目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 症状から調べる
  3. その他
  4. 「寝汗」が何日以上続いたら受診した方が良い?考えられる病気を医師が解説!

「寝汗」が何日以上続いたら受診した方が良い?考えられる病気を医師が解説!

寝汗で、身体はどんなサインを発している?メディカルドック監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
上田 雄大

監修医師
上田 雄大(医師)

プロフィールをもっと見る
【経歴】
2019年 東邦大学医学部卒業。
同年より湘南藤沢徳洲会病院にて初期研修・後期研修を修了し、総合診療科のチーフドクターとして幅広い内科診療に従事。急性期から慢性期、在宅復帰支援に至るまで包括的な診療を経験する。
2025年よりふたば在宅クリニックにて訪問診療を担当。地域に根ざした家庭医療・終末期ケアに注力している。

「寝汗」症状で考えられる病気と対処法

寝汗は一見すると些細な症状に思われがちですが、体が発するサインのひとつとして注目すべき現象です。特に「毎晩のように寝汗をかく」「寝ている間に衣類や寝具がびっしょり濡れる」「冬でも汗をかいて目が覚める」などの症状がある場合は、単なる環境要因や一時的な体調不良では済まされないこともあります。 この章では、寝汗という症状の背後に潜んでいる可能性のある病気について、特徴や見分け方、日常生活での対処法、そして受診の目安などを、症状ごとに丁寧に解説していきます。まずはご自身の寝汗が「どのようなパターンで起きているか」に着目しながら読み進めてみてください。

寝汗がひどい症状で考えられる原因と治し方

寝ている間に全身がびっしょり濡れるほどの寝汗をかき、夜中に何度も目が覚めてしまう場合は注意が必要です。まずは寝室の温度や湿度を適切に保ち、通気性の良い寝具を使うことが基本的な対処法です。また、ストレスの管理や生活リズムの安定、飲酒やカフェイン摂取の見直しも症状の緩和に役立ちます。甲状腺機能亢進症や更年期障害、感染症、悪性リンパ腫などが原因として考えられますので、特に急激な体重減少や発熱がある場合は内科を早めに受診しましょう。

冬なのに寝汗がひどい症状で考えられる原因と治し方

寒い季節にも関わらず、大量の寝汗をかく場合には、布団や衣類による過剰な保温の見直しが必要です。重ね着や布団の厚さを調整し、室温を快適に保つことが大切です。さらに、体を冷やさない工夫をしながらも、快適な温度を保つよう心がけましょう。ホルモンバランスの乱れ、睡眠障害、自律神経の乱れ、感染症などが原因として考えられます。症状が長引くようであれば、内科や心療内科を受診し、必要に応じて精密検査を受けましょう。

寝汗で起きる症状で考えられる原因と治し方

寝汗によって目が覚めてしまい、眠りが浅くなるという症状に悩んでいる方も多くいます。対処法としては、吸湿性の高い素材の寝具に替えることや、寝室の環境を整えることがあげられます。就寝前にリラックスできるルーティンを取り入れることも効果的です。不安障害や睡眠時無呼吸症候群、薬の副作用などが原因であることがあるため、精神科や睡眠外来での診断を受けると安心です。

【男性】寝汗がひどい症状で考えられる原因と対処法

男性では、上半身に集中して汗をかく傾向があり、いびきを伴う場合もあります。これは睡眠時無呼吸症候群やアルコールの摂取、メタボリック症候群が背景にある可能性があります。内科を受診し、見直すべき生活習慣などの指導を受けましょう。

【女性】寝汗がひどい症状で考えられる原因と対処法

女性に多く見られる首周りの寝汗は、単なる暑さや寝具の問題ではなく、体内のホルモンバランスの変化やストレス、自律神経の乱れが影響していることがあります。特に更年期前後の女性では、エストロゲンの急激な減少が自律神経を不安定にし、体温調節機能が乱れることで、夜間に急に体が熱くなり汗をかく「ホットフラッシュ」のような症状を引き起こします。このような症状には、体を冷やしすぎない工夫が重要です。通気性の高いパジャマや寝具を選びつつも、冷房や扇風機の直風を避け、優しく体温をコントロールできる環境づくりを心がけましょう。症状が長引く場合や、発汗以外にも動悸、体重減少、不眠、イライラなどの症状がみられる場合には、甲状腺機能亢進症や貧血、自律神経失調症などの可能性もあるため、早めに婦人科や内分泌内科での診察を受けることが大切です。

上半身だけ寝汗がひどい症状で考えられる原因と対処法

上半身だけに寝汗が出る場合、その原因にはさまざまな可能性があります。たとえば、日常生活でのストレスや精神的な緊張が自律神経の働きを乱し、交感神経が優位になることで寝汗が上半身に集中することがあります。また、甲状腺機能が過剰に働くバセドウ病などでも、新陳代謝が過剰になるために体温が上がりやすく、特に上半身に発汗が現れます。このような症状に対処するには、まず就寝環境を見直すことが重要です。寝汗とともに動悸や息切れ、体重減少がある場合は、内科や循環器内科、内分泌内科、あるいは睡眠外来での検査をおすすめします。

