消化器にできるポリープと内視鏡による検査・治療法

公開日:2020/08/12  更新日:2020/08/19

身体の表面が隆起する病変をポリープと呼びます。しかし、ポリープと聞いて多くの人がまず思い浮かべるのは、消化管など、身体の内側にできるものではないでしょうか。消化管の粘膜などにできたポリープは、内視鏡を用いて検査、手術ができます。

ここでは主に、消化管にできるポリープの種類や内視鏡を用いた検査・手術の内容について、Medical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修医師
樋口 俊哉 (医療法人聖俊会 樋口病院 副院長・健診センター長)

消化器にできるポリープの種類

ポリープとは

ポリープとは、身体の表面が突起状に盛り上がったものを指します。消化管は、口から肛門までがつながっており、体内ですが外と同じとも言えます。多くのポリープは、消化管など、身体の内部の粘膜にできるものを指して呼ぶことが多い(よう)です。消化器にできるポリープの代表的なものに「大腸ポリープ」や「胃ポリープ」があります。そのほか「小腸ポリープ」や「十二指腸ポリープ」、「声帯ポリープ」など、ポリープができた部位の名前を冠して呼ばれます。ポリープの診断は、多くの場合、内視鏡を用いて行われます。

腫瘍以外のポリープ

胃や腸にできるポリープは、できる部位や性質によっていくつかの種類に分類されます。

  • •胃底腺ポリープ…胃にできるポリープで、正常な細胞の集まりであることが多いとされています。
  • •炎症性ポリープ…潰瘍性大腸炎や感染症などの強い炎症をともなう病気にかかった後にできるとされるポリープです。以上の2種類は、ほとんどの場合癌とは無関係だといわれるもので、無治療で消失するケースも多いとされています。ただし、出血や腹痛をともなうものは、内視鏡を用いた切除の対象となります。
  • •過形成性ポリープ…炎症により粘膜が盛り上がったポリープ。胃にできるポリープのほとんどは過形成性ポリープだといわれています。このポリープはヘリコバクター・ピロリ菌の感染と関連性があると言われています。ピロリ菌の除菌治療によって消失することもあります。

以上の3種類は、ほとんどの場合癌とは無関係だといわれるもので、無治療で消失するケースも多いとされています。ただし、出血や腹痛をともなうものは、内視鏡を用いた切除の対象となります。

腫瘍性のポリープ

ポリープのなかには、癌、もしくは癌化する可能性が指摘されているものもあります。

  • 腺腫…良性の腫瘍。大腸にできるポリープの80%が腺腫だといわれています。大きなものは癌化する可能性があるとされ、大腸癌の多くはポリープから発生するといわれています。6mmを超える腺腫は、悪性化の危険を考慮して内視鏡による切除を行う方がいいといわれています。また、悪性・良性の確実な判断は、ポリープ全体を切除しなければできないとされています。
  • 悪性腫瘍…すなわち、癌です。ポリープ状の癌は早期である場合が多いといわれています。

腺腫の場合、良性のものが癌に変化するケースは少ないとされているようです。しかし、2cmを超えるものは、悪性化の危険を考慮して内視鏡による切除を行う方がいいといわれています。また、悪性・良性の確実な判断は、ポリープ全体を切除しなければできないとされています。

内視鏡によるポリープの診断と切除

内視鏡検査によるポリープの診断

ポリープの診断には、多くの場合、内視鏡による検査が用いられます。ポリープの種類の判断は、内視鏡の映像を観察することである程度は行えます。しかし、正確な診断には、内視鏡観察の際に組織を採取して顕微鏡で詳しく検査する(生検)必要があります。

組織の採取には、内視鏡のスコープを通した生検鉗子(かんし)を用います。1回に1~2mmの大きさの組織が取れ、サンプルの正確性を高めるために数ヶ所から組織を採取することもあります。採取した組織は専門の臨床病理医などによって検査され、最終的な診断が下されます。

