「子どものおねしょ対策」夜中に起こすのはNG!? 親が注意する3つのポイントを医師に聞く
子どものおねしょ対策で、「夜中に起こしてトイレに行かせる」ということをしていませんか? 「Sunnyキッズクリニック」の若林先生によると、実は夜中、一度トイレに行かせるのは逆効果とのことです。一体どういうことなのか、詳しく伺いました。
監修医師:
若林 大樹(Sunnyキッズクリニック)
編集部
家庭でできる工夫として、夜中に1度起こせば、おねしょを回避できそうですが?
若林先生
むしろ逆効果になりかねません。「寝ている間、あまりオシッコをつくらないようにしよう」とするホルモンの働きを阻害してしまうからです。また、長期間にわたって続けられるかどうかも問題です。やはり、本質的な解決を優先すべきだと思います。ただし、夜尿を検知すると音が鳴る「アラーム療法」は有意だと考えます。お子さんって、自分では夜尿に気づいていないのですよね。「夜間に起こす、起こさない」とは別に、「このタイミングでやっちゃった」という問題意識をもたせることも、解決につながるプロセスでしょう。
編集部
そして“怒る”こともダメとのことでした。
若林先生
はい。怒ることも逆効果です。それよりも、おねしょをしなかった朝に褒めてあげてください。こうした成功体験を「夜尿症ノート」に付けて「見える化」することも大切です。そのとき、夜尿症の有無だけではなく、“量”にも注目しましょう。量が少なくなってきているのも、治りはじめているサインです。こうすれば、お子さんは「治ってきているな」という自覚をもち、落ち着いてきます。“起こさない、怒らない、落ち着かせる”の「3つの“お”」を、ご家庭で実践してください。
編集部
ほか、家庭でできることはありますか?
若林先生
「暖かくして寝る」などいくつかありますが、まずは「3つの“お”」からはじめてください。たくさんあると覚えきれないですし、「3つの“お”」ができてから医師と相談して、できることを増やしてみてはいかがでしょうか。加えて、「夜尿症ノート」の活用ですね。
編集部
最後に、読者へのメッセージがあれば。
若林先生
「夜尿症は治療で治せる」ということが、あまり知られていない印象です。「勝手に治る」と思われている保護者の方は一定数、いらっしゃると思います。このとき、「夜の蛇口を止める」ことも大切なのですが、お子さんの心の成長にも留意していただければなによりです。総じて、親子を問わず「困っているとき」が受診のタイミングだと思っています。