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ABC検診で「ピロリ菌」が見つかる確率を医師に聞く ピロリ菌が見つかったらどうすればいい?

 公開日:2024/07/10
高齢ほど要注意!?

胃がんのリスクファクターとして、よく挙げられる「ピロリ菌」。“ピロリ菌の検査は受けたほうがいい”とよく耳にしますが、実際にピロリ菌が見つかったら、どのようにすればいいのでしょうか。今回はピロリ菌が見つかる確率も併せて、みらいメディカルクリニック茗荷谷の松本先生を取材しました。

※この記事はMedical DOCにて【胃がんの発症リスクがわかるABC検診とは!? 医師が検査方法や受ける頻度などを解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

松本 昌和

監修医師
松本 昌和(みらいメディカルクリニック茗荷谷)

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東海大学医学部医学科卒業、順天堂大学大学院医学研究科腎臓内科学講座修了。順天堂大学医学部腎臓内科学講座非常勤助教、医学博士。現在、みらいメディカルグループ代表。「内科らしい内科」を目指し、順天堂大学医学部附属順天堂医院にて研修後、同院の腎・高血圧内科に入局、腎疾患と透析医療に当たる。その後、有隣厚生会 富士病院、御徒町腎クリニックなどを経て現職。大学付属病院で勤務していた経験を生かし、大病院と町医者がそれぞれの立場や役割を担うことを重んじ、常に患者の側にたった高品質の診療を心がける。

編集部編集部

具体的に、どのような検査が行われるのですか?

松本 昌和先生松本先生

まず、ピロリ菌感染の有無を調べるピロリ菌抗体検査では、血液中の抗体を測定することで、ピロリ菌の感染について調べます。ピロリ菌とは胃にいる菌のことで、強酸性の胃の中でも生き続けることができます。

編集部編集部

どれくらいの確率で、ピロリ菌が見つかるのですか?

松本 昌和先生松本先生

ピロリ菌の感染率は出生年代によって異なり、だんだん低下してきています。最近の研究では、1950年代以前の生まれで40%以上、1960年代、1970年代生まれで20-30%、1980年代生まれで約10%と報告されています。

編集部編集部

ピロリ菌が胃の中にいると、どうなるのですか?

松本 昌和先生松本先生

慢性的な胃粘膜の炎症を引き起こし、胃・十二指腸潰瘍萎縮性胃炎の原因になると考えられています。また最近の研究により、ピロリ菌に感染していなければ、胃がんの発症は少ないということも確認されており、世界的にピロリ菌が胃がんを誘発すると考えられています。

編集部編集部

続いて、胃粘膜の萎縮の状態を調べる検査とはどのようなものですか?

松本 昌和先生松本先生

具体的には、ペプシノゲンの産生状態を調べる検査です。ペプシノゲンは、胃の細胞から分泌され、タンパク質の消化酵素「ペプシン」の基となる物質のこと。ペプシノゲンは一部が血中に流出するため、血中濃度を測定することで、胃粘膜でのペプシノゲン産生度が分かります。

編集部編集部

産生度によって、どのようなことがわかるのですか?

松本 昌和先生松本先生

ペプシノゲンは胃粘膜が萎縮すると低下し、また、胃粘膜の萎縮が強いほど、胃がんのリスクが高まるといわれています。

編集部編集部

それらの結果を総合して、胃がんのリスクを考えるのですね。

松本 昌和先生松本先生

そうです。当院では、検査でピロリ菌がいることがわかったら、1週間の除菌療法を推奨しています。さらにB以上のリスクと診断された方は、リスクに応じた間隔で胃の内視鏡検査をお勧めしています。

この記事の監修医師

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