胃内視鏡検査を受けるために知っておきたい事前知識とは

近年、早期胃ガンは「治るガン」の代表となってきました。そのため、胃カメラを受けることの意味はますます大きくなっています。
2014年に出版された胃がん検診ガイドラインでも、2~3年に1度の胃内視鏡検査の重要性が記述されるようになりました。本稿では、胃内視鏡検査について、やる意味や受け方のコツなどをご紹介していきます。

この記事の監修医師
倉持 章(住吉内科・消化器内科クリニック 院長)

胃内視鏡検査をやる意味とは

胃内視鏡検査とは、「胃カメラ」と呼ばれる通り、小型CCDカメラを先端に取り付けたスコープを口や鼻から挿入し、食道・胃・十二指腸に病気がないか観察する検査です。
内視鏡で発見できる「早期胃ガン」「早期食道ガン」などは、初期症状がほとんどなく、自覚症状では発見しづらいのが現状です。症状が現れた頃には、病気が進行し手遅れということも少なくありません。
そこで、自覚症状がない病気の初期の段階から「胃ガン」や「食道ガン」を見つけることができる上部消化管内視鏡検査が重要になるのです。ちなみに上部消化管とは食道・胃・十二指腸を指します。

口と鼻、どちらがいい?

胃内視鏡には、口からスコープを挿入する経口(けいこう)内視鏡と、鼻からスコープを挿入する経鼻(けいび)内視鏡があります。

経鼻内視鏡では、解剖学的にスコープが舌根に触れないので咽頭反射が起こりにくく、挿入中に「オエッ」となることがあまりありません。また、検査中の医師との会話も可能です。

一方、経口内視鏡では、どうしても多少の咽頭反射が起こってしまいします。また、かつては「口からの場合、鼻からのものよりスコープが太いので、より詳細できれいな画像が得られる」といわれてましたが、現在では技術の進歩により、どちらの内視鏡でも鮮明な画像が得られます。

つまり、健診など、病気の有無を探す段階の方(ほとんどの方)は経鼻内視鏡がおすすめです。病気があることがほぼ確実になったりして、さらに精密検査が必要な方は、より太い径の経口内視鏡が必要です。

経鼻内視鏡は、鼻血が出やすい方や鼻の手術歴がある方はできないことがあります。また、鎮静剤などを静脈注射して「半分寝た状態で」受けたい方は、経口内視鏡を選択することになります。詳細は各施設の医師に相談してみてください。

POINT!
・内視鏡は口から挿入する「経口」と鼻から挿入する「経鼻」がある
・一般の健診などでは「経鼻」がおすすめ
・鼻血が出やすい人・鼻の手術歴がある人・鎮静剤希望の人などは経口内視鏡になります

胃内視鏡を受ける流れ

胃内視鏡検査は、どうすれば受けることができるのでしょうか。胃内視鏡の予約をとるところから、検査当日までの流れや注意点をご紹介します。

1.予約を取る

胃内視鏡検査は、人間ドッグなどの健診メニューに含まれているケースや、自覚症状により自発的に病院やクリニックにかかって検査を申し出るケースがあります。
医療機関を受診し検査を希望する場合には、「消化器内科」、「胃腸科」、「内視鏡内科」等を一度受診し、医師の診察を受けた上で検査が必要と判断されれば、内視鏡検査の予約を取る運びとなります。

2.検査前日

検査前日は、夕食を軽めに済ませ、午後9時以降は絶食します。飲み水はOKです。検査当日の朝を迎えたら、水以外の飲み物や喫煙を控え、指定の時間に病院に向かいます。

3.検査当日

病院では消泡剤を飲み、胃をきれいにします。その後、鼻や喉に麻酔をします。麻酔が効いてきたところで、検査台に横になり、検査が始まります。
検査自体は、10~15分程度で終了する場合がほとんどです。より精密に検査をするために、粘膜の一部分の組織を取り(生検)、顕微鏡で調べることもあります。

4.検査後

検査後は病院のベッドで暫く休憩し、その後、当日中に検査結果を医師から聞くことができます。
生検をした場合には、顕微鏡の検査に時間がかかるため、後日、結果を聞きに来る必要があります。

緊急で内視鏡検査が必要な場合

胃内視鏡は通常は予約検査ですが、症状により、医師が必要であると判断したときには来院当日に緊急内視鏡となります。
例えば、次のような症状があげられます。

  • 吐血
  • タール便
  • 異物の誤飲
  • 胃アニサキス症の疑い
  • 血便

もし該当する方は早めの受診と、可能であれば朝食を抜いて行くことをおすすめします。

内視鏡が辛い!そんな時の5つの対処法(コツ)

