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「顔がかゆい」原因とは?赤くてかゆい・腫れている場合も医師が徹底解説!

「顔がかゆい」原因とは?赤くてかゆい・腫れている場合も医師が徹底解説!

顔がかゆい時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

森田 知世医師

監修医師
森田 知世(医師)

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2東京女子医科大学卒業後、広島大学病院皮膚科、県立広島病院皮膚科などに勤務。現在は大阪市内の美容皮膚科、皮膚科に複数勤務。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医の資格を有する。

「顔がかゆい」症状で考えられる病気と対処法

顔がかゆい、赤く腫れている、ぶつぶつがある、などの症状があると心配になりますね。顔のかゆみにはさまざまな原因があり、日々のスキンケアや市販薬の使用で良くなるものもあれば医療機関での治療が必要な場合もあります。今回は、顔のかゆみの原因と対処法について詳しく解説していきます。

顔がかゆい症状で考えられる原因と治し方

顔のかゆみの原因で最も多いのは乾燥で、皮脂欠乏症や老人性乾皮症という病名でよばれます。皮膚の水分量の維持には皮脂や天然保湿因子が関与していますが、加齢などでこれらが減少すると皮膚表面のバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなりかゆみがでます。特に冬は気温が低く空気が乾燥しているため、外気の影響を受けてかゆみがでやすくなります。ご自宅でできる処置として、熱いお湯での洗顔を控える(乾燥がひどくなるため)、部屋を加湿する、市販の保湿剤をぬる、などがあります。保湿剤の種類として、低刺激なワセリンのほか、最近はドラッグストアでも高い保湿力と血行促進効果が期待できるヘパリン類似物質含有のものや、肌の保湿因子であるセラミド含有の保湿剤を購入できますので使用してみるとよいでしょう。

顔がかゆく赤い症状で考えられる原因と治し方

顔がかゆくて赤い場合に考えられるのは、アトピー性皮膚炎です。アトピー性皮膚炎とは、かゆみのある湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す病気で、顔以外の皮膚にも症状がでます。アトピー性皮膚炎の方は、外的な刺激から皮膚を守るバリア機能がもともと低下しているため、汗の刺激や季節の変化、ストレスなどさまざまなことが悪化因子となります。幼少期にアトピー性皮膚炎と診断され、一旦は症状が落ち着いていた方でも、ストレスやマスク生活をきっかけに成人になりまた顔のかゆみや赤みなどの症状が出る方もいらっしゃいます。治療は保湿剤やステロイドの塗り薬が基本となりますが、近年はステロイドを含まない塗り薬や、重症の方には飲み薬や注射薬などの治療もありますので、皮膚科で相談してみましょう。

顔がかゆく腫れている症状で考えられる原因と治し方

顔がかゆくて腫れている場合に考えられるのは、蕁麻疹(じんましん)です。蕁麻疹は15~20%の人が一度は経験するといわれており、比較的よくある病気です。蕁麻疹は食べ物や薬のアレルギー反応と思われがちですが、実は原因がはっきりとわからないことが大半で、ストレスや疲労、風邪などの感染症がきっかけで突然起こることもあります。症状は数分から長くても24時間以内に消えることが多いです。また、蕁麻疹の特殊型で眼瞼や唇が腫れる血管性浮腫という病気があります。通常かゆみはありませんが、数日間症状が続くことがあります。腫れやかゆみがなかなか引かない場合には、抗ヒスタミン薬という内服薬の処方ができますので、皮膚科などの医療機関を受診してください。

