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「ストレス」を感じた時どのような症状が現れますか?医師がチェック法・原因も解説!

ストレス

ストレスを抱えると、身体はどんなサインを発するでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

楯 直晃 医師

監修医師
楯 直晃 医師(リアラクリニック)

プロフィールをもっと見る
2013年 熊本大学病院 初期臨床研修医
2015年 熊本大学病院 総合診療専門修練医
2018年 国立熊本医療センター 救急集中治療部医員
2020年 リアラクリニック名古屋院院長
2021年 メディカル・テート株式会社 CEO

救急科専門医、抗加齢医学専門医、プライマリケア認定医、内科認定医、産業医、健康スポーツ医、医療経営士、禁煙サポーター、日本産婦人科学会会員、厚労省緊急避妊研修修了、厚労省緩和ケア研修修了

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「ストレス」と病気の関連性・対処法

ストレス社会と呼ばれる現代において、ストレスは誰しもが抱えうるものの一つになっています。ストレスによって、不安やパニック、胃痛や腹痛など身体からのSOSが出ている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、ストレスの原因やそれにより起こる症状・対処法について考えていきましょう。

ストレスの主な原因と関連する病気・対処法

厚生労働省では、ストレスとは「外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態」としています。ストレスを引き起こすものには、環境的要因、身体的要因、心理的要因、社会的要因があると言われ、日常生活の中で起こる様々なことがストレスの要因になります。人間は外部から刺激を与えられると、驚きや恐れ、緊張、興奮、怒りなどのこころが大きく変化し、それがストレスになるのです。こころの変化により、緊張するとドキドキする、怒ると顔が真っ赤になる等のように身体にも反応が伴います。その刺激が過剰になることで、こころの病や身体に不調があらわれるといったことが起こります。

吐き気とストレスの関連性・対処法

ストレスと自律神経は深く関わっています。自律神経は、内臓の働きをコントロールする役割があるため、ストレスなどにより自律神経のバランスが崩れた時、精神的・身体的に様々な不調があらわれます。吐き気もその一つです。自律神経の乱れにより、胃の働きが低下したり、過剰な胃酸分泌により、吐き気や胸やけなどの症状がみられることがあります。生活リズムを整え、ストレスとなる要因を除去することで改善することも多いため、生活の見直しをしてみましょう。

頭痛とストレスの関連性・対処法

頭痛には一次性頭痛と二次性頭痛がありますが、ストレスなどによる、頭痛の原因となる病気がない頭痛は一次性頭痛にあたります。ストレスがかかることで筋肉が過度に緊張したり、脳内の痛みをうまくコントロールできないために頭痛が起こるといわれています。すぐにできる処置としては、筋肉の緊張をほぐすために、入浴やストレッチなどがおすすめです。簡単な処置で痛みが改善しない場合は、内科を受診し、鎮痛薬を処方してもらいましょう。

胃痛とストレスの関連性・対処法

ストレスにより自律神経が乱れると、胃や十二指腸の働きが悪くなり、胃酸が過剰に分泌されます。それにより胃の粘膜が刺激され、胃痛の症状が起こります。胃痛をきたす病気には、急性胃炎、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍などがあります。胃薬などの内服で症状が和らぐこともありますが、改善しない場合は、胃カメラでの検査が必要です。胃痛が続くときは、早めに消化器内科を受診しましょう。

腹痛とストレスの関連性・対処法

腹痛は、ストレスによる自律神経の乱れにより起こる症状の一つです。消化管の動きは、自律神経によって大きく支配されているため、痛みに波のある腹痛や、それに伴い下痢や便秘を繰り返すことがあります。腹痛は、このような消化管の動きが原因となるほかに、胃炎など消化管の炎症が原因となる場合もあります。原因に応じて治療法が大きく異なるため、正確な診断が必要です。腹痛が起こるタイミング、痛みが起こる場所、痛みに波があるか等、腹痛の特徴を把握することは重要になります。腹痛が続く場合は、内科や消化器内科を受診しましょう。

