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「おなら」がよく出る・臭い原因・考えられる病気はご存知ですか?

おならが止まらない

人間が1日にするおならの回数をご存じですか?その数は平均で10回〜20回程度といわれています。

もちろん、目安の回数ですので個人差はありますが「いつもより多くおならが出ている」「いつもよりも臭いがきつい」といった場合には不安を感じてしまうことでしょう。

そもそもおならは、不要な空気やガスを排出するために必要不可欠なものです。そのために異常が生じる場合には、裏に何か病気が隠れているかもしれません。

本記事では、おならがよく出る原因や臭いの原因・関係の深い病気などをまとめています。お悩みの方はぜひ参考にしてください。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

おならがよく出る原因

お尻を抑える男性
おならは、不要な空気やガスを体外に排出するために欠かせない身体の仕組みです。よく出てしまう原因は何が考えられるのでしょうか。

便秘

まず考えられるのが、便秘です。便秘とは、本来体外に排出できるはずの糞便が十分に排出できない状態のことを指します。
便秘になると、体外に排出されるはずの消化物が腸内にとどまってしまいます。すると、蓄積され続ける消化物はガスを発生するようになるのです。腸内環境が悪くなり、さらに悪玉菌も増加します。
「便が出る気配はないのに臭いのあるおならばかり出る」という場合には、便秘が原因で頻繁に出ているかもしれません。

食事中の空気

私たちは、普段の食事で空気も一緒に飲み込んでしまっています。それがおならとして体外に排出されているのがメカニズムです。
しかし、いつもよりもよく出るのであれば空気を多く飲み込んでいる可能性が指摘できます。仕事が忙しいといった理由から早食いをしていませんか?早食いをすると一緒に空気を多く取り込んでしまうため、回数も増えるでしょう。
早食いは消化器官にも影響を与えるので、なるべく控えるようにしてください。

ストレス

実は腸の働きは自律神経と深い関わりがあり、自律神経の乱れが腸内環境の悪化を引き起こすことがあります。
自律神経はストレスや生活習慣によって乱れるため、ストレスがおならの引き金になっているかもしれません。緊張によって唾を飲み込む際に、空気も一緒に多く取り込むことでたくさん出るようになっている可能性もあります。
さらには、ストレスで食欲が異常になり、栄養バランスの悪い食事をたくさん取ってしまうこともあるでしょう。こうしたストレスによるいくつものきっかけが、気になる屁放を引き起こしている可能性があります。

おならが臭い原因は?

臭くて困っている
おならは、正常であればほとんど臭いがしません。なぜなら99%は窒素・酸素・二酸化炭素・メタンといったガスでできており、これらは全て無臭だからです。残りの1%にアンモニア・硫化水素・スカトールといった刺激臭のあるガスが入っています。そのため、健康的な身体から発せられた屁放なのであれば、嫌な臭いがすることはあまりないのです。
しかし、腸内環境のバランスが崩れてしまうと、途端に臭いのするおならが出てしまうようになります。例えば、前日に肉・ネギ・にんにくなどをたくさん摂取してしまうと、腸で分解する際に強烈な悪臭を発するインドール・スカトールといったガスが多く排出されます。インドール・スカトールはいわゆる便の臭いです。
主に動物性の食品は、腸内の悪玉菌を増やしてしまうといわれています。特に脂肪分の多い食べ物は消化に時間がかかり、ガスもその分多く発生してしまうのです。身体に良くない食生活をしていると、気になるような臭いの原因となるでしょう。

おならが止まらないのは病気のせい?

スーツを着た男性
おならがよく出る裏に、何か病気が隠れている可能性は否定できません。過敏性腸症候群・大腸がん・呑気症・クローン病・糖尿病・乳糖不耐症など、関係の深い病気を挙げると意外にもたくさんあります。
病気の詳細については次項にてご説明しますので、そちらをご確認ください。屁放以外に以下のような症状がある場合には、病気が原因かもしれません。

  • 腹痛を伴う
  • 便の状態が悪い
  • 常に膨満感がある
  • 血便

上記に当てはまる方は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

おならを伴う病気

病院に来た女性
おならがよく出るという裏には、病気が隠れている可能性があります。前述にて当てはまる症状があった方は、これからご紹介する病気の詳細を見て、当てはまることがないか確認してみてください。