顔がかゆくぶつぶつがある症状で考えられる原因と治し方

顔にかゆみとぶつぶつがある場合、接触皮膚炎(いわゆる“かぶれ”)の可能性があります。接触皮膚炎は強酸、強アルカリなど誰もが炎症を引き起こす物質による刺激性と、アレルゲンとの接触によって起こるアレルギー性に分類されます。一次刺激性の場合は原因となる物質に触れた部分にのみ赤みやぶつぶつ、かゆみなどの症状がでます。アレルギー性接触皮膚炎は、特定の物質にアレルギーがある方のみ発症します。日常生活で接触皮膚炎を引き起こす原因として多いのは、洗剤などに含まれる界面活性剤、ゴム製品や接着剤成分、着色剤、紫外線吸収剤、抗菌剤などです。日用品のため、ご自身では原因製品だと気づかずに使用し続けている場合もあります。治療は原因物質の使用を避けること、ステロイドの塗り薬や保湿剤になります。症状がひどい場合は、皮膚科など医療機関で原因物質を調べることも可能ですので相談してみましょう。

ニキビで顔がかゆい症状で考えられる原因と治し方

顔のかゆみにニキビのようなぶつぶつを伴っている場合、ニキビダニや酒さの可能性があります。ニキビダニはほぼすべての方の顔の毛穴や皮脂腺に生息していますが、通常は何も悪さはせず皮膚を健やかに保つ手助けをしています。しかし、皮脂量が急に増えたり不適切なメイクやスキンケアを繰り返していると、ニキビダニが異常に繁殖しニキビに似たぶつぶつとあかみ、かゆみなどの症状がでてきます。酒さは、初期は頬やおでこなどの赤みとほてりをくり返しますが、徐々にニキビに似たぶつぶつがでてきます。酒さの原因はまだはっきりわかっていませんが、ニキビダニの関与も言われています。治療は生活習慣やスキンケアの見直しを行い、それでも改善しない場合は抗生物質や漢方薬の飲み薬が処方されます。また、酒さやニキビダニに効果的なメトロニダゾール含有の外用剤も処方できる場合があります。近年のマスク生活でニキビダニや酒さでお困りの方は増えていますので、このような症状がある場合は皮膚科を受診しましょう。

ストレスで顔がかゆい症状が起こりやすい主な原因と対処法

ストレスで顔のかゆみが起こるのは、もともと乾燥肌やアトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が低下している方に多いです。ストレスがあると自律神経や免疫系の働きを乱し、乾燥やアトピーの症状が悪化しかゆみを促進すると言われています。ストレスにより皮膚症状の悪化を感じた場合には、ストレスを避け休養する、いつもより丁寧に保湿をする、赤みやかゆみがある場合にはステロイドの外用薬をぬる、などの対応をしましょう。
そのほか、ストレスにより体の免疫のバランスが崩れて蕁麻疹がでることもあります。自然に引く場合には問題ないですが、あかみや腫れ、かゆみが強い場合や長引く場合には抗ヒスタミン薬などの飲み薬が効果的ですので、皮膚科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「顔がかゆい」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

皮膚の赤みがある、がさがさがある、腫れている、ぶつぶつがある場合は、皮膚科へ

顔のかゆみ以外に皮膚の赤みやがさがさがある場合は、アトピー性皮膚炎の可能性があります。軽症であれば市販の保湿剤やステロイド含有のOTC薬品でよくなる場合もありますが、なかなか治らない場合は皮膚科を受診しましょう。
顔が腫れてかゆみがある場合は、蕁麻疹の可能性があります。数十分ほどで自然と引くこともありますが、かゆみや腫れが長引いている場合には、抗ヒスタミン薬の飲み薬の内服が必要です。重症の場合は点滴の治療が必要となる可能性もありますので、皮膚科や内科などの医療機関を受診しましょう。
顔にかゆみとぶつぶつがある場合は、接触皮膚炎の可能性があります。原因がはっきりしている場合には、ステロイドの塗り薬で改善することがほとんどです。症状を繰り返す場合には、日用品に原因となる物質がひそんでいることもあります。総合病院などで詳しい検査が可能な場合もありますので、皮膚科で相談してみましょう。
顔にかゆみのあるニキビがある場合は、酒さやニキビダニの可能性があります。これらは市販のお薬では治りにくく、不適切な薬の使用で悪化することが多いため、皮膚科を受診して適切な治療を受けてください。