内視鏡によるポリープの治療

切除が適当だと医師が判断したポリープは、手術によって切除することになります。ポリープの部位や種類によっては、内視鏡検査の最中に切除してしまうことも可能です。内視鏡によるポリープの切除は、痛みをともなわないといわれています。
ポリープの大きさや出血リスクの度合いによっては、入院による内視鏡手術や、外科手術による処置が行われることもあります。大腸ポリープの場合、ほとんどが外来での内視鏡検査中に切ることができるといわれています。一方、胃のポリープは、大腸に比べると出血のリスクが高く、入院しての手術になることが多いようです。

ポリープの内視鏡治療の種類

ホットバイオプシー

生検のための組織を採取する鉗子と同じような型の鉗子を用いてポリープを切り取る方法です。鉗子でつまんだポリープに高周波の電流を流すことで焼き切ってしまいます。1回の処置を短時間で行えるために、小さなポリープが多数できている場合などに選択される方法です。直径5mm以下のポリープにもっともよく適応するとされています。

ポリペクトミー・コールドポリペクトミー

内視鏡の先端から出した輪っか状のワイヤーをポリープの茎(粘膜から隆起した足の部分)に引っかけ、切る方法です。電流を流す方法(ポリペクトミー)と流さない方法(コールドポリペクトミー)があります。切った後は、吸引で液体と一緒に吸うか、網で包むような器具を用いて回収します。ポリペクトミーは、胃・小腸・大腸にできた有茎(キノコのような形状)、亜有茎のポリープによく適応するとされています。コールドポリペクトミーは、比較的新しい技術で、高周波電流のような熱を加える従来の方法に対し、熱を加えずに切除できるのが特徴です。出血や穿孔(穴があく)のリスクが軽減できるとされています。10mm未満の腫瘍性ポリープに適応するとされますが、形態や性質、部位などによっては、適応とならない場合もあります。また、周囲の組織も焼く従来の方法に比べて取り残しのリスクが高く、慎重な対応が必要とされます。

内視鏡下粘膜切除法(EMR)

内視鏡の先から出した注射針で、ポリープの下層に生理食塩水を注入。生理食塩水によってポリープが持ち上がりコブ状になったら、ポリペクトミーと同様の方法で切除します。ポリープが平坦な形状であったりやや大きめであったりする場合も切除ができ、食道、胃、大腸などに適応するとされています。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

内視鏡下粘膜切除法と同じように生理食塩水でポリープを持ち上げ、電気メスで切開し、剥ぎ取ります。
一括で病変を切り取れるため大きいポリープを取るのに向いており、胃、大腸、食道、十二指腸、咽頭などの早期癌に適応するとされています。

ポリープの検査だけでなく手術も可能な内視鏡

突起状の病変を指す「ポリープ」ですが、主に消化管などの身体の内部にできるポリープの診断には、内視鏡検査が用いられます。内視鏡によって病変を観察できるだけでなく、組織の一部を採取することもできるため、顕微鏡を使用したより詳しい検査も可能となるのです。

また、内視鏡では、検査だけでなくポリープの切除手術も行えます。開腹する必要がなく痛みもともなわないため、外来でも受けられるのが特徴。病変の形態などに合わせた処置の方法も開発されています。

ポリープのなかには、癌や、今後癌になる可能性が高いものも含まれるため、詳細な診断はとても重要です。気になる症状の有無にかかわらず、内視鏡による検査を定期的に受けることで、ポリープの治療だけでなく、癌のリスクの軽減にもつながるでしょう。

監修ドクターコメント

樋口先生

ポリープは健康診断や人間ドックなどで発見されるようになってきたことで、一般に方々にも広く認知されてきています。
消化管ポリープや早期のがんは内視鏡を使用して、切除をすることが出来ます。
ポリープの中には前がん病変と言われ、放置しているとがんになるポリープもあるため、早期の段階で発見して切除することは消化管がんを防ぐことにもなります。胃がんや大腸癌などのがんは、日本人の罹患率や死亡率が高いと言われています。早期に発見して切除することが出来ればそれらを下げることに繋がります。
内視鏡は怖いと感じている方もいるかと思います。しかし、内視鏡機器の性能向上と技術の進歩に伴い、痛みや苦痛が依然と比べると減ってきていますので、怖がらず受けてみることをお勧めします。

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医療法人聖俊会 樋口病院

出典:http://seishunkai.or.jp/higuchi-hp/

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対応検査項目 ・大腸内視鏡検査
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