「認知症の人が徘徊してしまった…」正しい対処法や接し方を介護福祉士が伝授
認知症の人が徘徊したときの対処法はご存知でしょうか? 無理に引き止めたり、感情的に接したりするのは逆効果なのだそうです。今回は、認知症の人との正しい接し方について「介護福祉士」の若井さんに解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【認知症の人はなぜ徘徊するのか 原因と対策を介護福祉士に聞く】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修介護福祉士:
若井 由加(介護福祉士)
編集部
徘徊してしまったとき、認知症の方にどのように接すればいいのでしょう?
若井さん
徘徊がはじまった時は、徘徊を無理にやめさせようとしたり、感情的に接したりするのは悪循環です。認知症の方の不安やパニックを悪化させてしまいます。可能な限り同行するようにしてください。同行時には、事故やケガに注意しましょう。
編集部
徘徊がおこってしまった時の対処法についても教えてください。
若井さん
徘徊がおこってしまったときは、すでに認知症の方がどこにいるのかわからない状況です。よく見られるのが、いなくなった時自分もしくは自分達だけで探すことです。探して見つからなくて警察に連絡するのは遅すぎます。認知症の方は目的をもって歩いているので、どんどん遠くへ行く傾向にあります。時間が経った分、見つけにくくなります。いなくなった時点で警察に連絡をしてください。認知症の人の行方が分からなくなるのは、命に関わる深刻な状態です。
編集部
徘徊について、ほかにやっておくことはありますか?
若井さん
理由を見つけることが大切です。これは時間がかかる作業で、認知症の方は、本心を話したくても上手く説明できないことが良くあります。徘徊のきっかけになった出来事や環境、理由を日々のかかわりの中から見つける作業が重要です。場合によっては、理由を解決することで徘徊がなくなることもあります。徘徊の同行や、普段の会話の中に理由が隠れていることもあります。
編集部
最後に、認知症の人とどのように向き合えばいいのでしょうか?
若井さん
認知症の人の徘徊は「自己表現の一つ」です。何か理由や想いがあって徘徊しているということを理解しておく必要があります。認知症だから仕方がないのは事実ですが、そこに理由があるのだと思って接すると、介護者の気持ちをほんの少しかもしれませんが軽くしてくれるはずです。