遺伝的な原因によって引き起こされることがあるとされています。遺伝的に関連する遺伝子異常が報告されており、家族に病気の人がいる場合、その家族の他のメンバーにも発症する可能性があります。

ただし、エプスタイン病は稀な疾患であり、遺伝的な原因が明らかになっているケースは限られています。また、病気が発症するかどうかは、遺伝的な要因以外にも、環境やライフスタイルなどの要因も影響を与えることが知られています。

そのため、家族に病気の人がいる場合でも、必ずしも発症するわけではありません。ただし、家族に病気の人がいる場合は、定期的な健康診断や遺伝相談を受けることをお勧めします。

編集部まとめ

エプスタイン病
ここまでエプスタイン病についてお伝えしてきました。
エプスタイン病の要点をまとめると以下の通りです。

・エプスタイン病はEBウイルスによって引き起こされる感染症で、主に発熱やリンパ節の腫れなどの症状を引き起こす
・エプスタイン病は心臓の奇形や神経症状などの合併症を引き起こすことがあり、その治療法や費用は病気の進行度によって異なる
・エプスタイン病の原因に遺伝子異常が関わっているため、家族にエプスタイン病の方がいる場合は定期的な健康診断をお勧めする

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修医師