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「喉が痛い」時の対処法はご存知ですか?医師が薦める食べ物・飲み物も解説!

喉が痛い

喉が痛い時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

森崎 剛史 医師

監修医師
森崎 剛史 医師

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鳥取大学医学部卒業。医学博士。耳鼻咽喉科全般、声の疾患、甲状腺腫瘍を専門に診療にあたっている。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定耳鼻咽喉科専門医、日本内分泌外科学会認定内分泌外科専門医の資格を有する。

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「喉が痛い」症状で考えられる病気と対処法

ひとくちに喉が痛いといってもどんなふうに痛いか、何をしたときに痛いか、他にどんな症状を伴っているか、など病気によってさまざまなパターンをとって症状として現れます。どのような病気があるのかを解説します。

喉が痛い症状で考えられる原因と治し方

喉が痛いという中でも、「扁桃腺が痛い」という感覚があることは多いと思います。いわゆる「喉」の中では代表的な痛みの部位です。すぐにできる痛みの落ち着かせ方としてうがいをお勧めします。特に、炎症を抑える薬剤が配合されたうがい薬があると良いと思います。扁桃腺というのは正式な臓器名ではなく、正しくは「口蓋扁桃」です。口蓋垂(のどちんこ)の両サイドにあって口からのウイルスや細菌の侵入に対して最前線に位置することで、体内深くまで侵入される前に免疫反応を起こす役割を持っています。そのため炎症は起こりやすく、これを扁桃炎といいます。毎月のように炎症を起こす方もいるくらいです。1日ごとに悪くなったり快方に向かったりと変化がありますので、数日以内には耳鼻咽喉科に受診してこじらせないようにしましょう。

喉が痛く、飲み込むのが辛い・飲み込むと喉が痛い症状で考えられる原因と治し方

飲み込んだときに喉が痛い、そのため食事や飲水がつらいという症状をさします。これも喉の炎症から来ることは多いので、炎症を抑える薬が配合されたうがい薬を使ってうがいをするのは効果的です。飲み込むときに痛いのは、飲み込むときに使う喉の筋肉の近くまで炎症が起こっているためです。広い範囲の喉で炎症が起こっていれば、飲み込みに使う喉の筋肉が動いたときに喉全体に痛みを感じます。いわゆる「のどかぜ」の状態である急性咽喉頭炎が最も頻度が高い原因だと思います。かぜであれば必ずしも病院を受診する必要はなく、休養をとって改善を待つか、症状が強い場合はお近くの耳鼻咽喉科を受診しましょう。

熱はないが喉が痛い症状で考えられる原因と治し方

熱っぽさを伴う喉の痛みのときには、かぜをひいたかなと判断しやすいと思いますが、時折まったく熱っぽくない喉の痛みを感じる方がおられます。しかも数ヶ月から数年という慢性的な痛みのことも多々あります。声がかすれると、のどのつかえ、違和感がある、と訴える方もおられます。長い期間にわたってうがいなどを試しても効果がなく、風邪薬を処方してもらっても効果が全く感じられないなど、自分なりに対処しても何も変わらないことが多いようです。こういった方の中には、咽喉頭逆流症の方がおられます。本来は胃の中にしかない胃酸が喉まで上がってきて喉を刺激している状態です。耳鼻咽喉科で内視鏡検査や胃酸を抑える薬を飲んでみた効果をみて診断されます。長期間お悩みの場合は、機をみて一度お近くの耳鼻咽喉科に受診するのがよいでしょう。

喉が腫れて痛い症状で考えられる原因と治し方

外から見て喉が腫れている、しかものどを外から触るとズキッとした痛みが日に日に強くなってきているという場合があります。甲状腺という首の前面中央にある臓器が炎症を起こす病気に、急性化膿性甲状腺炎というものがあります。本来は甲状腺には細菌が住み着きにくいのですが、その人が生まれ持った体質上、喉のなかから甲状腺まで瘻管というトンネルがつながっている場合に起きやすいと言われています。自力で改善へと向かわせるのは難しいので、なるべく早めにお近くの耳鼻咽喉科や甲状腺、内分泌を扱っている内科に受診し、外科的な処置ができる総合病院などへの受診が必要かどうかを検討してもらうようにしましょう。