下半身だけ寝汗がひどい症状で考えられる原因と対処法

下半身、特に腰や太もも、ふくらはぎや足元などに限って寝汗が目立つ場合、その原因は全身性の発汗とは異なり、血流の異常や神経系の乱れ、局所的な温度変化が関係していることがあります。たとえば、末梢の血流が滞っていると、体が血行を改善しようとして一部の部位だけに発汗を起こすことがあり、特に寝ている間はその反応が誇張されやすくなります。さらに、骨盤周辺の血行不良や坐骨神経への圧迫(長時間の座位や運動不足が原因)も一因となることがあります。対処法としては、まず下半身の冷えや締めつけを避けることが大切です。もし下半身の寝汗が長く続き、加えてしびれやむくみ、体重変化、尿量の異常などがある場合には、内科での診察や血液検査を受けることが勧められます。特に糖尿病や神経疾患が疑われる場合は、内分泌内科や神経内科の受診が適切です。

首周りの寝汗がひどい症状で考えられる原因と対処法

首まわりに集中して寝汗をかく場合、その背後には自律神経の乱れやホルモンバランスの変化が関与していることが多く、特に女性では更年期症状の一部として現れることも少なくありません。更年期においては、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が低下し、体温調節を担う視床下部が過敏になってしまうため、夜間に突然体温が上がり、首まわりから胸にかけて大量の汗が出る「ホットフラッシュ」が起こることがあります。対処法としては、リラックスできる睡眠環境の整備が第一です。首に密着する寝具やパジャマの素材は、吸湿性・通気性に優れた綿素材を選び、枕も通気性の高いものに替えると効果的です。就寝前にはぬるめのお風呂に浸かり、副交感神経を優位にする習慣をつけましょう。また、漢方薬(加味逍遙散、桂枝茯苓丸など)は更年期障害や自律神経の乱れに対して穏やかな改善が期待でき、婦人科で相談することが可能です。首まわりの寝汗が長期にわたり続く場合や、生活に支障をきたすような強い不快感がある場合は、早めに専門医に相談することが大切です。

【女性】首周りの寝汗がひどい症状で考えられる原因と対処法

女性で、特に首周りに寝汗をかき、枕が濡れるほどになるケースでは更年期障害や甲状腺疾患、自律神経失調症などが考えられます。通気性の高いパジャマを着用したり、就寝前に深呼吸をしてリラックスすることが症状の緩和に役立ちます。また、漢方薬や更年期ケア、栄養管理を行うことも効果的です。症状が長期間続くようであれば、婦人科や内分泌内科への受診をお勧めします。

「寝汗」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「寝汗」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

寝汗はストレスが原因の可能性もありますか?

上田 雄大医師上田 雄大(医師)

はい、ストレスは寝汗の原因の一つと考えられています。精神的な緊張や不安は交感神経を刺激し、体温調整機能に影響を与えることで発汗を引き起こすことがあります。特に寝る前に考え事をしたり、不安感が強い時に寝汗が起こりやすくなる傾向があります。

寝汗が臭いのですが病気の可能性もありますか?

上田 雄大医師上田 雄大(医師)

寝汗に独特の匂いがある場合、食事内容やホルモンバランスの変化、皮膚の常在菌の影響などが考えられます。ただし、強い体臭やアンモニア臭などが続く場合は、感染症や内臓疾患(例えば、肝機能障害・糖尿病など)のサインであることもあるため注意が必要です。

寝汗が何日続いたら病院を受診した方がいいですか?

上田 雄大医師上田 雄大(医師)

明確な日数の基準はありませんが、寝汗が1週間以上続く場合や発熱・体重減少・リンパ節の腫れなど他の症状を伴う場合は、病院での診察をお勧めします。早期に原因を特定し、必要な治療に繋げることが大切です。まずは内科を受診し、必要に応じて専門家を紹介してもらうと良いでしょう。

まとめ 寝汗は体からのサイン、正しく見極めて対応を

寝汗は一時的な体調変化や生活環境によって起こることもありますが、ホルモンバランスの乱れ、感染症、癌などの重大な病気が隠れていることもあります。「たかが寝汗」と見過ごさず、頻度や体調の変化に注意を払いましょう。

「寝汗」症状で考えられる病気

「寝汗」から医師が考えられる病気は31個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

消化器・肝胆系の病気

婦人科の病気

感染症系の病気

  • 結核(特に夜間の寝汗が特徴)
  • HIV/AIDS
  • 急性、慢性の肺炎
  • インフルエンザやウィルス感染症の回復期

腫瘍・血液系の病気

神経・精神系の病気

服薬・中毒関連の病気

  • 抗うつ薬(SSRI/SNRIなど)
  • 降圧薬、抗がん剤、ホルモン剤など
  • アルコール、カフェイン、覚醒剤などの中毒
  • 禁断症状(薬物やアルコールの離脱症状)
寝汗は一時的な体調変化や生活環境による生理現象とも言えますが、感染症や癌をはじめとした重大な病気が原因であることも考えられます。

「寝汗」に似ている症状・関連する症状

「寝汗」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 入眠時発汗
  • 発熱に伴う発汗
  • 冷や汗(交感神経過緊張による)
  • 蒸し暑さによる通常の汗(環境性)
  • 睡眠中の皮膚湿潤(布団の群れや通気性の問題)
  • 寝起きの体の湿り
  • 就寝中の多汗症(局所性or多汗症)

関連して現れることが多い症状

  • 動機
  • 息切れ、呼吸困難感
  • 倦怠感
  • 微熱、発熱
  • 手足の冷え
  • 頭痛、肩こり
  • 眩暈
  • 不安感、焦燥感
  • イライラ、情緒不安定
  • 寝つきの悪さ
  • 体重の急な減少、増加
  • のぼせ、ほとり
  • 下痢、便秘
寝汗や上記の症状が1週間以上続く場合には、早めに病院受診をお勧めします。

この記事の監修医師