ほくろの除去 、「レーザー」と「摘出手術」のメリット・デメリット

公開日:2021/09/03

気になるほくろを除去したいと考えている場合、悩むのがどうやって取り除くかということ。現在では、レーザー摘出手術が一般的ですが、「レーザーだと再発する」という話も耳にします。実際ところはどうなのか? レーザーと摘出手術それぞれのメリット・デメリットなどについて、松井クリニックの松井潔先生に聞きました。

松井 潔

監修医師
松井 潔(松井クリニック 院長)

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北里大学医学部卒業。横浜市立市民病院、北里大学病院救命救急・災害医療センター、湘南鎌倉総合病院などへの勤務を経た2000年、横浜市都筑区に「松井クリニック」を開院。同時に医療法人松井会松井クリニックの理事長へ就任。現在、プライマリ・ケアから高度難治医療まで幅広い地域医療に努めている。日本形成外科学会専門医。その他、各種関連医学会の会員。

ほくろができる原因とは?

ほくろができる原因とは?

編集部編集部

なぜ、「ほくろ」はできるのですか?

松井 潔松井先生

ほくろとは、黒いメラニン色素を産生するメラノサイト系細胞である母斑(ぼはん)細胞が増殖したもの。そのため、強い紫外線を浴び続けるとほくろができやすくなるのです。また女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンの分泌が盛んになると、ほくろができやすくなります。生理前や妊娠、出産時にほくろが増えるのはそのため。また、化粧をするときに肌を強くこするなど、肌に刺激を与えることもほくろを増やす原因になります。

編集部編集部

部位によって、ほくろに形状があるのはなぜですか?

松井 潔松井先生

ひと口にほくろと言っても、実はさまざまな種類があります。一般的なほくろは「母斑細胞性母斑」と呼ばれますが、なかには「黒くて隆起したほくろ」や「肌色で隆起したほくろ」「太い毛が生えているほくろ」「頭皮にできてしまったほくろ」などさまざまな種類があります。そうした違いは、ほくろができる部位によって生じるものです。ほくろは母斑細胞の存在する深さや、増殖の程度、メラノサイトの有無などによって、さまざまな症状を呈するのです。そのほか生まれつきの大きなほくろ「先天性色素性母斑」や、爪の根本にできるほくろ「爪甲色素線条」などもあります。

編集部編集部

最近、ほくろが増えた感じがします。問題ないでしょうか?

松井 潔松井先生

ほくろは生まれつきのものもありますが、3~4歳頃から新しく出来るようになり、歳を重ねると徐々に数が増えていきます。また、子どもの頃は平らだったほくろが大人になるにつれて、ぷっくりと盛り上がってくることもあります。このように、加齢とともにほくろが増えたり、変化したりするのは単なる生理的現象であり、それだけで異常とは言えません。

気になるほくろを取りたい! 方法は?

気になるほくろを取りたい! 方法は?

編集部編集部

顔にあるほくろなど、気になるほくろを取りたいです。どうすればいいのでしょうか?

松井 潔松井先生

ほくろは誰にでもあるものですので、悪性黒色腫(メラノーマ)と呼ばれる「ほくろのがん」が疑われる場合を除いて、取る必要はありません。しかし整容的にどうしても気になる場合は除去することもできます。当院では、レーザーによる手術と、摘出手術を行っています。平坦で色が薄いほくろにはレーザーによる除去がおすすめ。一方、盛り上がって色が濃いほくろは摘出手術がおすすめです。

編集部編集部

レーザーのメリットとデメリットや費用についても教えてください。

松井 潔松井先生

施術が簡単で短時間でできることと、ダウンタイムが短いことなどがメリットです。一方、浅いほくろにのみ有効だったり、組織検査ができなかったり、また、ほくろが大きいと再発する可能性があったりすることがデメリットになります。患者様の多くは、「一度で取り切ってほしい」と希望されるのですが、実は、ほくろは中央部が深くなっているため、あまり大きなほくろを一度に全部除去しようとすると、水疱瘡(みずぼうそう)みたいな陥没が残ってしまうのです。そのため、ほくろをレーザーで除去する場合は、数回に分けて行うこともあります。また、傷痕が残らないよう、あえて除去する範囲を一定のところで止める場合もあります。当院の場合、レーザーでほくろを除去する施術は、ほくろ1個につき5500円からです。

編集部編集部

「一定のところで止める」ということは、再発するということでしょうか?