喉の右側・左側など片方が痛い症状で考えられる原因と治し方

喉の痛みが、明らかに右か左に偏りがあるといった場合には、通常の扁桃炎をこじらせてしまい、扁桃周囲炎、または扁桃周囲膿瘍となっている可能性があります。口を開けようとしても痛くて開けられない、痛くて水も飲み込めない、といった場合はこの可能性が高いです。しかも、左右の痛みの差が明らかで、ある場合は通常の扁桃炎を通り越してしまっていると思われます。疲労が蓄積しているときに起こりやすい病気で、この状態までこじらせてしまっていると自力では改善が難しく、抗生剤の投与を要することがほとんどです。1日でも早くお近くの耳鼻咽喉科を受診して、総合病院での入院治療が必要かどうかを判断してもらう必要があります。

すぐに病院へ行くべき「喉が痛い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

喉が痛く、少しでも息が吸いにくい場合は、耳鼻咽喉科へ

自分の声がくぐもっている、喉が痛くてつばも飲み込めない、少し息が吸い込みにくい気がする、といった症状があるときに、急性喉頭蓋炎という病気が考えられます。食事が気管に入らないようにしている喉のフタを喉頭蓋といい、ここに炎症が及ぶと喉頭蓋が腫れて呼吸の経路が塞がれ、窒息の危険があります。数時間の受診の遅れが命取りとなる病気ですので、このような症状があるようならすぐに耳鼻咽喉科へ、時間外であれば夜中でも総合病院の救急外来へ受診してください。

「喉が痛い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「熱はないが喉が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

扁桃炎

口蓋垂(のどちんこ)の両サイドにある口蓋扁桃が炎症を起こしている状態のことをいいます。発熱、強い喉の痛みが特徴です。口の中には常在菌といってたくさんの種類の細菌が住んでいますが、体力がおちて免疫が弱まったときにこれらの細菌が炎症を引き起こします。頻度はやや少ないですがウイルスによる扁桃炎もあります。日頃からうがいを行い、発症後も炎症止めの作用のあるうがい薬で対処するのが有効です。また、体力を戻すためにしっかり休養をとることが重要で、無理に体にストレスをかけつづけると扁桃周囲膿瘍といったより重篤な病気に発展していきます。1、2日で改善の兆しがみられないときには耳鼻咽喉科を受診し、適切な抗生物質などを処方してもらうようにしましょう。

急性咽喉頭炎(いんこうとうえん)

急性咽喉頭炎とは、いわゆる「のどかぜ」を指す状態です。喉の痛みや咳、声のかすれなどの症状があります。原因としては細菌ではなくウイルスが多くを占めており、症状がある人の出す飛沫を介して感染することが多いです。マスク、手洗い、うがいといった日頃からの対策が重要です。基本的には痛み止め、咳止めなど症状に対応した薬を処方してもらって自然に治るのを待ちます。耳鼻咽喉科や内科で適切な薬を処方してもらえます。しっかりと休養をとることで改善を早められます。空気の乾燥もウイルスを活発にする環境ですので、冬は部屋の加湿を行うようにしましょう。

溶連菌感染症

溶連菌感染症とは、扁桃炎のなかでも溶連菌という細菌によって引き起こされたものを指します。菌が毒素をだすことで扁桃の激しい炎症を起こし、免疫側も過剰な応答をする影響で腎臓に免疫物質が蓄積して腎臓にダメージを与えることもあります。また、進行して敗血症になるとその毒素の影響もあり命に関わります。耳鼻咽喉科で溶連菌感染症の診断をしっかりとつけてもらって抗生物質を処方してもらいましょう。

「喉が痛い」ときの正しい対処法は?