受診・予防の目安となる「顔がかゆい」時のセルフチェック法

  • ・顔がかゆい以外に赤みがある場合
  • ・顔がかゆい以外に腫れている症状がある場合
  • ・顔がかゆい以外にぶつぶつがある場合
  • ・顔がかゆい以外にニキビがある場合
  • ・ストレスで顔のかゆみが悪化する場合

「顔がかゆい」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「顔がかゆい」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

接触性皮膚炎

接触皮膚炎は、何らかの物質に触れることで皮膚に炎症が起きる病気です。正常な皮膚との境界がはっきりとした赤みやぶつぶつがで、強いかゆみを伴う場合が多いです。原因となる物質はさまざまありますが、日常生活で多いのは洗浄力の強い洗剤や石鹸、ゴム製品や金属類、抗生物質、香水などがあります。対処法としては、原因物質をさける、触れてしまった場合には流水で洗い流す、保湿クリームなどで皮膚を保護する、などがあります。それでも改善しない場合には、ステロイドの外用剤やかゆみ止めの内服薬を処方できますので、皮膚科などの医療機関を受診しましょう。

虫刺され

虫刺されはほとんどの方が経験したことのある疾患で、皮膚のあかみや腫れ、痛み、かゆみなどが症状としてでます。ハチやムカデに咬まれると、有毒物質が皮膚に注入され強い痛みを生じます。カやブユ、アブ、ノミ、ダニなどの吸血する虫に刺された場合、直後からかゆみや腫れ、赤みが出て数時間で消える場合と、1日~2日後にかゆみや赤み、ぶつぶつ、水ぶくれが出て、数日~1週間で軽快する場合があります。これらの症状は虫の種類や刺された方の体質によって程度が変わってきます。治療は、軽症であれば市販のかゆみ止めの塗り薬で様子をみてもよいのですが、赤みやかゆみなどの症状が強い場合はステロイドの塗り薬や抗ヒスタミン薬の内服薬が必要な場合がありますので、皮膚科を受診しましょう。

蕁麻疹

蕁麻疹は15~20%の人が経験するといわれ、比較的よく遭遇する疾患です。突然皮膚が蚊に刺された時のように盛りあがり、数十分から長くても24時間以内に跡を残さず消えていきます。食べ物や薬のアレルギー症状として出る場合もありますが、原因がわかるのは全体の1-2割ほどで、ほとんどのじんましんは原因を特定できません。自然に消えた場合には治療は必要ありませんが、症状が長引く、繰り返しでる場合には抗ヒスタミン薬の飲み薬で症状を抑えることができますので、皮膚科などの医療機関を受診しましょう。

あせも

あせもは、汗の正常な排出が妨げられることでできるぶつぶつです。大量の発汗や高温多湿な環境で汗を出すための管が詰まり、皮膚の中に汗がたまることで起こります。かゆみのある赤く小さなぶつぶつが主な症状で、ぶつぶつのまわりにも赤みとかゆみがでる場合があります。小さな子どもから大人まで幅広い年代でおこる、比較的ありふれた疾患です。近年は長時間マスクを使用する機会が増えたため、顔にあせもができる方が増えています。対応として、着衣や室温を調整して汗をかきにくい環境で過ごす、こまめなシャワーで肌を清潔に保つなどがあります。また、ドラッグストアなどで抗炎症成分を含んだあせもの治療薬が手に入りますので、そちらを使用しても良いでしょう。しかしかゆみが強い、かきむしってひりひりするなどの症状があればステロイドが含まれた塗り薬が効果的ですので、薬剤師さんに相談したり、ひどい場合には皮膚科などの医療機関を受診しましょう。

「顔がかゆい」ときの正しい対処法は?

