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心不全は高血圧が引き起こす?原因・治療法を紹介

 更新日:2023/10/02
心不全 高血圧

心不全といえば、心疾患がある人がなる病気と思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

心不全は虚血性心疾患が原因の場合もありますが、高血圧が原因で心不全になる人もいます。

そこでこの記事では、心不全の原因・治療法・おすすめの医院をご紹介します。

早期発見が大切な病気となるので、この記事を参考に心不全の検査を行いましょう。

星 敬美

監修医師
星 敬美(井上医院)

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2003年3月 東京女子医科大学 卒業
2003年4月 東京女子医科大学 循環器内科 入局
(同院で各科研修を行った後、立正佼成会附属佼成病院 循環器内科、女子医科大学附属八千代医療センター 循環器内科に勤務)
2008年 東京女子医科大学 循環器内科 帰局
(集中治療室や超音波検査室で、循環器の救急疾患、重症患者の診療や超音波診断に従事)
2014年 ゆみのハートクリニック(高田馬場)に出向
(主に心臓病患者さんの在宅診療に携わる)
2015年4月 井上医院を継承

心不全は高血圧が引き起こす?

心不全は高血圧が引きおこす?
心不全の原因は高血圧とは限らず、他の原因によって心不全になる場合もあります。心不全は、高血圧死因の中で7割ほどを占めています。
心不全とは、心臓が止まるわけではありません。心臓は血液を全身に循環するポンプの役割がありますが、この機能が弱まってしまい機能不全になることを心不全といいます。
高血圧の人に心不全が多いのは、血管に圧力がかかって心臓が疲弊し、血行不良になってしまうからです。これを放置していると冠動脈硬化が起こり、より病状が悪化してしまうでしょう。このように高血圧が原因の心不全を「高血圧性心不全」といいます。
高血圧が原因だと無症状の人が多く、「隠れ心不全」の可能性があります。特に高血圧性心不全の場合、初期段階だと症状がほとんど現れません。健康診断で高血圧と診断されたら、循環器内科で精密検査を受けましょう。

高血圧性心不全とは

高血圧性心不全とは
高血圧性心不全は以下のような症状の発症、もしくは無症状であることがあります。ここからは、高血圧性心不全に伴う症状を詳しく見ていきましょう。

息切れ

高血圧性心不全は、血流が悪くなることで体に栄養や酸素が行き渡りにくくなります。これにより、息切れが発生します。特に運動しているときなど、動いているときに起こりやすいでしょう。
これは、運動時に心拍出量が低下することで、心臓の左室の収縮が不十分で身体の中で換気しにくくなってしまうからです。高血圧の人で階段の上り下りや坂道を上っているときに息切れするようなら、1度循環器内科で検査を受けてください。息切れは高血圧性心不全の初期に表れやすい症状の1つでもあります。
息切れと一緒に動悸を感じることもあるでしょう。また、息切れが悪化してくると寝転がると息切れしてしまう起座呼吸や、仰向けに寝ると咳込むような症状が出ます。呼吸が苦しくなってしまう前に治療を始めることが大切です。

足のむくみ

高血圧性心不全は心臓から全身へ血液を送る機能が低下することで、腎臓に送る血液も減ってしまいます。これにより、尿の量も減少するので足に水が溜まり、むくみやすくなるのです。むくみの症状は片足だけではありません。
高血圧性心不全による足のむくみは、両足に起こります。全身の血液循環が悪くなっているので、足のむくみだけだったものが他の部分でもむくみを感じるようになるでしょう。また、利尿剤を使えばいいというわけではありません。心不全以外にも合併症がある場合、利尿剤を使用するか慎重に検討する必要があります。

無症状のこともある

高血圧性心不全の人は必ず症状が起きるとは限りません。特に初期の頃や健康診断で心不全の可能性があると診断された場合、無症状であることが多いです。心不全の人の中でも高血圧性心不全の人に多く見られるので、高血圧と診断されたら注視していきましょう。
無症状の場合、まだ心臓の機能に疾患が見られません。しかし、危険因子が存在します。そのため、この危険因子をコントロールしなければなりません。無症状の段階では心疾患が悪化しないように治療していきましょう。

心不全を引き起こす原因は?