皮膚炎・湿疹とストレスの関連性・対処法

湿疹は、皮膚の表層の炎症によって生じ、皮膚炎と言えます。乾燥や免疫力の低下などが原因で、皮膚のバリア機能が弱っている場合に起こりやすいです。かゆみがひどくて掻いてしまうと、さらに悪化して治りが悪くなります。ストレスそのものが、免疫力の低下の原因となり湿疹を起こしやすくなります。また、「掻いてはいけない」という思いからストレスが溜まったり、ストレスにより掻く回数が増えると悪循環になります。治療としては、皮膚表面の炎症を抑えるために、ステロイド剤の外用がよく使われます。また、ストレスを溜めずに治療していく工夫が必要になります。

動悸・息苦しさとストレスの関連性・対処法

人間の身体はストレスを感じると、交感神経が優位になることで脈が速くなったり、血圧が上がったりします。この状態が長く続くと、血圧異常や動悸、息切れなどの症状があらわれます。ストレスによる動悸であれば、ストレスをなくしゆっくり休むことで改善されますが、生命に関わる動悸である場合も考えられます。いつもと違う動悸や何か違和感を感じたら、早めに内科あるいは循環器内科を受診するようにしてください。

不眠・睡眠障害とストレスの関連性・対処法

通常、睡眠時には自律神経の中で身体をリラックスさせる作用のある副交感神経が優位になります。しかし、ストレスがある場合、人が緊張する時に優位になる交感神経が活発になります。そのため、眠れない、寝付けない、途中で何度も目が覚めるといったことが起こります。生活習慣を改善しても睡眠障害が何ヶ月も続いている、日常生活に支障をきたしている場合は、心療内科への相談も検討しましょう。

すぐに病院へ行くべき「ストレス」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

胃の痛みが強く黒い便が出る場合は、消化器科へ

胃の痛みが強く黒い便が出るような場合は、胃・十二指腸潰瘍からの出血の場合があります。重症化すると、臓器に穴があき、腹膜炎を起こし手術が必要となる場合もあるため、早めに消化器科を受診しましょう。

「ストレス」による特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「ストレス」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

胃腸炎

胃腸炎とは、何らかの原因で胃腸に炎症が起こり、腹痛や下痢などを起こす病気です。胃腸炎の原因となるものには、ウィルスや細菌の感染によって発症する感染性のものと、ストレスやアレルギーなどによって発症する非感染性のものがあります。胃腸炎の多くは嘔吐や下痢などの症状がみられます。水分を積極的にとり、脱水を予防することが大事ですが、吐き気が強く全く水分摂取ができないときは、点滴治療が必要となることもあります。まずは、内科を受診しましょう。

蕁麻疹(じんましん)

蕁麻疹とは、皮膚の一部が赤く盛り上がり、しばらくすると跡を残さず消えてしまう皮膚疾患です。原因はアレルギーや疲労、ストレスだけでなく、発汗や温熱、日光、寒暖差などの刺激により発症することもあります。ストレスによる蕁麻疹は、環境の変化などストレスを感じると出やすくなり、ストレスがなくなると症状も自然と出なくなることもあります。蕁麻疹は、非常に強い痒みを伴います。抗ヒスタミン薬という内服薬で症状が和らぐことが多いため、痒みが強い場合は、内科や皮膚科を受診しましょう。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は、精神的・身体的ストレスにより腸の蠕動運動に異常をきたし、便通異常があらわれる病気です。繰り返し起こる突然の腹痛、下痢や便秘により、日常生活に支障がでることも少なくありません。下痢型・便秘型・ガス型などのタイプがあり、便秘や下痢以外にも、お腹の張りやガスが溜まるなどの症状もみられます。治療法は、第一はストレスの緩和ですが、症状が強い場合は、腸の運動を調整する薬の内服も効果を示すことがあります。内科や消化器内科を受診しましょう。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)