喉が痛いときには市販薬で喉の痛みを抑えると、必要な休養や食事をとるために役立ちます。ロキソプロフェン、アセトアミノフェン、イブプロフェンなどの成分が記載してあるものが痛み止めです。また、同様の理由で咳がでるときには市販の咳止めを使用するのも良いでしょう。コデインリン酸、などの成分が記載してあるものがそれにあたります。ただし、病気自体を改善させる作用はないので、「市販薬を使っていないときでも症状がよくなっている」という実感がないようなら病院で診察をうけましょう。
前述のように急性喉頭蓋炎や扁桃周囲膿瘍などの病気は自力で治すことが難しいばかりか進行すると命に関わります。高熱がでているとき以外は喉を冷やさずに温めて免疫力を高めましょう。タバコ、アルコールは喉に直接ダメージを与える嗜好品ですので喉の痛みがあるときには悪化の原因となります。空気の乾燥や喉への刺激は極力避けるようにすることが喉の保護になります。喉の炎症は即効性のある対処法はなく、しっかりと休養をとることが最も早く改善に向かうための必須事項です。

「喉が痛い」ときに医師が薦める食べ物・飲み物は?

喉が痛いときには昔からハチミツがよいとされています。ハチミツには炎症を抑える作用、感染を抑える作用があるためです。また、生姜湯も同様に喉によいことが知られており、これらは積極的に摂取するとよいでしょう。避けたほうが良い食べものはジャンクフードや刺激物で、症状を悪化させてしまうかもしれません。楽に摂りやすい物は、刺激が少なくとろみがあるものなどです。のど飴は炎症を抑えるはたらきがあるものを選んでなめるようにすれば効果が期待できます。

「喉が痛い」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「喉が痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

飲み物や唾を飲むと喉が痛いとき、何科を受診すべきですか?

森崎 剛史 医師森崎 剛史 医師

耳鼻咽喉科です。

喉の痛みと花粉症は、関係がありますか?

森崎 剛史 医師森崎 剛史 医師

花粉症で喉がイガイガすることがあります。痛みは軽いことが多いため通常は問題になりません。

朝起きたら(寝起きに)のどが痛い症状は風邪でしょうか?

森崎 剛史 医師森崎 剛史 医師

寝起きにのどが痛いのは、風邪以外にも咽喉頭逆流症、空気の乾燥、が原因として考えられます。

喉が痛い症状のセルフケア・予防法を教えて下さい。

森崎 剛史 医師森崎 剛史 医師

うがい、手洗い、部屋の加湿が有効です。

慢性的に喉が痛い症状が長引く場合、どんな原因が考えられますか?

森崎 剛史 医師森崎 剛史 医師

慢性上咽頭炎、慢性扁桃炎、咽喉頭逆流症などが考えられます。

まとめ

喉にはいろいろな神経が集まっているため、今回例にあげた病気以外のさまざまな病気でも喉の痛みとして現れることがあります。症状がなかなか改善しない、症状がひどくなってくるといった場合には、自己判断やセルフケアのみでなく、病院での検査を受けておくことをおすすめします。

「喉が痛い」で考えられる病気と特徴

「喉が痛い」から医師が考えられる病気は14個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

耳鼻咽喉科の病気

消化器科の病気

総合診療科の病気

内分泌代謝科の病気

  • 急性化膿性甲状腺炎

耳鼻咽喉科系が占める割合が多いです。総合診療系とした疾患は、古くから「病巣感染症」として知られている全身のさまざまな不調の原因となり得る疾患で、病院での治療でも効果が得られにくいことが知られています。一部では鍼灸、整体などが合う方もおられるようです。

「喉が痛い」と関連のある症状

「喉が痛い」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「喉が痛い」症状の他に、これらの症状がある場合も「急性咽喉頭炎」「咽喉頭逆流症」 「急性化膿性甲状腺炎 」「扁桃周囲炎」「扁桃周囲膿瘍」などの疾患の可能性が考えられます。当てはまる場合はなるべく早く医療機関への受診をおすすめします。