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日本歯周病学会認定衛生士とは

 更新日:2023/03/27

明けましておめでとうございます!本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。日本歯周病学会専門医で有楽町デンタルオフィスの片山です。
今回は「日本歯周病学会認定衛生士」についてすこしお話しをさせて頂きます。

現在、厚生労働省の平成26年度の就業歯科衛生士は116,299名となっています。そのなかで、日本歯周病学会(http://www.perio.jp/)の認定歯科衛生士制度は平成17年に発足し、平成28年12月31日までに1,027名の認定歯科衛生士が誕生しております。まだ全体の歯科衛生士さんの1%以下ととても少ない人数で皆様の健康を守るため歯周病と戦っております。
日本歯周病学会の認定歯科衛生士となるには、 歯科大学(学部)付属病院の歯周病科,歯科保存科等または歯周病専門医がいる歯科診療所等に5年以上在籍し実務経験を積む必要があります。
 
そして最低2回以上の日本歯周病学会学術大会への参加が必須であり、その内1回は,日本歯周病学会歯科衛生士教育講演の参加も必要で日本歯周病学会学術大会などで発表したりもします。そのうえで、認定歯科衛生士試験が行われ、症例を発表し口頭試問があり合格した方が「日本歯周病学会認定歯科衛生士」となります。
 
これだけ聞くと大変合格への道のりは大変そうに思えますが皆様の健康を守り歯周病を撲滅するため日々努力をしております。
診療室での歯科衛生士の仕事としてはまず歯周病やむし歯を起こさないために「予防処置」をおこなっています。人が歯を失う原因の90%が「歯周病」と「むし歯」です。

この二つ病気が歯科では二大疾患であり、国民の多くが罹患しています。つまり、歯周病とむし歯を予防することができれば、自分の歯を長く保つことができるのです。むし歯を予防する処置として、フッ化物塗布などの薬物塗布、歯周病を予防するために歯垢(プラーク)や歯石など、口腔内の汚れを専門的に除去する歯面清掃など、予防的な医療技術があります。歯科衛生士は、このような歯科予防処置の専門家なのです。
このようなのお口の方は一見きれいなように見えます(左)が歯垢(プラーク)の染め出し液で染めて見てみると(右)ピンク色に染まったところが歯垢(プラーク)です。こんなに汚れが付いているのです!

また別のかたですがブリッジを外してみるとこんなに裏側に歯垢(プラーク)が溜まっています。

これらを放置していると歯石という固いものに変わっていきます。

さらにひどく進行すると歯の根の先の方まで歯石が付着し歯がグラグラしていきます!

そうなる前に歯科衛生士は予防処置として皆様にしっかりとした歯ブラシを指導し、お口の中のお掃除をします。
歯垢(プラーク)や歯石を取り除くものにハンドスケーラーや超音波スケーラーなどがあり、これらを用いてお掃除を行います。どうしても歯周ポケットなどが深く取りきれない歯石などは歯科医師にバトンタッチをして歯周外科処置という歯ぐきの手術を行います。
そのようななかで歯科診療は、歯科医師、歯科衛生士を中心としたチーム医療として行われています。歯科衛生士は歯科医師の診療をサポートするとともに、歯科医師の指示を受けて歯科治療の一部を担当するなど、歯科医師と共同で患者さんの診療にあたります。歯科診療補助の範囲は多岐にわたり、歯科診療を円滑に行うために大切な役割を果たしています。また、歯科医師と患者さんとの橋渡し的なコミュニケ-ションに配慮し、信頼関係にもとづく心優しい歯科医療を行うためにも、歯科衛生士の役割が重要です。
歯周病やむし歯は生活習慣病です。そのため、治療よりも予防、さらに、本人自らが生活習慣を改善することが大切であり、正しい生活習慣やセルフケアを実行するために専門的な指導が必要など是非、歯ブラシ指導だけでも歯医者に行ってみてください。
今回、「日本歯周病学会認定衛生士」についてお話しさせていただきましたが、歯科衛生士は歯・口腔の健康を守り「自分の歯で生涯おいしく食べる」お手伝いをしています。皆様の歯・口腔の健康づくりをサポートする国家資格の専門職で高い知識・技術を必要とします。
皆様、是非素晴らしい歯科衛生士さんといい病院とめぐり合い健康な歯を長持ちさせてください!

この記事の監修歯科医師