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高藤 円香

監修医師
高藤 円香(医師)

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防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科

酒さの概要

酒さは、顔面に赤みやニキビのような症状が現れる慢性炎症性疾患です。
特に鼻や頬、額に症状が現れやすく、ほてりやヒリヒリ感を伴うことが多い傾向です。
酒さは30〜50歳の中年以降に発症しやすく、男性よりも女性に多い傾向があります。

酒さの原因

酒さの正確な原因は不明ですが、以下の要因が関与していると考えられています。

内部要因

遺伝的要因

家族に酒さの患者さんがいる場合、発症リスクが高まります。

免疫系の異常

免疫系の過剰反応が酒さの発症に関与していると考えられています。

ホルモンの変動

特に女性に多いことから、ホルモンの変動が関与している可能性があります。

外部要因

紫外線

紫外線は皮膚の炎症を引き起こし、酒さを悪化させる要因となります。

温度変化

寒暖差が激しい環境は、酒さの症状を悪化させることがあります。

ストレス

精神的なストレスも酒さの発症や悪化に関与しています。

食事

香辛料やアルコール、熱い飲み物などが酒さの症状を悪化させることがあります。

酒さの前兆や初期症状について

酒さの前兆や初期症状には以下のようなものがあります。

顔面の赤み

酒さの最も一般的な症状は顔面の赤みです。
特に頬や鼻、額に赤みが現れ、持続的に続くことが多いようです。
赤みは一過性のものから持続的なものまでさまざまです。

ほてり

顔面のほてりも酒さの初期症状の一つです。
ほてりは温度変化やストレス、アルコール摂取などによって引き起こされることがあります。
ほてりは一過性であることが多い傾向ですが、頻繁に起こる場合は酒さの進行を示唆することがあります。

ヒリヒリ感

酒さの患者さんは、顔面にヒリヒリとした刺激を感じることがあります。
これは皮膚の炎症によるもので、特に洗顔後やスキンケア製品の使用後に感じることが多いようです。
ヒリヒリ感は、皮膚のバリア機能が低下していることを示している場合があります。

ニキビ様の発疹

酒さはニキビに似た丘疹や膿疱が現れることがあります。
これらの発疹は顔面の中心部に多く見られ、赤みを伴うことが多いようです。
ニキビとは異なり、黒ずみや白ずみは見られません。

毛細血管拡張

顔面の皮膚に細い血管が目立つようになることがあります。
これは毛細血管の拡張によるもので、酒さの特徴的な症状の一つです。
特に頬や鼻の周りに見られることが多い傾向です。

鼻瘤

重症の場合、鼻が赤く膨らみ、凸凹した表面になることがあります。
これは鼻瘤と呼ばれ、特に男性に多く見られます。
鼻瘤は長期間にわたる酒さの結果として現れることが多く、治療が遅れると進行する可能性があります。

酒さの前兆や初期症状が見られた場合に受診すべき診療科は、皮膚科です。
酒さは顔面の赤みや炎症を引き起こす皮膚疾患であり、皮膚科で診断と治療が行われています。

酒さの検査・診断

酒さの診断は、臨床症状と患者さんの病歴に基づいて行われます。
以下の方法が用いられます。

臨床症状

酒さの診断には、典型的な臨床症状(顔面の赤み、ほてり、ヒリヒリ感、ニキビ様の発疹、毛細血管拡張など)が重要です。
これらの症状が酒さを示唆する場合、さらなる検査が行われます。

病歴の確認

患者さんの病歴を詳しく確認し、酒さのリスク要因(紫外線曝露、温度変化、ストレス、食事など)を特定します。
これにより、診断の精度が向上し、適切な治療計画を立てることができます。

画像検査

必要に応じて、皮膚の状態を詳細に確認するために画像検査が行われることがあります。
特に、ほかの皮膚疾患との鑑別診断が必要な場合に有用です。

血液検査

血液検査により、ほかの疾患との鑑別診断を行います。
特に、免疫系の異常や感染症の有無を確認します。
これにより、酒さ以外の原因による症状を排除することができます。

