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「足がつる」原因はご存知ですか?治し方・病気も医師が徹底解説!

足がつる

よく足がつる時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?MedicalDoc監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

柏木 悠吾 医師

監修医師
柏木 悠吾 医師

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宮崎大学医学部卒業。宮崎県立宮崎病院、宮崎大学附属病院で研修。地元地域に貢献すべく、2022年より橘病院(宮崎県)に勤務。日本医師会認定スポーツドクター。日本整形外科学会、日本骨折治療学会、日本人工関節学会会員。他に日本医師会認定産業医などの資格を有する。

「足がつる」症状で考えられる病気と対処法

日常生活やスポーツなどさまざまな場面であしがつる時に考えられる病気はいくつかあります。具体的には、ミネラルバランスの乱れ、脱水、熱中症、神経の障害、糖尿病、血流不良などが挙げられます。詳しく解説していますので、一緒にみていきましょう。

足がつる症状で考えられる原因と治し方

足がつるときに考えられる原因の代表的なものとして、ミネラルバランスの乱れがあります。ミネラルとは、ナトリウムやカリウム、カルシウムなどを指し、これらは筋肉が動くのに欠かせないものです。
ミネラルが何らかの原因で、体内で足りなくなると足がつるという症状が現れます。
ミネラルが乱れる原因には食事や運動などさまざまなものがありますので、以下で詳しく解説していきます。

足のふくらはぎがつるこむら返りの症状で考えられる原因と治し方

足のふくらはぎがつる時にも、考えられる主な原因としては前述のミネラルの乱れです。
そのミネラルの乱れの原因には、脱水や熱中症などが挙げられます。
夏場のスポーツで脱水や熱中症になることはよく注意喚起がされていますが、最近増えているのが室内での熱中症です。屋内でエアコンをつけずに過ごしていると、時期によっては非常に温度が高くなり、熱中症となってしまうことが多々あります。
年をとるほど人はのどの乾きを感じにくくなるということがわかっています。高齢者が室内で熱中症になってしまい救急車で運ばれる、という状況が現在非常に増加しており問題視されています。
屋外でも屋内でも、ミネラルを含んだスポーツドリンクなどの水分を摂取することが非常に重要です。
足のふくらはぎがつったときのおすすめの治し方は、足先を上に持ち上げるような動作で、ふくらはぎの筋肉を伸ばしてあげることです。痛くて自分でできない場合は、周囲の方にしてもらうとより効果的です。

足のすね、足の指、足の裏がつる症状で考えられる原因と治し方

足のすねや指、足の裏がつるという時、考えられる主な原因はふくらはぎと同様です。
治し方としては、基本的につっている部位にある筋肉を伸ばしてあげることが重要です。
あしのすねであれば、ふくらはぎを治すときと反対に足の指を下に向ける方向に曲げると治りやすいです。
足の指がつっている時は、足の裏にある指を曲げる筋肉がけいれんしていることが多いです。指を上に持ち上げる方向に伸ばしてあげてください。
反対に足のうらがつっている時も同様に、指を上に持ち上げる方向に伸ばすとよいでしょう。

寝ている時に足がつる症状で考えられる原因と治し方

寝ているときに足がつるとき、最も考えられる原因は脱水です。寝ている間の6〜8時間は全く水分摂取をしないうえに、汗をたくさんかきます。人は一晩で約500mlの汗をかきますので、寝る前から少し脱水傾向であれば、寝ている間や朝の起床時に、非常に脱水に陥りやすい状態にあるといえます。
日中に激しい運動をする日や、あまり水分摂取が出来ていない日は特に注意が必要です。

運動中に足がつる症状で考えられる原因と治し方

運動中に足がつる時、考えられる原因には前述のミネラルの乱れに加えて、筋肉疲労もあげられます。
まずミネラルの乱れについてです。スポーツ中には非常にたくさんの汗をかき、水分と共にミネラルもたくさん体外に失われます。この時、適切な水分とミネラルの補給ができていないと、あしがつったり、熱中症を起こすリスクが非常に高くなります。
スポーツ中にスポーツドリンクではなく、単なるお水や、お茶などを飲んでいる方は水分だけの補給となり、ミネラルが不足する確率がさらに高くなりますので、注意してください。スポーツドリンクや補食などでミネラルが補うように気をつけましょう。
筋肉疲労によって足がつることもあります。筋肉が過度に疲労し、筋肉内でのミネラルなどの不足なども相まって、神経系で調節されている筋肉の張りが上手くコントロール出来ずに足がつることがあります。日頃運動をしていない人や、普段運動をしていても、いつもより強度の高い運動をすることでおきやすくなります。適度に休息をとったり、運動前後のストレッチなどケアをしっかりしたりすることで予防しましょう。

すぐに病院へ行くべき「足がつる」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

足だけでなく全身がつるような症状の場合は、救急科へ

足など体の一部がつったときは、筋肉を伸ばしながら休息をとり、ミネラルと水分を補給すれば改善することが大半です。しかし、全身がつるような場合はあまりにも体への負担が大きく、熱中症を起こしている可能性も高いので病院の受診をおすすめします。
特に、声掛けに対する反応が悪いなど意識に異常があるような場合は、急いで医療機関を受診しましょう。

