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呼吸奥まで吸えない

呼吸奥まで吸えない

持病があるわけではないのに呼吸が深く吸えない、急に息を吸うのが辛くなった、不安なその症状の要因と改善方法をMedical DOC監修医が紹介。

「呼吸が奥まで吸えない」原因は?考えられる病気と対処法

急に呼吸を十分に吸えなくなって、びっくりした経験はありませんか?不安になりますよね。深く吸えない、吐けないという症状は、緊急性が高い病気が隠れています。そのようなときに、焦らず対応できるようになりましょう。

息を吸うことが難しい場合

息を深く吸おうと思っても吸えずにむせこんでしまう、あるいは、息を深く吸えないだけでなくうまく吐けない、などの症状が当てはまります。

まずは、落ち着いて、周囲の人に助けを求めましょう。息が吸えないと感じたときには、パニックにならず、まず息を吐くことを意識することも大事です。

急に息を吸えなくなる病気には、気管支喘息、アナフィラキシーなどのアレルギー症状、過換気症候群などが考えられます。

気管支喘息

空気の通り道である気管が、狭くなるために息が吸いづらくなる病気です。アナフィラキシーなどのアレルギー症状でも、同様の理由で呼吸が苦しくなることがあり、この際は緊急性がより高くなります。

過換気症候群

ストレスや不安など精神面が不安定になることが原因になります。慌てず気持ちを落ち着かせて、ゆっくり深呼吸するようにしてください。

このような症状が出た際は、内科や呼吸器内科を受診してください。もともと喘息などの診断を受けている人は、発作時用に処方された吸入薬を使用することが大切です。

また、普段から症状はあっても軽度で、自然に治ってしまうため病院受診をされない方も多くいますが、頻回に繰り返すようなら早めに病院受診をしましょう。

息を吸う時、喉の奥に苦しさや痛みを感じる場合

喉に痛みがあり息を深く吸えない、息がしにくく物を飲み込みづらい、などの症状が当てはまります。痛みが出ているときは、炎症が起きていることが考えられ、すぐに痛みを取り除くことは困難です。

原因には、急性咽頭喉頭炎、急性喉頭蓋炎、気管支異物などが考えらえます。ウイルス・細菌などの感染で起きる場合は、せき、痰などかぜ症状がみられます。ただ、炎症が喉頭と呼ばれる空気の通り道に起きると、喉頭が腫れ息を深く吸えなくなることがあり危険な状態です。

のどの痛みのほか、物がうまく飲み込みづらい、息がしづらい時は急いで耳鼻咽喉科や内科を受診してください。空気の通り道である喉頭が強く腫れると窒息する危険性もあり、 緊急性が高い状態です。

息を吸うとき、胸や肺に苦しさ・痛みを感じる場合

突然、息を吸う時に胸や肺に苦しさを感じ深く呼吸ができない、突然胸が痛苦しくなり息が深く吸えなくなる、などが症状の特徴です。気胸や肺塞栓症が考えられる病気です。

気胸

何らかの原因で肺に穴があき、胸腔に空気が漏れることで肺が膨らまなくなる病気です。

肺塞栓症

肺の血管に血栓が詰まることで起きる病気です。これらは、医療機関で専門的処置をしなければ症状の改善は難しく、緊急性の高い病気です。

まずは、内科、呼吸器内科、循環器内科を受診してください。場合によっては、ショック状態という命に危険がさしせまる状態になります。突然息が苦しくなった際は、休日・夜間でも、すぐに病院を受診しましょう。

呼吸が浅く、あくびが止まらない場合

あくびがでる理由は、はっきりと解明されていませんが、眠い時や疲れているときに出やすくなります。しかし、病気が原因であくびが出ることもあり、呼吸が浅くあくびが出る時、ふらつき、動悸、冷汗などを伴う時は注意が必要です。

不安やストレスが原因になって、呼吸が浅く、あくびが出現することもあります。そのままパニック状態になると、過換気症候群という過呼吸状態・呼吸困難感になってしまう可能性もあります。

また、低血糖や貧血などが隠れている場合もあります。少し甘いものを口にしてみる、動くのをやめて安静にしてみることで、症状が改善する場合もあります。低血糖や貧血の原因はさまざまで、心配ないものも多いですが、なかには悪性腫瘍などが隠れている場合もあり、注意が必要です。

一時的なものなら心配ないですが、頻回に繰り返す場合は、内科や精神科を受診して原因を調べる必要があります。

すぐに病院へ行くべき「呼吸奥まで吸えない」症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

突然に息が吸えなくなった場合は、内科・呼吸器内科へ

「突然に」呼吸が奥まで吸えない、呼吸ができない、呼吸がしにくいなどで息苦しさを感じるときには、気胸や肺塞栓症などが疑われます。

気胸は、肺に穴が開いて胸腔に空気が漏れる病気で、肺が十分に膨らまない状態です。肺塞栓症は、肺の血管に血栓(血の塊)が詰まることで、酸素をうまく取り込めなくなる病気です。

どちらも緊急性が高く、すぐに病院で治療をしないと致命的になります。内科や呼吸器内科を受診してください。休日夜間でも最寄りの救急病院に問い合わせて、すぐに受診してください。

喘息との関係は?

呼吸を十分に吸えない症状の原因疾患に、喘息があげられます。

喘息は、適正な治療を継続しなければ、治ったと思っていてもすぐに症状が出現します。治療の主役は吸入ステロイド薬で、規則正しく吸入して発作が起きないようにすることが極めて大切です。ステロイドと聞いて副作用が心配になる方も多いかもしれませんが、医師の指示通りに適正に使用すれば、副作用は少なくとても安全で効果的な薬です。

喘息には、タバコ、砂煙などは天敵です。発作の原因がわかっているときは可能な限り避けるようにしましょう。

ストレス性の症状の場合はストレッチでリラックス

呼吸を十分に吸えない症状の原因として、ストレスや不安が関与する場合があります。不安定な精神状態では過換気症候群などを発症する可能性もあります。不安やストレス、緊張を自覚したときに、呼吸が浅いなと気がついたときは、注意してください。

不安が募ると、どんどん呼吸が早くなり、奥まで吸えず息苦しさを自覚するようになります。その際に、意識的に呼吸を遅くする、あるいは、止めることで症状は改善することがあります。身近な人でこのよう方を見かけたときは、不安やストレスが原因だと考え、できるだけ安心させるような声掛けを心がけてください。

ストレスを改善させるためには、休養や適度なスポーツが有効です。 たまには、ぼーっとして何もしない時間を持つことや、隙間時間に散歩で外の空気を感じるなどして、心の健康にも気をつけましょう。

「呼吸が奥まで吸えない」場合に考えられる疾患と特徴

考えられる病気は13個ほどあります。各病気の詳細はリンクからご覧ください。

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まとめ

呼吸が奥まで吸えない症状を解説しました。十分に息が吸えない病気には、重篤な疾患が隠れていることも多いので注意が必要です。突然に強い症状が出現するときは、特に注意が必要なので、すぐに病院受診をするようにしてください。

また、ときどき軽い症状があるのに放置している場合でも、しっかり調べると原因がわかることもありますので、一度相談してみてください。

この記事の監修医師