酒さの治療

酒さの治療には、主に以下の方法が用いられます。

薬物療法

    外用薬

    メトロニダゾールやアゼライン酸などの外用薬が使用されます。
    これらの薬は、皮膚の炎症を抑え、赤みや発疹を改善します。
    外用薬は、軽度から中等度の酒さに対して効果的です。

    内服薬

    重症例では、抗生物質(ドキシサイクリン、ミノサイクリンなど)やイソトレチノインが使用されることがあります。
    これらの薬は、皮膚の炎症を抑え、症状を改善します。
    内服薬は、外用薬で効果が見られない場合や、広範囲にわたる症状に対して使用されます。

    レーザー治療

    レーザー治療は、顔面の赤みや毛細血管拡張を改善するために使用されます。
    特にVビームレーザーが効果的とされています。
    レーザー治療は、皮膚の表面にダメージを与えずに血管を収縮させるため、回復が早いのが特徴です。

    スキンケア

    適切なスキンケアも酒さの治療に重要です。
    低刺激性の洗顔料や保湿剤を使用し、紫外線対策を行います。
    スキンケア製品は、アルコールや香料を含まないものを選ぶことが推奨されます。

    生活習慣の改善

    酒さの症状を悪化させる要因を避けることが重要です。
    具体的には、以下の点に注意します。

    紫外線対策

    日焼け止めを使用し、紫外線を避ける。日焼け止めは、SPF30以上のものを選び、こまめに塗り直すことが推奨されます。

    温度変化の回避

    急激な温度変化を避ける。特に寒暖差が激しい環境では、顔を保護するためのマスクやスカーフを使用することが有効です。

    ストレス管理

    ストレスを軽減するためのリラクゼーション法を取り入れる。ヨガや瞑想、深呼吸などが効果的です。

    食事の見直し

    香辛料やアルコール、熱い飲み物を控える。これらの食品は、血管を拡張させ、酒さの症状を悪化させることがあります。

    酒さになりやすい人・予防の方法

    リスク要因

    遺伝的要因

    家族に酒さの患者さんがいる場合、発症リスクが高まります。

    免疫系の異常

    免疫系の過剰反応が酒さの発症に関与していると考えられています。

    ホルモンの変動

    特に女性に多いことから、ホルモンの変動が関与している可能性があります。

    紫外線曝露

    紫外線は皮膚の炎症を引き起こし、酒さを悪化させる要因となります。

    温度変化

    寒暖差が激しい環境は、酒さの症状を悪化させることがあります。

    ストレス

    精神的なストレスも酒さの発症や悪化に関与しています。

    食事

    香辛料やアルコール、熱い飲み物などが酒さの症状を悪化させることがあります。

    予防の方法

    酒さの予防には、以下の方法が有効です。

    紫外線対策

    日焼け止めを使用し、紫外線を避ける。
    日焼け止めは、SPF30以上のものを選び、こまめに塗り直すことが推奨されます。

    温度変化の回避

    急激な温度変化を避ける。
    特に寒暖差が激しい環境では、顔を保護するためのマスクやスカーフを使用することが有効です。

    ストレス管理

    ストレスを軽減するためのリラクゼーション法を取り入れる。
    ヨガや瞑想、深呼吸などが効果的です。

    食事の見直し

    香辛料やアルコール、熱い飲み物を控える。
    これらの食品は、血管を拡張させ、酒さの症状を悪化させることがあります。

    適切なスキンケア

    低刺激性の洗顔料や保湿剤を使用し、肌を保護する。
    スキンケア製品は、アルコールや香料を含まないものを選ぶことが推奨されます。

    酒さは適切な治療と予防により、症状の改善が期待できる疾患です。
    専門家の助けを借りながら、長期的な視点で治療に取り組むことが重要です。

    この記事の監修医師