「うつ病の原因や症状」はご存知ですか?治療法も解説!【医師監修】
訳もなく悲しかったり、何もやる気が起きなかったりするような症状が長期間出るのが、うつ病の特徴です。
うつ病の治療には薬を使うこともあることを知っていますか。
精神に効くお薬と聞いて、漠然と怖いイメージを抱く方もすくなくないでしょう。
そこで本記事では、抗うつ薬の副作用についてご紹介していきます。薬の種類や治療方法についても併せて解説しているので、うつ病治療に踏み出す第一歩にしていただけますと幸いです。
※この記事はMedical DOCにて『「うつ病の治療で使用される薬の副作用」にはどんな症状がある?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
大迫 鑑顕(医師)
うつ病の原因や治療方法
うつ病の原因を教えてください。
環境要因とは、以下のようなものがあります。
- 大切な人の死や離別
- 仕事・財産・健康など大切なものを失う
- 人間関係のトラブル
- 家庭内のトラブル
- 昇格・降格・結婚・妊娠など職場や家庭内での役割の変化
人生における悪いことだけでなく、よいこともうつ病のきっかけになるということに注意が必要です。
また、うつ病になりやすい性格は以下のようなものがあります。
- 義務感が強い
- 仕事熱心
- 完璧主義
- 几帳面
- 凝り性
- 常に他人への配慮を重視して関係を保とうとする
これらをみると、自分で自分を追い込みやすい性格の方がうつ病になりやすいといえるでしょう。このようなさまざまな要因が起こっているとき、脳内では神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンが減少しています。セロトニンやノルアドレナリンは、精神を安定させたり、やる気を起こさせたりする働きがあります。そのため、これらが減少するとうつ病のような症状が出てくるのです。
どのような症状が出ますか?
- 気分が落ち込んで何もする気になれない・憂うつ
- 興味や喜びが喪失する
- 食欲が減退したり増進したりする
- なかなか寝付けない・途中で起きてしまう・朝早く目が覚めてしまう
- 寝すぎてしまう
- 口数が極端に減ったり、行動が不活発になる
- 内心落ち着かず、不安になったりイライラしたりする
- 疲れやすい
- 気力がなくなる
- 強い罪責感を感じる
- 思考力や集中力がなくなる
- 死にたくなったり、消えたくなったりする
基本的に気分や行動がふさぎ込む方に偏ってしまうのが特徴ですが、食事や睡眠に関しては個人差があることに注意が必要です。
医療機関を受診する目安を教えてください。
- 悲しくて憂うつな気分が一日中続く
- これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない
- 食欲が減る、あるいは増す
- 眠れない、あるいは寝すぎる
- イライラする、怒りっぽくなる
- 疲れやすく、何もやる気になれない
- 自分に価値がないように思える
- 集中力がなくなる、物事が決断できない
- 死にたい、消えてしまいたい、いなければよかったと思う
これらに当てはまる場合は、早めに精神科や心療内科を受診しましょう。
うつ病の治療方法を教えてください。
- 薬物療法
- 精神療法・カウンセリング
- 休養
薬物療法では、セロトニンやノルアドレナリンの増加作用がある抗うつ薬が主に使用されます。その他、症状に応じて抗不安薬や睡眠導入剤も処方されるでしょう。
精神療法やカウンセリングには、ストレスを和らげたり、自分を追い込む考え方の癖を変化させたりする役割があります。
なかでも重要なのが休養です。うつ病は脳の機能に支障をきたしている病気なので、しっかり休養を取ることが必要です。
休むことに罪悪感を感じるかもしれませんが、しっかり休養するようにしましょう。
編集部まとめ
抗うつ薬の種類は6つ程あり、神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンの働きに作用するものが主です。
うつ病の治療は薬物療法のほか、精神療法・カウンセリング、休養を組み合わせて行われます。
うつ病の治療に使用される薬の副作用は、吐き気・体重増加・眠気などさまざまあります。
飲み始めは、副作用の症状が気になることも少なくありませんが、多くは徐々に軽減していくといわれています。
副作用が気になっても、独断で中止せず、主治医に相談することが大切です。