顔が乾燥してかゆい時は、市販の塗り薬を使用してみるのもよいでしょう。ドラッグストアで手に入るものだと、例えば、低刺激なワセリンやヘパリン類似物質が含まれる保湿剤や抗炎症成分、抗ヒスタミン成分が含まれたかゆみ止めなどがあります。ただし、ぶつぶつがたくさんある場合や赤みが強く、じゅくじゅくして痛みがある場合には皮膚科などの医療機関を受診しましょう。
洗顔はぬるめのお湯を使用し、しっかり泡立てた石鹸などで肌をこすらないよう優しく洗い流しましょう。顔のかゆみがあるときは、ファンデーションなどのメイクは最小限とし、刺激の少ない日焼け止めとポイントメイクにとどめておきましょう。入浴時も体を温めすぎるとかゆみが増すことがありますので、ぬるめのお湯にしておきましょう。スキンケアも洗顔と同じく肌をこすらないようにやさしく行ってください。かゆみがある場合は何種類もスキンケアを使用する必要はありません。ワセリンなど刺激の少ないもののみで保湿をしても大丈夫です。
それでもかゆみが治まらない場合には、検査や治療が必要な場合がありますので皮膚科などの医療機関で相談してみるとよいでしょう。

「顔がかゆい」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「顔がかゆい」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

顔がかゆくて気になるとき、掻いても大丈夫ですか?

森田 知世医師森田 知世(医師)

少しなら大丈夫ですが、かくことで皮膚に小さな傷ができ角質をはがしてしまい、皮膚のバリア機能が低下します。すると外部からの刺激を受けやすくなりさらにかゆみを感じやすくなる、という悪循環が生まれます。かゆい部分を冷やしたり、保湿剤や抗炎症成分の入った塗り薬をぬったりして、なるべく掻かないようにしましょう。

突然顔がかゆいのですがアレルギーなのでしょうか。

森田 知世医師森田 知世(医師)

アレルギーの可能性もあります。アレルギーの場合は、かゆみ以外に赤みや腫れがでることが多いです。花粉症の一症状として、顔のかゆみが出る方もいらっしゃいます。

顔に赤み・かゆみが出やすいです。皮膚科で治療できますか?

森田 知世医師森田 知世(医師)

マスク皮膚炎の可能性があります。マスクによる摩擦やマスク内の蒸れにより肌が過敏になってしまい、特に口周りや顎にかゆみや肌荒れを引き起こします。対策として、肌に優しい素材のマスクに変える、マスクの下に薄い柔らかいガーゼを1枚はさむ、などがあります。

妊娠中や産後に顔がかゆいのは何が原因でしょうか。

森田 知世医師森田 知世(医師)

妊娠中や産後はホルモンバランスの乱れにより、肌荒れをおこしやすく肌が敏感になります。さらに環境の変化や妊娠、育児のストレスで、よりかゆみを感じやすくもなります。ゆっくりとご自身のケアをする時間は取れないかもしれませんが、熱めのシャワーや長湯、タオルでゴシゴシ洗うことは避け、低刺激の石けんでやさしく洗い、ぬるめのお湯に浸かるようにしましょう。また、入浴後は低刺激、高保湿のクリームなどを使用しましょう。

まとめ

今回は顔がかゆくなる原因について解説しました。顔のかゆみにはさまざまな原因があり、原因にあわせて対応が必要です。症状が長引いたり繰り返す場合には、原因や対処法が間違っている可能性がありますので、早めに皮膚科などの医療機関を受診しましょう。

「顔がかゆい」で考えられる病気と特徴

「顔がかゆい」から医師が考えられる病気は9個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

日々のスキンケアや市販薬の使用で良くなるものもあれば、治療を要する場合もあります。

「顔がかゆい」と関連のある症状

「顔がかゆい」と関連している、似ている症状は13個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「顔がかゆい」症状のほかに、これらの症状がある場合も、「皮脂欠乏症」「アトピー性皮膚炎」「接触皮膚炎」「蕁麻疹」「老人性乾皮症」「ニキビダニ」「酒さ」「あせも」「虫刺され」などの疾患の可能性も考えられます。
症状が良くならずお悩みの場合には、早めの医療機関への受診を検討しましょう。

この記事の監修医師