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内視鏡による治療ってどんなことをするの?

内視鏡は体の外からは確認できない臓器の内側を目で見ることができる医療機器です。実は、内視鏡は見て診断を行うだけではなく、開腹が必要となるような手術をせずに治療を行うこともできるのです。内視鏡治療ではどのような治療ができるのか、Medical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修医師
成毛 哲 (成毛医院 副院長)


 

がんやポリープに関する内視鏡治療



 

バイオプシ(組織採取)

バイオプシ(組織採取)では、先端がクリップのような形をした鉗子を使用します。このクリップで生体組織をつかんで採取し、顕微鏡で観察する病理検査を行います。組織細胞の状態などから良性か悪性かを判断するのです。


 

ポリペクトミー(ポリープ切除)

ポリペクトミーは、茎のあるきのこのような形状をしたポリープやがんを切除する内視鏡治療です。高周波スネアというワイヤーの輪を、隆起した病変の茎部分に掛けて締め、高周波電流を流すことで焼き切る方法です。また、熱はかけないまま、スネアでそのままねじ切る方法のコールドポリペクトミーで病変を切り取ってくる方法もあります。切除後のポリープは病理検査を行うことで、良性か悪性かの判断が可能です。


 

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

平たい形のポリープやがんは、スネアでの除去は困難です。このような場合は、がんなどがある場所の粘膜下層に生理食塩水などを注入し、盛り上がった部分にスネアをかけて切除して採取する内視鏡的粘膜切除術(EMR)を行います。


 

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

EMRで一度に切除できるのは、スネアの大きさの範囲内である直径約2cmに限られるため、大きながんであった場合は切除を数回に分けて行う必要があります。EMRでの治療は、がんが全て切除できているか、がんの深さはどの程度まで進行しているのかを正確に知ることは困難です。これらの困難を克服する治療法として一部医療機関で取り入れられているのが、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)です。

ESDは、採取したい部分の下層に薬剤を注入し、周りを専用ナイフで切開して粘膜下層をめくるようにはがし取っていく方法です。こうすることで、大きな病変がひとかたまりで綺麗に切除でき、病理検査でのより正確な診断に役立ちます。


 

そのほかの内視鏡治療



 

異物摘出

体内にある異物を内視鏡で探し、鉗子を使って異物を取り出す治療です。子供がボタン電池やコインを飲み込んでしまう、魚の骨が食道に刺さるなどの、体内にあると苦痛や危険を伴う物質を取り除く場合に行われます。鉗子は異物に合わせて異なる形状のものを使い分けます。例えばボタン電池やコインなどは、W字型の平らなものを強く挟める鉗子、食べ物などの柔らかい異物には爪のついたV字型の監視を用います。


 

止血

内視鏡では内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などで生体組織を切除した患部の出血を止める止血も行います。止血の方法は大きく分けて3つあり、熱凝固による方法、クリップを用いた方法、薬剤による方法があります。出血部位や、出血量など、それぞれの状況に応じて最適な方法を選択したうえで止血が行われます。

熱凝固による止血

熱凝固による止血法にも3つの方法があります。高周波電流を用いた方法では、出血を起こしている部分に高周波凝固子をあてて高周波電流を流し、発生する熱により組織を凝固させて止血します。先端に特殊な発光ダイオードが組み込まれた鉗子であるヒートプローブによる止血法は、鉗子を血管周囲に軽く押し当てることで止血できます。レーザーを用いた止血法では、出血した部分をレーザー光線で灼焼することで止血します。

クリップを用いた止血

クリップを用いた止血法は、出血をおこしている粘膜や血管を直接クリップで摘まんで圧迫することで止血させます。組織損傷が最も少ない方法であるため、安全確実な方法です。クリップには様々な大きさのものや回転機能がついているものがあり、部位の状態に合わせて使用が可能です。使用したクリップのほとんどは自然に便と一緒に体外に排泄されます。

薬剤による止血

薬剤による止血法には2つの方法があります。薬剤局所注入法は、血管収縮作用を起こす薬剤や組織固定を行う薬剤を、出血部に駐車して止血する方法です。薬剤散布止血法は、薬剤のコーティング作用や薬理作用を利用して、薬剤を出血粘膜表面に塗布または散布して止血する方法です。