心不全を引き起こす原因
心不全を起こす原因は高血圧だけではありません。高血圧とその他の3つの原因を詳しく見ていきましょう。

高血圧性心不全

高血圧性心不全とは心不全の3大要因の1つで、血流の量が増えて血管の内側にかかる圧力が強くなってしまい血管の壁を硬くすることが原因です。血管の壁が硬くなると血栓が発生し、血流が滞ります。これにより、心臓から正常に血流を全身に届けることができません。
そのため、心臓のポンプ機能も低下してしまいます。高血圧と診断された時点で治療を行っていけば心不全を予防できます。高血圧の人は心不全に陥る前に治療を始めましょう。高血圧の治療には塩分コントロールなどの生活習慣の見直しが重要です。

虚血性心疾患

虚血性心疾患とは心臓から血液が送り出されなくなったり、心臓に血液が戻りにくくなったりしている状態です。虚血性心疾患という言葉は知らなくても、心筋梗塞や狭心症といった言葉は聞いたことがある人も多いでしょう。これらの病気は虚血性心疾患に該当します。
虚血性心疾患は4つのステージのうちステージBに当てはまる病気です。この虚血性心疾患は突然死が起こる可能性が0ではありません。また、心不全のステージCに到達する前に、心不全の発症予防を行う必要があります。緩和ケアなど対策を何もしなければ死に近づいてしまうので早めの治療が大切です。

弁膜症

血液が一方通行に流れるようにするために、左右の心室と心房の間・大動脈と左心室・肺動脈と右心室にそれぞれ弁がついています。弁に関する病気には、弁の開きが悪い「狭窄症」、弁がうまく閉まらない「閉鎖不全症」などがあります。これらのことを弁膜症といい、どちらも血流が正常ではありません。
この弁膜症も虚血性心疾患と同じく、ステージBに該当します。弁膜症は心筋梗塞のように突然死するわけではありません。病状としてはゆっくり進行していくことが多い病気です。そのため初期症状はあまりないので、症状が出たときには心不全になっている可能性があります。
息切れや疲れやすさなどのわずかなからだのサインを見逃さず、医師に相談してください。弁膜症の改善としては、機能していない弁を切除し人工の弁に切り替える手術を行います。ただ、弁膜症の手術をすると血栓ができやすくなるので、定期的な検査をしなければなりません。

不整脈

不整脈は脈が速くなったり遅くなったりすることがある症状ですが、すべての不整脈が死に至るわけではありません。しかし、「心房細動」と呼ばれる不整脈は心不全に陥る可能性があります。この不整脈は高齢者に多い症状で、心房の壁が震えてしまい収縮しないので、心室に血液を送れません。
また、心室のポンプ機能も低下してしまいより血流が滞る状態になります。動悸・息切れが主な症状ですが、慢性的な心房細動が起こっている人は症状に気づきにくいでしょう。また、高齢者の場合脈が遅くなる「徐脈」・「洞不全症候群」・「房室ブロック」にも注意が必要です。これらも心不全に陥る可能性が高いです。

心不全を起こさないための高血圧治療法は?

