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白内障は防げないってホント? なにか予防法はないの?

加齢とともに気になり始める病気はいくつかあります。動脈硬化や認知症など、気をつけなければいけません。白内障もその一つです。しかも白内障の治療は手術しかないといいますから、できれば避けて通りたいところです。しかし、東京都葛飾区にある杉田眼科の院長・吉田真人先生はきっぱりと、「白内障はだれにでも起こりうる病気です」という。しかも、その発症率は80歳以上では100%とか。なにか予防法はないものか、吉田先生にうかがいました。

監修医師
吉田 真人(杉田眼科 院長)

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昭和大学医学部卒業後、同大学病院附属東病院眼科での准教授(医局長)を経て杉田眼科院長に就任。現在は、昭和大学病院附属東病院眼科兼任講師(医局長)。専門は白内障、眼形成、涙道、前眼部疾患。日本眼科学会認定眼科専門医。医学博士。

 

タンパク質が引き起こす白内障 最大の原因は加齢

編集部編集部

高齢になると徐々に白内障になる人が増えますね。白内障の原因はなんでしょうか?

吉田先生

水晶体は耳にしたことありますでしょうか。眼のレンズにあたる部分です。水晶体のなかにはタンパク質が存在します。本来、このタンパク質はとても小さいのですが、これがなんらかの原因でかたまりになってしまい、水晶体の濁りを引き起こします。そのために光をさえぎり、ぼんやり見えてしまうのです。白内障はタンパク質の変質が引き起こす病気といえます。

編集部編集部

では、タンパク質を変質させる原因はなんですか?

吉田先生

加齢や環境、紫外線のほかに、糖尿病にかかっているかどうか、近視が強いかどうかなど、いろいろな要因が重なります。なかでも、加齢は一番の原因です。

編集部編集部

加齢となると、予防するのは難しそうですね?

吉田先生

これをしたら白内障を防げるといったはっきりとした有効手段はありません。

編集部編集部

そうなると、日常的に誰にでもできる自衛手段としてはサングラスをかけるといった程度でしょうか?

吉田先生

そうですね。サングラスをかけるのはいいのですが、実はどれだけの光が眼に入ることによって水晶体のタンパク質がどう変化するのかといったことは、個人差が大き過ぎて実際はわからないのです。ですから、一概にサングラスをかけていればいいというような単純なものではありません。


 

サプリメントの摂取も選択肢の一つだが選び方には注意が必要

編集部編集部

白内障の予防そのものが難しいことはわかりました。けれど、日常生活で注意するとよい点はあるのでしょうか?

吉田先生

最近は、抗酸化食品がいいなど、いろいろ言われていますね。白内障も紫外線や酸化ストレスなどが主な原因になっていると考えられますから、抗酸化効果の高いビタミンを多く含む野菜やくだものは積極的に摂っていただけばいいと思います。抗酸化食品は眼だけでなく、体のあらゆる部分の酸化を防ぐので、全体としてプラスに働くと考えられています。

編集部編集部

ほうれん草やパセリなどに多く含まれているルテインも話題になっていますね。

吉田先生

ルテインは抗酸化物質の中では効果の高いものだと言われています。例えば、加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)などの患者さんが高濃度のルテインを摂取すると病気の進行が抑えられるというようなデータは存在します。しかし、他の疾患に関しての科学的なデータについては、はっきりいえませんただ、悪いものではないので、ある程度の摂取はよいだろう、また、摂り続けたり逆に一時的に摂らなかったりしても悪いことにはならないだろう、というように予測している研究者のほうが多いということです。

編集部編集部

進行を抑えられるといわれる疾患があるのなら、積極的に採ったほうがいいですね?

吉田先生

ただし、どんなものでも過剰摂取はすすめられません。例えば、たばこを吸っていた人に緑黄色野菜などに多く含まれるベータカロチンを大量投与すると発がん率を高めるというデータがあります。体にいいから摂ればいいというものではないのです。やはり医師や薬剤師に相談していただくのがいいと思います。

編集部編集部

最近はサプリメントでも手軽にとることもでき、さまざまなものが市販されています。選ぶ時に気をつけることはなんでしょう?

吉田先生

眼にいいと宣伝しているベリー類では糖分が多すぎないか気をつけてください。パッケージの成分表示をよく確認して、ほかの製品と比較してみることも大切でしょう。しばしばサプリメントを薬だと勘違いしている人がいますが、サプリメントはあくまで補助食品です。病気が治ると期待してとり続け、健康被害に遭っている方たちもいます。

編集部編集部

サプリメントで健康被害も出るのですね?

吉田先生

もちろんです。皆さん非常にサプリメントがお好きですから、注意してください。

編集部編集部

日常の生活習慣で白内障の進行を進めてしまうようなことはありますか?

吉田先生

そうですね。飲酒、つまりアルコールですね。大量飲酒は白内障を引き起こしやすくなります。そもそも、お酒を飲みすぎると糖尿病になりやすいのですが、肝機能障害などの代謝系に疾患があると、やはり白内障は進行しやすいようです。


 

ものが見えにくいと感じたら早めに眼科を受診して

編集部編集部

白内障に早めに気づくには、どんな症状が出るかを知っておいたほうがいいですね?

吉田先生

白内障はさまざまな症状があらわれます。視力低下は定番中の定番ですが、霧視感(むしかん)と言って霧のように見えるとか、太陽の光が非常にまぶしく感じるなども白内障の症状です。暗いところで見えにくくなることもありますし、加齢性の場合ではメガネの度数が合わなくなってくることもあります。

編集部編集部

とにかく見えにくく感じてきたら疑ったほうがいいですね?

吉田先生

そうとも限らないケースもあります。もともと遠くがよく見えて近くが老眼で見えにくかった人が、近くが見えるようになって、「最近眼鏡がいらなくなった」などといっている場合もあります。こういう患者さんの場合は特に不便ではないため、気づかないまま長年過ごして、かなり進行してから受診するというケースもまれではありません。

編集部編集部

「年取るとこんなものかもしれない」と、のんきにしていてはいけないですね?

吉田先生

白内障に関しては特に、患者さんたちは家族や友達との会話をきっかけに受診する方も非常に多いですね。近所の人や兄弟に、「ちょっと眼科に行ったほうがいいわよ」と言われたので来ましたという。自ら、ものが見えにくくなったから受診しましたという患者さんは少ないのです。これは、以前から面白いことだと思っています。

編集部編集部

確かに何かきっかけがないと受診しようと思わないかもしれません。

吉田先生

男性の場合は、免許証の書き換えに行ったら落とされてしまったと、大慌てで受診されるというかたも多いくいらっしゃいます。見えていると思って運転していたというのですから、危ないですね。いずれにしても、見え方がおかしいと思ったら早めに受診してほしいですね。


 

編集部まとめ

白内障の最大の原因は加齢です。こればかりはどうしようもなさそうです。予防することはなかなか難しいようですが、生活習慣やサプリメントなどで多少とも発症の先延ばしは可能かもしれません。また、白内障の症状を知っておくことは、非常に大切です。吉田先生によると、気づかぬうちに進行していることも多いとのこと。ちょっとした変化に気づくことこそ、予防の第一歩かもしれません。


 

医院情報

杉田眼科

杉田眼科
所在地 〒125-0041 東京都葛飾区東金町3-19-1
アクセス JR常磐線「金町(かなまち)駅」北口より徒歩約3分
診療科目 眼科

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