慢性胃炎

慢性胃炎とは、腹痛・便秘・下痢といった症状が長期間続いているのにもかかわらず、めぼしい疾患が見当たらない場合に診断される病気です。生活習慣・食生活・ストレス・ピロリ菌などが原因で発症すると考えられています。日常的におならが多い場合には、慢性胃炎かもしれません。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは、便通異常が慢性的に持続する病気です。主にストレスが関与しているといわれています。腹痛は排便することで良くなりますが、何度も症状を繰り返しやすいことが特徴です。眠っているときや休日には症状がないことが多いため、ストレスが主な原因として考えられています。

呑気症

呑気症とは、空気を多量に飲み込んでしまうことで体内にガスがたまることで様々な症状が引き起こされる病気です。
腹痛・腹部膨満感による食欲減退といった腹部症状が見られます。原因がまだわかっておらず、治療法も確立されていません。よく原因として挙げられるのは、ストレスです。不安を感じるときに症状が現れやすい傾向にあります。

乳糖不耐症

乳糖不耐症とは、乳糖を含む食品(牛乳・乳製品等)によって下痢・腹痛が生じる病気のことです。その原因は様々ですが、主に乳糖を分解する酵素が欠乏していることが定説となっています。
特に日本人はこの酵素が不足していることが多く、発症者が多くいることで知られています。乳製品を摂取した際にお腹を下してしまったり、おならが多くなったりする場合には、乳糖不耐症を疑って良いでしょう。

おならを予防する方法

ステーキ
おならがよく出たり、臭ったりする原因は、生活習慣やストレスであることが多くあります。おならを予防するためには、この2点を振り返り、改善していくことが近道です。

肉類を控える

動物性食品である肉類は、腸にとって負担の大きい食材に分類されます。あまりに多く食べ過ぎてしまうと消化に時間がかかり、ガスをより多く発生させてしまうでしょう。
特に脂肪が多いような肉類は控えることをおすすめします。肉や卵などの動物性食品ばかりではなく、野菜や海藻類などの植物性食品も取ってバランスの良い食事を心がけましょう。

便秘を解消する

腸に排出されるはずの消化物がたまった状態が続く便秘も、解消できればおならの予防につながります。便秘の解消で最も大切なのは、規則正しい生活を送って生活リズムを整えることです。
適度な運動を心がけ、食事は1日3食を規則正しく摂りましょう。こまめな水分補給も忘れないようにしてください。食物繊維が多い食品を摂ることで排便を促す方法もありますが、この場合には予防できないこともあるので、様子を見ながら選択するようにしましょう。

おならの症状で病院を受診するタイミング

腹部に疾患
おならは、生活習慣やストレスによって回数が増えてしまうことが多いです。そのため、まずは生活習慣を見直すことから始めてみてください。
それでも止まらなかったり、臭いがひどかったりする場合には、病院を受診した方が良いかもしれません。ただ前述のように、

  • 腹痛を伴う
  • 便の状態が悪い
  • 常に膨満感がある

上記のような症状がある場合には、裏に病気が隠れている可能性が高くなっています。この場合には、できるだけ早く病院を受診した方が良いでしょう。

すぐに病院に行った方が良い「おなら」症状は?

おならの症状だけでは、緊急性のある病気は少ないです。
腹痛や便秘、お腹の張りなどがあって、おならが多い期間が長い場合には、早めに病院受診をした方が良いでしょう。

行くならどの診療科が良い?

主な受診科目 は内科や消化器科です。

問診、診察、画像検査(レントゲン、CTなど)、腹部超音波検査、便潜血反応検査、内視鏡検査などを実施する可能性があります。

病院を受診する際の注意点は?

持病があって内服している薬がある際には、医師へ申告しましょう。

治療をする場合の費用や注意事項は?

保険医療機関の診療であれば、保険診療の範囲内での負担となります。

まとめ

下腹部とハート
今回は、おならがよく出る原因や関係深い病気について解説しました。

主に、腹痛・下痢・便秘・膨満感がある場合には、病気を伴っている可能性があります。おならは日常的にするもののため、なかなか病気に気づくことは難しいです。

ただ屁放以外に何か症状がある場合には、軽視せずに病院を受診することをおすすめします。

おなら症状の病気

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