心不全を起こさないための高血圧治療法は?
高血圧治療法を行うことで、心不全になるリスクを抑えられます。ここでは、塩分コントロール・薬物治療・定期健診についてご説明します。

塩分コントロール

高血圧の人は塩分の摂りすぎに注意が必要です。1日当たり6g未満になるように制限しましょう。食塩の摂取量が多いと血液中のナトリウム濃度が高まります。つまり、食塩を摂れば摂るほどのどが渇きやすくなるのです。のどが渇くと人は水分を摂取しようとしますが、この水分量が増えるとナトリウムとのバランスを調節しなければなりません。このバランス調節のために血液量が増加し、血圧が上がってしまうのです。
特に日本人は世界的に見ても塩分を摂りすぎているので、意識して塩分の摂取量を減らしましょう。また、夏場など汗をかきやすい日でも水分を摂取することを心がけ、塩分は必要以上に摂らないようにし、あまりにも汗をかきすぎた場合のみ塩分を多めに摂取しましょう。

薬物治療

高血圧の薬物治療は、年齢・高血圧の重症度・合併症の有無によって判断します。降圧薬を処方しますが、降圧薬は種類が様々あります。患者さんに合った降圧薬を選ぶためにも、気になる症状があれば些細なことでも医師に伝えましょう。
降圧薬は短時間ではなく長時間効き目があるものが処方されることが多いです。副作用には個人差がありますが、血圧が下がることによってだるさを感じたり胃腸障害が起こったりすることがあります。副作用が出た場合、降圧薬を変更することもあるので、どのような症状が出たかきちんと医師に伝えるようにしてください。

定期健診

心不全を早期発見するためには定期健診を受けましょう。心不全は自覚症状がない人もいるため定期検査が大切です。検査では心エコー図・CT・MRI・核医学検査・運動負荷試験・ 薬剤負荷試験・心臓カテーテル検査によって心不全と診断します。自覚症状がない人の場合経過観察になることもあり、医師の勧めがないと医院に足を運ばない人もいるでしょう。
しかし、早期発見が遅れてしまうと致命的になることもあるので、定期的に検査を受けてください。

心不全を起こす高血圧が不安なら井上医院へ

井上医院入口
高血圧による心不全が心配な方は、井上医院に相談してみてはいかがでしょうか。

ここではおすすめポイントをご紹介します。

80年以上の歴史を持つアットホームな医院

井上医院病室
井上医院は、中野区で開院して80年以上地域に密着して歩んできた医院です。

通院している方で、通院が難しくなってしまった場合、往診・訪問診療にも対応しています。アットホームな雰囲気を大切にして、丁寧な診療を心がけています。

さらに、患者さんが待つ時間が少なくなるよう予約優先制を2022年から始めました。そのため、ホームページもしくは電話で予約すると、従来よりも少ない待ち時間で受診できます。また、ホームページから現在の待ち人数や呼び出し番号も確認できます。

かかりつけの人だけでなく初診の人でも予約できるので、受診するときは事前の予約がおすすめです。30分ごとに午前9時から午後17時半まで予約できます。ただ、初診の人は診察終了時間の15分前までに受付する必要があります。

立ち寄りやすい医院で発症予防を目指す

井上医院は新井薬師前駅北口から徒歩2分と駅近にある医院です。ただし、駐車場はないので車で来院する際は、近隣のコインパーキングを利用しましょう。

井上医院では基本的な診察だけでなく精密検査を行うことで、心不全以外の病気も早期発見や再発予防を目指しています。

薬などでの治療だけでなく食事・運動・血圧測定など自宅でできる健康対策へのアドバイスも行っています。

女性医師による気さくな雰囲気の診療

井上医院では女性医師が診療しています。院長は日本循環器学会認定 循環器専門医の資格を有しているので、心不全の診療だけでなく予防にも精通しています。

診療だけでなく、精密検査や治療後のアフターフォローも責任をもって行っています。

また、診察の結果次第ではさらに高度な治療を受けられるように、適切な医療機関への紹介も行っています。

井上医院の基本情報

アクセス・住所・診療時間

西武新宿線 新井薬師前駅 北口 徒歩2分

東京都中野区松が丘1-2-16

診療時間
9:00~12:00
15:00~18:00

▲ 金曜午後は15:00~17:00
※ 初診の方は健康保険証をお持ちの上、診療終了時間の15分前までにお越しください。

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