内視鏡を受ける時に、「オエッ」となってしまい苦手意識を覚える方も少なくありません。そこで、内視鏡を受ける際に少しでも苦痛を軽減するコツをご紹介します。

①唾を飲まない

検査中に唾を飲み込んでしまうと、ムセてしまいます。そこで、検査中は唾を飲み込まないことが大切です。
唾を飲み込まないためには、横になった時に顔を天井ではなく下の方に向け、口の中にたまった唾液を左の口角からダラダラ流してしまうといいでしょう。

②喉の麻酔をしっかり効かせる

うがいをするような要領でしっかりと喉の奥に麻酔のシロップをキープし、喉に麻酔を効かせましょう。
麻酔のシロップは苦く、喉の奥でキープするのは大変ですが、このステップをしっかりと行うことで、内視鏡の挿入が楽になります。
また、経鼻内視鏡ではこの工程は省かれることがあります。

③目は閉じない

内視鏡を挿入中に目を閉じてしまうと、余計に喉に神経を集中してしまい、咽頭反射を起こしやすくなってしまいます。
検査中は、目を開き、前の方をボーッと見るといいでしょう。

④技術のある医師にやってもらう

内視鏡が辛いかどうかは、医師の腕によっても大きく違ってきます。下手な医師がやると本当に辛いですが、熟練の技術を持つ医師が担当すると驚くほど楽に検査が終わります。
そこで、腕のある医師を見極めることが大切です。見極め方法は、症例数を見ることです。多く症例数をこなしている医師は、それだけ腕を磨いているので、高い確率で苦痛が少ない内視鏡検査を行ってくれます。

⑤鎮静剤を使う(静脈注射)

内視鏡検査で辛い思いをしたくないという方には、鎮静剤を使用するというのも1つの手です。鎮静剤を使用すると、ウトウトと半分眠った状態になり、はっきりと覚醒する頃には検査が終わっています。また、患者の状態が落ち着ているので、医師がより丁寧に検査ができるメリットもあります。
しかし、検査後に車や自転車の運転が出来なくなることや、呼吸抑制・転倒・ふらつきなど重篤な偶発症が起こる可能性があるデメリットもありますので、医師によく相談してみてください。

胃内視鏡検査後に気をつけるべき4つのこと

検査後の注意事項は、
経鼻・経口とも共通で

  •  ・検査後はまだのどの麻酔が効いた状態なので、誤嚥の危険性があります。飲水・食事は1時間以上経過してから可能です。
  •  ・生検(組織を採取)した場合、当日は禁酒(出血予防のため)となります。

 経口内視鏡(鎮静剤使用)の注意事項は

  •  ・検査当日は鼻を強くかまないようにしましょう。

 経鼻内視鏡の注意事項は

  •  ・検査当日は車・バイク・自転車の運転が出来ません。

以上の点に気をつければ、検査後はすぐに日常生活に戻ることができます。

定期的に胃内視鏡検査を受けよう

技術が進歩し、苦痛が少なく安全な医療機器が続々と開発されています。胃内視鏡検査の「痛い」・「辛い」・「大変」というイメージも過去のものになりつつあります。
胃ガンは老若男女問わずかかる病気です。まだ若いからと油断していると、いつの間にか手遅れになっていることも。そこで重大な症状に発展する前に早期発見・早期治療することが大切です。
若いうちからも2~3年に1度の定期的な胃内視鏡検査を受けることをおすすめします。

倉持 章 医師 住吉内科・消化器内科クリニック 院長監修ドクターのコメント
最近の胃カメラは、内視鏡スコープそのもののコンパクト化により、昔ほど苦しい思いをせずとも検査を受けることのできる環境が整ってきました。とはいっても、噂を聞くと怖そう・苦しそうなどと考えてしまいます。事前にある程度の情報を入手し、「鼻から」と「口から」、それぞれの利点や欠点を理解しておけば比較的安心して検査に臨むことができるはずです。不明な点があれば、医師にどんどん質問してください。
 現在は患者さんが医療を選ぶ時代です。ぜひ、自分にあった適切な医療を受けていただきたいと思います。

 
監修ドクター:倉持 章 医師 住吉内科・消化器内科クリニック 院長

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【土曜】9:00~12:45
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休診日 木曜・土曜午後・日曜・祝日
対応検査項目 ・大腸内視鏡検査
・胃内視鏡検査
・経鼻内視鏡検査
・麻酔を用いた(静脈内鎮静法)内視鏡検査
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