PTSDは、強い恐怖感やショックを伴った記憶が整理されず、その記憶が自分の意志とは無関係に思い出されて、当時に戻ったように感じ続ける病気です。何もないのに感情が突然不安定になり、涙ぐんだり取り乱したりすることがあります。記憶が戻っていない時でも、常に神経が張りつめて、緊張やイライラ、極端に警戒心が強いなど過敏な状態が続くようになります。PTSDが日常生活に大きな影響を与える場合は、心療内科での治療が必要です。

統合失調症

統合失調症とは、考えや気持ちがまとまりづらくなり、妄想や幻覚などの症状が起こる病気です。原因は明確には分かっていませんが、遺伝に加え仕事や人間関係などによるストレスなど様々な要因がきっかけとなり発症するのではないかと考えられています。統合失調症は、心療内科や精神科で、薬物療法と心理社会療法を用いて治療を行います。

医師が薦める「ストレス」の正しい解消法は?

ストレスを感じているとご自身で認識があれば、早めにメンタルケアをすることができます。趣味や好きなことに没頭するのもいいですし、運動やサウナで汗をかいたり、好きなものを食べたり、思いっきり泣いてみたり、たくさん寝るのも発散方法のひとつです。自然の中で森や空をぼーっと眺めるのもいいでしょう。ご自身がリラックスできたり、気持ちが晴れやかになるものを探してみましょう。

医師が薦める「ストレス」チェック法とは?

眠りが浅い、寝付けないといった睡眠障害が出ている場合は、注意が必要です。気分が落ち込む、悪いことばかり考えてしまうといった心理的な変化やストレスによる動悸や腹痛などの症状がある場合は、早めに心療内科、精神科を受診することを検討してください。また厚生労働省や日本成人病予防協会のホームページにて、現在のストレス状態をセルフチェックできます。そちらも参考にしてみてください。

「ストレス」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「ストレス」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

自覚はなくてもストレスを抱えることはあるのでしょうか?

楯 直晃 医師楯 直晃 医師

自分でも気づかない間にストレスを抱えることはあります。眠れなくなった、好きだったことが楽しめなくなった等、こころの変化に気づくことが大切です。

精神的ストレスが蓄積するとどんな病気を引き起こしますか?

楯 直晃 医師楯 直晃 医師

ストレスが蓄積すると、精神的、身体的にも様々な不調があらわれます。うつ病や適応障害、ストレス性皮膚炎や胃炎など多くあります。

仕事のストレスで動悸がするのは何科の病院で相談できますか?

楯 直晃 医師楯 直晃 医師

ストレスによる動悸の場合は、心療内科や精神科で一度医師に相談してみてください。

ストレス解消の方法は運動や睡眠・休息以外にもありますか?

楯 直晃 医師楯 直晃 医師

趣味や好きなこと、大切な人と時間を過ごしたり、お気に入りの場所や空間に身を置くなど、ストレス解消法は十人十色です。

ストレスにはいくつか種類があると聞きましたが本当ですか?

楯 直晃 医師楯 直晃 医師

ストレスには良いストレスと悪いストレスがあります。ストレスというと悪い方をイメージされる方が多いでしょうが、妊娠や結婚などの喜ばしい変化においても、人はストレスを感じます。

まとめ

ストレス社会を生きる現代において、ストレスとうまく付き合う方法をみつけることはとても大切です。自分なりのストレス解消法を探してみましょう。

「ストレス」で考えられる病気と特徴

「ストレス」から医師が考えられる病気は14個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

神経科の病気

精神科の病気

皮膚科の病気

ストレスが溜まると、精神的にも身体的にもいろいろな不調があらわれます。自分では気が付かずに、周りの人から指摘されることもあります。

「ストレス」と関連のある症状

「ストレス」と関連している、似ている症状は19個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「ストレス」の他に、これらの症状が見られる際は、「胃十二指腸潰瘍」「急性胃炎」「機能性ディスペプシア」「過敏性腸症候群」「緊張型頭痛」などの疾患の可能性が考えられます。セルフケアを行っても改善する見込みがない場合は、早めに医療機関へ受診しましょう。

この記事の監修医師