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歯茎が腫れる原因は?

こんにちは、千葉県市川市の水野デンタルクリニック、歯周病専門医の水野剛志です。
今回はご来院される理由としても多い歯茎が腫れる原因についてお話させていただきます。


 

 歯茎が腫れる原因は?

歯磨きをしていて歯ブラシに血がついてくる、口をゆすぐ時に血が混じる、歯茎がボコッと腫れている…
そんな経験はございませんか?
 
実はそれ、歯茎(歯肉)に炎症が起きているサインです。
その中でも歯茎が腫れる原因はお口の中の細菌が最も関与していますが、それだけではなく様々な要因があります。
 
今回は歯周病(歯肉炎・歯周炎)で歯茎が腫れてしまう原因について掘り下げていきましょう。
 
 

 

 歯茎が腫れる原因は〇〇〇〇にあった!

 
毎日歯磨きやフロスをしていても汚れを落としきることはなかなか難しいため、少しずつ汚れが残っていきそれが炎症を起こす原因となり歯茎が腫れてしまうことがあります。
 
歯の表面についた汚れはプラーク、あるいは歯垢と呼ばれます。
 
プラークが歯茎に炎症を引き起こすことは40年以上前の研究(Experimental gingivitisinman.J.Periodontol,36:177~187,1965)から明らかにされています。
 
この研究では歯肉炎になっていない状態の被験者にブラッシングを中止させ、堆積するプラークの組成および歯肉の状態の変化を観察しました。
 
研究の結果、プラークが堆積していくにしたがって歯肉炎を発症することが実証され、その後ブラッシングを再開し、プラークを除去すると歯肉炎が治ることも示されました。
 
以上のことからプラークと歯肉炎の密接な関係が明らかにされ、プラークが歯肉に炎症を引き起こすと結論づけられました。
 
プラークはマトリックス(基質)に包まれた細菌のかたまりで、さまざまな細菌たちがお互いに関連しあって成り立っていると考えられています。
お口の中には約500種類の細菌が存在しているといわれていますが、細菌たちが共存しコミュニティを作って生活している、それがプラークという概念です。
 
このマトリックスは、プラーク中の細菌たちをバリアして守るような働きがあるため、その中にいる細菌に対して抗菌薬が効きにくいという特徴があります。
 
抗菌力の強いマウスウォッシュなどでゆすいでも細菌に対する効果は低く、歯ブラシやフロス、歯間ブラシなどで機械的に除去する必要があります。
 
つまり一度プラークが付着してしまうとゆすぐだけでは除去することが出来ないため、ブラッシングや歯科医院で受けるクリーニングなどで機械的に除去する必要があります。
 
プラークの絶対量が少なく、体に抵抗力があると歯茎は健康な状態を保つことが出来ますが、プラークと体の抵抗力のバランスが崩れると炎症が生じ、歯茎が腫れてしまうのです。
 
歯茎に炎症を起こさないためにはお口の中の細菌を減らすことが最も重要ですが、炎症を悪化させる要因として全身疾患や服薬の有無、生活習慣も関与しています。
 
 

 

 プラーク以外に原因はあるのか?

 
歯周病は「細菌因子」、「宿主因子」、「環境因子」の3つの要因が複雑に絡み合って発症し、進行する病気です。
細菌因子に関しては前述したとおりですが、宿主因子(体の抵抗力)や環境因子(生活習慣など)もまた関与しています。
では、細菌因子以外にどんな状態の時に歯茎が腫れやすくなるのでしょうか。
 

 

・宿主因子:体の抵抗力が下がっている時

 
仕事が忙しい時、体調を崩した時に歯茎が腫れたなどの症状を経験された方もおられると思います。
それは体の抵抗力(免疫応答)が下がっているからです。
また白血病やAIDSなどの免疫機能が低下する全身疾患や、臓器移植などで免疫抑制薬を服用している方も歯茎が腫れやすくなります。
 

 

・環境因子:生活習慣に問題がある時や服薬している時

 
喫煙やストレス、睡眠不足や不規則な食生活などの生活習慣の乱れは、崩れてしまった細菌と免疫のバランスをさらに乱し、炎症を起こしやすくします。
また高血圧や糖尿病などの全身疾患にかかっていて特定の薬を服用している場合も歯茎が腫れやすくなります。
 

 

 まとめ

 
炎症を引き起こす原因はほとんどはプラークにあります。
ブラッシングや歯間清掃でプラークを機械的に除去し、定期的に歯科医院でクリーニングを受け歯茎を健康な状態に保ちましょう。

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