少ない苦痛で受けられる!麻酔を使った上部消化管内視鏡検査

公開日:2020/08/13  更新日:2020/08/19

胃炎や胃潰瘍などの確定診断には、上部消化管内視鏡検査が必要です。しかし、内視鏡に対する恐怖心などから医師にすすめられても受けないという方も多いのではないでしょうか。上部消化管内視鏡検査の苦痛を少しでも和らげたい場合は、鎮静剤を用いて検査を受けることも可能です。ここでは、麻酔を使った上部消化管内視鏡検査についてMedical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修医師
宮崎 郁子 (東京国際クリニック 医科副院長)

上部消化管内視鏡検査を受けるメリット

鎮静剤を使用した内視鏡検査に怖いイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。まずは、上部消化管内視鏡検査を受けることのメリットについて確認しておきましょう。

正確な診断を受けられる

胃痛や胃もたれなどの症状で病院やクリニックを受診した場合、症状に合わせた薬を処方されることがあります。そして、指示通りに薬を服用して症状が改善した場合には、胃炎や胃潰瘍だったと推測されます。ですが、症状が続くような場合には、上部消化管内視鏡検査をして胃の内部の状態を確認することが推奨されます。上部消化管内視鏡検査を受けることで、何が原因で胃痛や胃もたれが起きていたのかわかるため、正確な診断を受けられるのです。

胃がんの発見に繋がる

胃がんを見つける方法には、上部消化管内視鏡検査の他に胃バリウム検査などがあります。しかし、ごく早期の胃がんはバリウム検査で見つけることが難しいという意見もあります。上部消化管内視鏡検査は、カメラを通じて胃の内部を直接見ることができるため、胃がんの早期発見に大いに役立ちます。
ただし、スキルス胃がんなど特殊な胃がんについては、胃バリウム検査が有用との意見があります。いずれにしても、上部消化管内視鏡検査を受けることが胃がんの早期発見に役立つため、苦しいから受けないという状況は避けた方がよいでしょう。

上部消化管内視鏡検査の苦痛の原因

上部消化管内視鏡検査は苦しいという声が多いのですが、そもそもなぜ苦しいのでしょうか。その理由について確認しておきましょう。

喉を刺激されて苦しくなる

上部消化管内視鏡検査では、細い管を鼻か口のどちらかから通し、胃・十二指腸へと到達させます。口からの上部消化管内視鏡検査では、喉に管が当たることで吐き気や痛みを感じることがあります。また、喉の麻酔薬を使うのですが、稀に不快に感じたり、気分が悪くなることがあります。咽頭麻酔薬が苦いことも上部消化管内視鏡検査の苦痛の理由の一つでしょう。

鼻の粘膜が傷つくことがある

鼻から管を通す経鼻内視鏡検査では、鼻の粘膜が傷つくことがあります。そのときに鼻に痛みを感じることがあるため、経鼻内視鏡検査を受けたくないという方もいるでしょう。また、粘膜が弱い人は鼻血が出ることもあります。鼻腔が狭い場合には、挿入が困難で、口からの内視鏡検査に切り替えることになります。 ですが、経鼻内視鏡は経口内視鏡よりも径が細く、挿入ルートが舌根を圧迫しないため、嘔吐反射が少ないと言われています。鼻腔の広い方にはお勧めの方法です。
(現在、新型コロナウイルス感染症予防の観点から経鼻内視鏡は中止している施設が多くあります。)

胃の不快感がある

胃に内視鏡が到達してからは、胃内に空気を入れ膨らませて観察するため、腹満感を伴います。腹満感が苦手で検査を受けたくないという方もいます。内視鏡検査の時間は5∼10分と短いのですが、ゲップをしてしまうと、胃がしぼんでしまい、空気を入れなおさないといけないため、観察時間が長くなってしまうこともあります。少しでも検査時間を短くするためにはゲップを我慢することも大切です。

麻酔を使った上部消化管内視鏡検査のメリット

上部消化管内視鏡検査の静脈麻酔とは、いわゆる鎮静剤のことです。鎮静剤を使うことで、どのようなメリットを得られるのか確認しておきましょう。

眠っている間に終わる

鎮静剤を使うことで、眠っている間に内視鏡検査を受けることができます。気がついたら診察が終わっていることもあれば、眠くなるだけで意識はなくならない場合もあります。不快感を我慢する必要がなくなり、喉を管が通過するときの吐き気や苦痛も緩和できます。