「足がつる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「足がつる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

糖尿病

糖尿病が悪化すると、神経の異常が起きます。神経は筋肉の動きを制御しているので、足の筋肉の神経が上手くコントロール出来ずに、足がつったり、関節の痛みなどが起きてくる場合があります。
治療は原因である糖尿病の治療を行うことになります。
足がつっている際には漢方薬などで対応し、原因となっている糖尿病のコントロールを少しずつ良くしていくことが非常に重要です。
主治医がいれば一度相談してみてください。主治医がいない場合には内科で相談しましょう。

腰椎椎間板ヘルニア

腰のヘルニア(腰椎ヘルニア)があると神経に異常が起きてしまい、足がつることがあります。
腰椎椎間板ヘルニアは、他の症状として、腰から足にかけての痛みやしびれなどが起きやすいです。進行すると足に力が入りにくくなることもあります。
生活に支障が出るような症状であれば、早めに整形外科を受診するようにしましょう。

「足がつる」ときの正しい対処法は?

足がつる時にすぐに自分でできる対処法として、まずは水分補給があります。水ではなく、スポーツドリンクなどのミネラルを含んだものが適切です。OS-1などの経口補水液を市販でも気軽に買うことが出来ますので、スポーツなどをする際には準備しておくと安心です。
筋肉がつったときには、ミネラルを含んだ水分の摂取に加え、つっている筋肉を伸ばし、氷水などで冷やすことも重要です。
市販薬の中で足のつりに効くものとして、「芍薬甘草湯」があります。漢方薬の一つで病院でも筋肉がつったとき用に処方されることがあります。漢方薬は安心なイメージがあるかもしれませんが、過剰に飲みすぎると副作用が現れることもありますので、用法用量を守って服用するようにしましょう。

「足がつる」症状を防ぐ食べ物や正しい予防法・対策は?

足がつる症状を繰り返しているとき、脱水やミネラルバランスの乱れが起きていることがあります。
夏場は汗などからの水分の喪失により脱水になりやすいので、こまめに水分摂取することが重要です。目安として、1日1Lほどの水を摂取するのが良いでしょう。高齢者の場合は喉の乾きを感じにくいため、知らずしらずのうちに脱水になっていることもあり、特に注意が必要です。
ミネラルバランスのバランスの乱れで足がつることも多く、バランスの取れた食事の摂取でミネラルや塩分などを十分に摂取することも非常に重要です。
コーヒーなどカフェインの入った飲み物や、アルコールを含んだ飲み物は脱水を引き起こし、症状を引き起こす可能性があります。過剰な摂取には注意が必要です。
夏と比較して冬は汗をかきにくく、水分摂取も少なくなりがちな季節です。しかし、冬でも暖房の効いた部屋では知らずしらずのうちに汗をかいています。気づいたら脱水になっていることもあり、冬でも意識的に水分摂取を行うことをおすすめします。

「足がつる」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「足がつる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

夜中によく足がつるのですが、病院で治療できますか?

柏木 悠吾 医師柏木 悠吾 医師

よく足がつる場合には何か特定の原因があることも考えられます。病院を受診して相談するのも良いでしょう。

こむら返りで足がつったときはどう対処すべきですか?

柏木 悠吾 医師柏木 悠吾 医師

まずはつっている筋肉を伸ばしてあげることです落ち着いたら、ミネラルを含んだ水分の摂取をして、やすみましょう。

慢性的に足がつる場合、何かの病気の前兆でしょうか?

柏木 悠吾 医師柏木 悠吾 医師

慢性的な足のつりがある場合には神経や筋肉に異常をきたしている可能性があります。一度整形外科などで相談してみるのも良いかもしれません。

足が攣るのと熱中症は関係がありますか?

柏木 悠吾 医師柏木 悠吾 医師

熱中症と足がつる症状は同時に起きることがあります。水分摂取や休息など適切な対処が必要です。

コーヒーの飲みすぎが足がつる原因になるのは本当ですか?

柏木 悠吾 医師柏木 悠吾 医師

コーヒーに含まれるカフェインには利尿作用があり、これにより脱水に至れば足がつる原因にもなる可能性があります。コーヒーを1日に何杯も飲んだり、就寝前にコーヒーを飲むことはあまりおすすめしません。

まとめ

足がつる原因には脱水で起きるものや神経系の異常で起きるものなどさまざまです。
つった時の基本的な対処法を知っておくことは非常に重要です。
また、何度も同じ症状を繰り返すような場合は病院で相談するのも一つの解決策になりますので、整形外科や内科に相談してみるのも良いでしょう。

「足がつる」で考えられる病気と特徴

「足がつる」から医師が考えられる病気11個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

整形外科の病気

膠原病内科の病気

同様の症状を繰り返す場合には、整形外科や内科へ相談することをお勧めします。

「足がつる」と関連のある症状

「足がつる」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「足がつる」の他に、これらの症状が見られる際は、「こむら返り」「電解質異常」「糖尿病」「熱中症」「脱水症」などの疾患の可能性が考えられます。体の動きが悪い場合や繰り返しつってしまう場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。