とくしげ呼吸器クリニック

こんにちは　とくしげ呼吸器クリニック院長の榊原博樹です。
当クリニックの開設にあたって、一言ごあいさつさせていただきます。

高血圧や糖尿病などの慢性疾患を除いて，約15,000人の患者さんが医療機関を受診した理由を調べた報告によると，その順位と頻度は次のようになります。
すなわち，症状の第1位は「咳」であり，全体の1割強（11.7％）に相当します。
以下第2位は「発熱」で7.6％，第3位は「くしゃみ/鼻閉/鼻汁」で5.1％，第4位は「咽喉の症状」で4.6％，第5位は「急性上気道炎」で4.3％あり，上位5症状のうち4つは上気道も含めた呼吸器の症状で占められています。

ちなみに，「胃の痛み」は第11位で2.1％，「下痢」は第13位で1.9％に過ぎません。
その他，第21位に「胸部の症状/愁訴」1.0％，第22位に「喘鳴」0.9％，第28位に「痰の異常」0.8％，第29位に「息切れ/呼吸困難」0.8％が含まれており，上位50位までに呼吸器関連症状が29.2％も占めています（山田隆司：頻度から見たプライマリ・ケア領域の健康問題．綜合臨床55（増刊）：638-643，2006．）。

このような呼吸器症状の原因としては，風邪やインフルエンザのように自然に治癒する疾患も多いですが，気管支喘息や肺気腫のように適切な診断と治療がないと長く患者さんを苦しめたり，肺がんのように手遅れになったり，肺結核のように周辺に病気を蔓延させてしまうような疾患も少なくありません。
しかし，消化器科や循環器科などと比べて，呼吸器疾患を専門とする診療所は多くありません。
そのために的確な診断・治療が遅れたり，患者さんが大学病院などの大病院に集中する傾向があります。

当クリニックの院長・榊原と理事長・佐々木は，長年に渡り大学病院で呼吸器疾患の診療に当たってきましたが，その経験から，この領域の診療の質と患者さんの利便性を高めるためには，以下の3点を備えた地域の診療所との連携が必要と考えていました。
1.大学病院なみの専門性の高い外来診療ができ，夕方や土曜日にも受診が可能な地域の診療所
2.専門性を備えた上で在宅医療まで可能な地域の診療所
3.入院施設をもつ専門病院との連携の下，重症だが安定期にある呼吸器疾患（在宅酸素療法や在宅人工呼吸療法下の呼吸不全など）の患者さんを受け入れ，必要な時には迅速かつ的確に専門病院への転送ができる診療所
当クリニックは，上記の３点を備えた専門性の高い診療所として開設しましたが，もちろん高血圧や糖尿病，高脂血症などの慢性疾患の診療も行います。

大学病院や基幹病院と連携して最高レベルの医療と診療所としてのフットワークを生かした患者さんに寄り添った医療を提供します。