定期的に受けやすくなる

内視鏡検査で一度苦しい体験をしてしまうと、次に検査を受けることを先延ばしにしがちです。なかなか検査を受けられず、早期発見の機会を逃してしまうことは避けたいところです。麻酔薬を使うことで、少しでも苦痛を和らげられれば、定期的に検査を受けやすくなるでしょう。
苦痛を和らげられるというのは鎮静下で行う内視鏡の大きなメリットと言えます。

大腸内視鏡検査も鎮静剤を使用して受けることができる

病院やクリニックによっては、麻酔で眠っている間に胃部内視鏡と大腸内視鏡検査を続けて受けることができます。ただし、保険診療ができない可能性があります。大腸内視鏡検査も、検査中の不快感があるため、恐怖心から受けたくないという方がいます。便秘や下痢が続いたり、便潜血検査が陽性になったり、血便がある方は、早めに大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。

麻酔を使った上部消化管内視鏡検査のデメリット

鎮静剤を使用した内視鏡検査には、メリットだけではなくデメリットもあります。場合によっては鎮静剤投与ができないこともあるので事前に確認しておきましょう。

めまいやふらつきが起こる

麻酔を使うと、検査後にめまいやふらつきが起こることがあります。また、場合によっては吐き気が起こることもあります。そのため、検査後は院内で1時間程度休まなければなりません。麻酔を使わない場合は、検査後に説明を受けてすぐに帰ることができますが、麻酔を使うと院内の滞在時間が長くなります。また、高齢の方の鎮静剤使用には注意が必要です。検査中呼吸が浅くなったり血圧が下がりやすくなること、検査後の転倒のリスクもあることから、施設によっては鎮静剤の使用はお断りすることもあります。事前に担当医と相談することをお勧めします。

車や自転車の運転ができない

麻酔を使うことで、判断力が鈍ったり、眠気が残ったりすることがあります。そのため、検査当日は車やバイク、自転車でクリニックへと行くことができません。住んでいる場所によっては麻酔を使うことを諦めることになるかもしれません。検査後しばらくは仕事も控えた方がよいとされており、デスクワークであっても集中できない可能性があります。
また、麻酔の使用には追加料金がかかるため、金銭的な負担が大きくなります。追加料金は施設によって異なりますので、予約時に確認するとよいでしょう。

麻酔のための点滴が必要

鎮静剤を体内へと入れるために、点滴ルートを事前に確保する必要があります。麻酔薬を静脈注射することになるので、針を刺す痛みが苦手な方は注意が必要です。

麻酔をうまく利用することが大切

上部消化管内視鏡検査はどうしても挿入に苦痛を伴いますが、今は施設によっては、鎮静剤を使うことで少し楽に受けられるようになりました。試しに、鎮静剤を使わずに内視鏡検査を受けてもよいですが、その1回の検査で受けた苦痛によって、鎮静剤をしても再度検査を受けたくなくなる可能性もあるでしょう。鎮静剤を使用できるのであれば、うまく活用することをおすすめします。上部消化管内視鏡検査による喉の不快感や吐き気、胃の中で異物が動くことによる違和感などを抑えることができます。ただし、鎮静剤を使わない場合と比べてクリニックの滞在時間が長くなったり、費用が少し高くなったり、ふらつきが残るといったデメリットもあります。また、検査の当日は車やバイク、自転車の運転ができないことも忘れないでください。メリットとデメリットをきちんと知って、内視鏡時に鎮静剤を使うかどうかを決めましょう。

監修ドクターコメント

宮崎先生

かつては内視鏡検査はつらいものという印象がありました。けれども、近年は鎮静剤を使用し、より苦痛の少ない検査へと変化してきています。
受診者様に負担が少ないことはもちろんのこと、安全に精度の高い検査を行うことが内視鏡医すべての願いでもあります。
実は、良い鎮静状態というのは内視鏡の操作のしやすさにも繋がっています。
内視鏡検査というのは受診者様の協力を得て、上手に行えるものだと感じています。

鎮静剤にはいろいろな種類があり、効きやすさに個人差があります。
それらを判断するためにも事前に受診者様とコミュニケーションをとることは重要だと感じています。
わからないことやご不安なことがあれば、小さなことでも担当医師にご相談いただくことが、安全で安心な検査に繋がります。

そして、内視鏡は定期的に継続して受けていただくことも大切です。
「毎年、内視鏡を受けることは苦ではない」と言っていただけますように「内視鏡検査=楽な検査」を目指していきたいと思います。

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東京国際クリニック

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対応検査項目 ・大腸内視鏡検査
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・人間ドック
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