 

採石・砕石

胆道にできた石を砕いたり、取り除く内視鏡治療があります。胆管結石のための内視鏡の鉗子にはいくつか種類があり、内視鏡やX線で石の位置や大きさを確認した後、適した形状の鉗子を用いて採石を行います。砕石には、ワイヤーをバスケット型にした形状の鉗子を用います。バスケットの中に石を取り込んだ後、締めつけて石を砕きます。石が小さい場合や数が少ない場合は、バスケット鉗子に石を取り込んだまま摘出することもあります。


 

内視鏡治療のメリット・デメリット


 

内視鏡治療のメリット

近年、検査方法の発達や検診が普及したことで、早期発見されるがんが多くなってきました。それと共に内視鏡治療も発達し、それまで外科手術をしなければならなかったがん等も内視鏡治療で病巣を取り除くことが可能となりました。内視鏡治療のメリットは、身体への負担が少なくて済む点です。内視鏡カメラの延長で病変部分のみを切除しますので、臓器の大きさはそのまま、体の表面には全く傷をつけませんし、痛みもほとんどありません。外科手術が必要ないので、もちろん全身麻酔の必要もなくなります。全身麻酔による身体の負担や合併症を心配する必要もありません。経過が順調であれば入院期間も非常に短くて済みます。


 

内視鏡治療のデメリット

内視鏡治療の最大のデメリットは、その難しさにあります。モニタを見ながら治療を行うため、まれに治療中に臓器に穴を開けてしまうことや、モニタに写っていない部位を傷つけたまま気づかない場合があります。そのような事態を避けるためには、従来の外科手術とは全く異なった高度な技術と共に、あらゆる不測の事態に対応できる能力が医師に求められます。高度な技術が必要となるため、がんの大きさや部位によっては外科手術と同程度かそれ以上の時間がかかる場合もあります。

また、内視鏡治療後に行う病理検査の結果によっては、追加の内視鏡治療や外科手術が必要となる場合もあります。内視鏡治療を選択する際は、必ず追加治療の可能性を念頭に置いておきましょう。


 

メリットとデメリットを理解して治療を検討

内視鏡治療でどのような治療が行えるのか、どのようなメリットやデメリットがあるのかを説明してきました。どんな治療や検査にも必ずメリットやデメリットは存在しています。内視鏡治療は早期の浅いがんであればほとんど治療が可能で、異物摘出や胆管結石などの治療も可能です。内視鏡検査の延長で行えますので身体への負担が少なくて済むなど、多くのメリットがあります。

しかし必ずデメリットも存在することを念頭に置いて、病巣の現在の状態や検査結果をもとに医師との相談しながら治療方法を決めていきましょう。内視鏡治療が可能となるためには、まずは病気を早期発見することが前提となります。定期的な検診を欠かさず受けるようにしましょう。

成毛 哲 医師 成毛医院 副院長監修ドクターのコメント
近年、内視鏡治療の分野は目覚ましいほど発展してきております。それにともない、どのような病気やどういった病変がその治療に適しているかも、明らかになってきました。様々なケースに対応出来るようになってきた反面、合併症の危険性についても、検討されております。どのような戦略で治療を行えば、危険が回避出来るかについても、研究が進み、技術や方法論も進歩しております。ただ、治療方針に関しては、必ずしも、病気の種類や病変の状態のみで決定されるわけではありません。治療を受けられる患者さんの体の状態や体力も重要な要素となります。大事なことは、当たり前のことではありますが、治療に際し、その必要性や安全性、危険性について、主治医としっかり話し合っていく事です。不安を完全に解消できるとは言えませんが、理解を深める事により、少しでも軽減できれば幸いです。
監修ドクター:成毛 哲 医師 成毛医院 副院長



 

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 成毛医院

出典:http://www.naruke-clinic.com/

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15:00~18:00
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・麻酔を用いた(静脈内鎮静法)内視鏡検査
URL http://www.naruke-clinic.com/(クリニックWEBサイト)
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