【トイレが近い人必見②】過活動膀胱になりやすい人の特徴
「尿意が我慢できない……」そんな経験はありませんか? 実はその症状、“過活動膀胱”という病気かもしれません。過活動膀胱について「たかだウロクリニック」の高田先生に学ぶ特集の第2回。
今回は「過活動膀胱になりやすい人の特徴」について解説していただきました。
監修医師:
高田 将吾(たかだウロクリニック)
編集部
過活動膀胱に「なりやすい人」も同様に、とくに特定できないということでしょうか?
高田先生
肥満の人が過活動膀胱になりやすいことは、症例報告から判明しています。ただし、頻尿と過活動膀胱の境目はグレーなので、なんとも言えません。1日8回以上オシッコにいくようなら「頻尿」とみなされるのですが、例えば、出産後の骨盤底筋の緩みにより「頻尿」となって、その後に切迫感のある「過活動膀胱」に進んでいくケースもあります。
編集部
過活動膀胱に関連した「排尿日誌」があるそうですが?
高田先生
はい。排尿日誌とは、1日の排尿した時間とそれぞれの排尿量を記録していただくものです。たしかに尿量を調べること、つまり膀胱の容量を調べることは重要です。一般に、350mlのビール缶程度の排尿があれば正常で、毎回100~200mlを切るようなら過活動膀胱を疑います。ですが、排尿障害により1回の排尿量が少ない人もいるので、診断はきちんとおこなうことが大切です。
編集部
日中と夜間の分別はどうなのでしょうか? 「夜間頻尿」という言葉もあるくらいですが?
高田先生
その人の水分の取り方や量とも関係してくるので、難しい問題ですね。一般には、寝ている間に1回でもオシッコで起きれば夜間頻尿です。ですが、2回以上を“病的”とみなし、治療を検討していきます。このとき、水分の取りすぎや寝酒が原因となっている場合もあれば、睡眠障害が先にあって「起きたついでにオシッコ」という場合、過活動膀胱の場合もあります。
編集部
過活動膀胱は自分でなんとかできるものでしょうか?
高田先生
肥満の人は「体重を減らすこと」が必要ですね。適正体重に近いのであれば「膀胱訓練」といって、あえて我慢してみるという行動療法があります。いわゆる「尿漏れ体操」がいくつかあります。なお、本当に尿漏れしても大丈夫なように、ご自宅などで取り組むようにしましょう。また、水分摂取や食事内容が関係していれば、その内容を見直します。
編集部
テレビなどで「膀胱がやわらかくなるサプリメント」を見かけますが、効果はあるのでしょうか?
高田先生
サプリメントは基本的には漢方薬であることが多いと思います。私も頻尿や残尿感などの症状に漢方薬を使うことはよくありますので、1つの選択肢としてアリでしょう。しかし、サプリメントや漢方薬のみで病気を治すのは残念ながら難しいことが多いですね。やはり、症状が治らない場合は診察や検査を受けることをおすすめします。