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慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状・原因・治療方法をご紹介

慢性閉塞性肺疾患(読み方:まんせいへいそくせいはいしっかん、別名:COPD)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
西岡 進 医師 ファミリークリニック陽なた 院長

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは

慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。

引用:日本呼吸器学会
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=12

西岡 進 医師 ファミリークリニック陽なた 院長監修ドクターのコメント
慢性閉塞性肺疾患にかかっていると思われる方に関しては、かなり多いと推定されています。基本的には、この病気になる約95%の方が喫煙者となっております。アメリカでは遺伝的な原因による患者さんもいらっしゃいますが、日本ではそういった患者さんは少なく、ほとんどの場合、たばこの影響だと考えられています。
一方、急激な症状が出にくいので、多くの方がが未受診、未治療であると考えられています。例えば加齢によるものと自分自身で判断し、自ら日常生活の運動量を制限してしまい、そのためこの疾患にかかっていることに気が付きにくいといったことが、未受診、未治療の一つの原因として考えられます。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状

歩行時や階段昇降など、身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や慢性のせきやたんが特徴的な症状です。一部の患者では、喘鳴や発作性呼吸困難などぜんそくの様な症状を合併する場合もあります。

引用:日本呼吸器学会
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=12

西岡 進 医師 ファミリークリニック陽なた 院長ドクターの解説
肺気腫の場合は、痰は少なく、咳が出やすい、息切れが起こりやすいといった症状があります。一方、慢性気管支炎の場合は、痰や咳が出やすく、息切れも起こりやすいといった症状があります。
一般的には、徐々に症状が進行していきます。喘息とは異なり、急激によくなったり悪くなったりする病気ではありません。但し、肺気腫の方の場合で風邪をひいたり、喘息の素因をお持ちの場合、急激に状態が悪くなるといったことはあり得ます。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の原因

COPDの危険因子は、外因性危険因子と患者さん側の内因性危険因子に分けられます。外因性危険因子には、喫煙、大気汚染、職業上で吸入する粉塵(ふんじん)、化学物質(蒸気、刺激性物質、煙)、受動喫煙などがあります。

喫煙はCOPDの最大の外因性危険因子であり、COPDの発症に関与することが立証されています。

引用:病気事典[家庭の医学] - メディカルiタウン
http://medical.itp.ne.jp/byouki/070528000/

西岡 進 医師 ファミリークリニック陽なた 院長監修ドクターのコメント
最大の原因は喫煙によるものと考えられています(約95%)。あとは大気汚染(PM2.5等)、工事現場等で作業中に吸入する粉塵も原因になり得ます。遺伝的な原因もありますが、日本では少ないです。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の検査法

長期の喫煙歴があり慢性にせき、たん、労作時呼吸困難があればCOPDが疑われます。確定診断にはスパイロメトリーといわれる呼吸機能検査が必要です。

引用:日本呼吸器学会
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=12

西岡 進 医師 ファミリークリニック陽なた 院長監修ドクターのコメント
検査方法に関してですが、通常、以下の検査を行います。
●呼吸機能検査(スパイログラム)
息を吸ったり吐いたりする検査です。
●画像検査
胸部のレントゲンでもある程度分かりますが、胸のCTを撮った時に、肺胞が大きくなっているかということを調べることができます。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療方法

喫煙を続けると呼吸機能の悪化が加速してしまいますので、禁煙が治療の基本となります。増悪をさけるためには、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種が勧められます。薬物療法の中心は気管支拡張薬(抗コリン薬・β2刺激薬・テオフィリン薬)です。効果や副作用の面から吸入薬が推奨されており、主として長時間気管支を拡張する吸入抗コリン薬や吸入β2刺激薬が使用されています。気流閉塞が重症で増悪を繰り返す場合は、吸入ステロイド薬を使用します。長時間作用性β2刺激薬と吸入用ステロイドの配合薬も有用であることが証明されています。非薬物療法では呼吸リハビリテーション(口すぼめ呼吸や腹式呼吸などの呼吸訓練・運動療法・栄養療法など)が中心となります。低酸素血症が進行してしまった場合には在宅酸素療法が導入されます。さらに呼吸不全が進行した場合は、小型の人工呼吸器とマスクを用いて呼吸を助ける換気補助療法が行われることもあります。症例によっては過膨張した肺を切除する外科手術(肺容量減少術)が検討されることもあります。

引用:日本呼吸器学会
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=12

西岡 進 医師 ファミリークリニック陽なた 院長監修ドクターのコメント
お薬は、主に吸入薬(抗コリン薬)等、気管支を拡張する薬を使用します。また、喘息のの素因を持たれている方の場合は、ステロイド吸入薬を使用することもあります。肺機能の低下が進み症状が重くなってくると、在宅酸素療法が行われることもあります。在宅で持続的に酸素を吸入することにより、生命予後が良くなります。
薬物療法以外には、呼吸リハビリテーションといったものがあります。その中でも中心になるのは、運動療法(6分間歩行等)で、歩いていただくことによって日常生活動作がうまくできるよう(運動能力の向上)になるものがございます。
もしこの病気になってしまった場合、喫煙者の場合はまずタバコをやめるという事が大切です。また、呼吸機能の改善や維持のため、定期的な運動を行う事が望ましいです。


この記事の監修ドクター

PROFILE

●経歴
平成8年(1996年)広島大学医学部卒業。
麻生飯塚病院でスーパーローテート(内科、外科、小児科、産婦人科、皮膚科、麻酔科など)研修を経験し、また内科専修医(呼吸器・消化器)として基礎を固める。
さらに内科の勉強を深めるべく、京都府の舞鶴市民病院にて外国人教授を招聘して行う総合内科の研鑽を積み、これが臨床の基盤となる。
また、ここで糖尿病外来・糖尿病教室なども経験。
福岡に戻った後、デイケア・グループホーム併設の診療所にて10年近く地域医療を行う。
最後の勤務先である広川町の姫野病院では、ガン患者さんと過ごす機会に恵まれ、終末期医療に向き合う上で大切な気付きを多くいただく。
平成24年11月開業。
●所属学会
日本プライマリ・ケア連合学会 認定医 指導医