松井 潔松井先生

皮膚の内部にメラノサイトが残ってしまった場合、ほくろが再発することもあります。しかし、もう一度レーザーを当て直せば、消し去ることができますが、患部の状況を見ながらの相談になります。

編集部編集部

レーザーだと、ほくろが再発するかもしれないのですね。では、摘出手術の方が良いのでしょうか?

松井 潔松井先生

摘出手術だと、レーザーよりも深くて大きなほくろを取り除くことができます。ただし、4~5日後に抜糸をして、術後2~3か月間はテーピングが必要になります。しかし、健康保険が使えますし、根元から取るので再発しないといったメリットもあります。また、組織検査ができるので悪性が疑われる場合には安心でしょう。費用は保険適用、3割負担で約7000〜8000円くらいです。ただし、ほくろの大きさや部位によって異なります。いずれにしても、レーザーが良いか、摘出手術が良いかは、医師と相談されると良いでしょう。

信頼できる病院でほくろ治療を

信頼できる病院でほくろ治療を

編集部編集部

「ほくろはがんになる」と聞いたことがありますが、本当に放置していてもいいのでしょうか?

松井 潔松井先生

一般に、良性のほくろががん化することはありません。しかし、日本人では悪性黒色腫は手のひらや足底、爪の下など、四肢の末端部分に発生することが多いので、そのような場所にできたほくろには注意が必要です。悪性黒色腫は皮膚がんの中でも悪性度の高い病気なので、短期間で大きくなったほくろや、見た目が他のほくろと異なって見えるほくろ、手足にあって大きなほくろなどは、一度、皮膚科や形成外科専門医の診断を受けた方が良いでしょう。

編集部編集部

「レーザーを照射するとがん化する」という話も聞いたことがあります。

松井 潔松井先生

先天性の大きなほくろを除き、生まれた後に現れた後天性のほくろは、長年何事もなく経過しているのであれば、悪性化する可能性はほとんどないとされています。ときどき、「ほくろを取り残したり、レーザー照射で刺激したりするとがん化する」という話を耳にしますが、本来、良性のほくろなら、レーザー光線などで刺激を加えても、悪性化する可能性は、基本的にないとされているので、ご安心ください。

編集部編集部

ほくろ治療を行う時、病院選びのポイントを教えてください。

松井 潔松井先生

病院を選ぶ際の最大のポイントは、きちんとアフターフォローをしてくれるかどうかという点です。処置の前にリスクについて説明し、なんらかの合併症が起こった場合には責任をもって対処するということを明言してくれる病院を選ぶことが大切。アフターフォローがしっかりしていなければ、大きく傷が残ったり、再発したりすることもあります。処置を受ける際にはリスクや予想される合併症、アフターフォローについてもしっかり確認しましょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

松井 潔松井先生

悪性黒色腫(メラノーマ)が疑われる場合を除き、基本的にほくろは放置しておいても構いません。ただ、整容的に気になる場合は除去してもよいでしょう。その際は皮膚科や形成外科専門医の診察を受けること。また、レーザーや除去手術を受ける際には、診察から処置、アフターフォローまで、同じ先生が担当してくれる方が安心です。ぜひ病院選びの参考にしてください。

編集部まとめ

「除去手術よりもレーザーの方が、傷痕が目立たない」と考える方も多いかもしれませんが、実際は除去手術の方が適している場合もあるそう。まずは、信頼できる医師を見つけ、しっかり話を聞くことが大切です。傷痕が残らないよう、納得いくまでカウンセリングを受けましょう。

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診療科目 内科、小児科、皮膚科、形成外科、整形外科、美容外科