歯周病治療は、なぜ頻繁に検査するの?(再評価検査について)

こんにちは、ナカニシデンタルクリニックの中西伸介(日本歯周病学会専門医)と申します。
歯周病の治療をする際にはレントゲン写真の撮影や歯ぐきの検査などいくつもの検査を行いますよね。また治療前はともかく治療中、そして治療終了時と何回も検査を行うことがあると思います。なぜ治療時に何回も検査を行うのか気になりますよね。
歯周病の治療には検査(再評価検査)が非常に重要になってきます。
今回は再評価検査についてお話しする前にまず、歯周病治療の進め方を紹介します。

 歯周治療の流れ

初診(問診など)

歯周病検査

歯周病診断

治療計画の立案

歯周基本治療(プラークコントロール、歯垢や歯石の除去、習癖の修正、抜歯、噛み合わせの調整、虫歯治療、根の治療、揺れている歯の固定、歯周治療用装置など)

再評価検査

歯周外科治療(歯周病の手術、再生療法など)

再評価検査

口腔機能回復治療(被せ物や入れ歯、インプラントなど)

再評価検査

メンテナンス(定期検診)
上記の流れで歯周治療は行われていきます。
この治療と治療の合間にやたら頻繁に出てくる、再評価ってなんでしょう。
今回はそのお話です。
 
 

 再評価検査で行うこと

・歯周ポケットの深さのチェック
・歯の揺れの大きさのチェック
・歯ぐきからの出血の有無
プラークコントロール(日常での歯ブラシ)の状態
・被せ物の状態の変化のチェック
・仮歯の修正(必要に応じて)
・レントゲン(必要に応じて)
・口腔内写真(必要に応じて)
 

 再評価検査のタイミング

通常3回ほど行います。まず歯周病の基本的な治療が終わった後、次に手術後、その次は被せ物や入れ歯、インプラント等が装着された後に行うのが一般的です。もちろん歯周病の重症度によってこの回数は変わってきます。
手術や咬み合わせを直す必要が無い(軽度の歯周病)場合は検査の回数は少なくなります。つまり歯周基本治療後の再評価検査で問題ない、歯周病が治った場合にはそのままメンテナンス(定期検診)へ移ります。
 

 再評価検査によって判断すること(例)

各治療ステップごとに確認していきます。

基本治療後の再評価

・歯周基本治療のみで歯周病が改善されこの状態でメインテナンスへ移行できそうか、それともまだ深い歯周ポケットがあるので手術の必要性があるかどうか

  • プラークコントロールが改善しているか
  • 噛み合わせの状態に問題がないか

歯周外科治療後の再評価

・歯周外科により歯周病が改善されたか
・手術後でも歯の揺れがあるなど他の歯との連結や固定が必要か
・計画している咬合回復装置の設計や仮歯の修正や見直し(義歯・インプラント・ブリッジなど)を装着した際に、患者さん本人が違和感なく、歯や周囲の組織の負担が過度にならず長期的に使えそうか

口腔機能回復治療後の再評価

被せ物やインプラント入れ歯などがきちんと機能しているか、清掃性が保たれているか
・メインテナンス(定期検診)へ移行するにあたって炎症の除去は確実に行われているか・

メインテナンス時(定期検診時)の再評価

・歯周病の再発・悪化は起きていないか
・患者さんのプラークコントロールは良好にできていてそのモチベーションが維持できそうかどうか
 
 

 なぜ再評価検査が重要か

 
歯周病治療の基本的の流れはみなさん同じですが、患者さんによって必要な治療の内容はもちろん異なります。歯周病の原因においても例えばプラークコントロール不良であったり、歯列不正であったり、咬み合わせなど、人によって異なります。また重症度や歯周病の広がり方も患者さんによって異なります。
 
歯石の付き方、量や、骨の厚みや歯の長さなど様々なファクターがあるので同じような病態に対して同じ条件で治療を行っても、患者さんが違えば治り具合も異なるのです。それだけ生体には個人差があります。
初診時には(抜歯に限りなく近い状態だけれど)ギリギリ治療して残すことができそうだと思った場合でもあまり治療後の反応が良くない場合は再評価でやむなく抜歯になってしまうこともあります。
 
逆に言えばこの歯は厳しいかなと思っても、治療を行った結果反応が良く、想定していたよりも骨の再生が多く認められるということもあります。このように再評価なくしては次のステップに進めません。
 
例えば歯周ポケットは原因が除去できると比較的短期間で数値が改善してきます。
しかしレントゲンで骨の再生をみる場合などは周囲の骨と同じレベルまで回復したのをしっかり診断できるのは数カ月から年単位の定期的な検査が必要な場合もあります。
 

 まとめ

いかがでしたでしょうか?
歯周病治療では治療中に何度も検査を行い評価をすることで治療計画の確認や変更を患者さんごと、もっと細かく言うと治療のステージごとに行っています。
 
歯周病の患者さんの気になる点はどうすれば揺れている歯を残せるかであったり、噛み合わせや口臭などが気になる点だったりします。また治療期間もみなさんが気にされるところです。
 
歯周病治療の流れを見ていただくと歯周基本治療後の再評価検査によって歯周外科治療の必要性を診断し、またその後の再評価検査によって咬合回復治療の範囲や必要性を診断、その後にメンテナンス(定期検診)へと移っていきます。
つまり歯周病が軽度の方は基本治療のみで定期検診へ、歯周病が重度の方は歯周外科治療や咬合回復治療が必要といったように治療の範囲や期間が増していきます。
 
歯周病の再評価検査では、治療直後の歯周ポケットの数値だけを見るのではなく、治療中の歯の揺れや周囲の骨の状態、患者さんのブラッシング状態やモチベーションの維持、また被せ物の機能性や清掃性、咬み合わせの状態のチェックなど、そして歯周病の再発はないかなど幅広く調べていくことが大事になってきます。
 
治療中検査が多くて大変ですがしっかり検査してもらいましょう。また治療終了後であっても一度なると再発しやすいのが歯周病の怖いところです。もちろん日々のブラッシングが一番重要ですが、歯周病専門医など歯医者さんに定期的に受診しチェックしてもらうのも同じくらい重要だと思いますので是非行ってみてはいかがでしょうか。