口臭をなくそう! 歯科医が教える口臭対策まとめ

公開日:2020/09/05  更新日:2020/09/04

こんにちは、東急田園都市線たまプラーザの日本歯周病学会認定歯周病専門医が在籍する歯医者「美しの森デンタルクリニック」院長の村野嘉則と申します。
早速ですが、みなさまはどんな理由で歯科医院を受診されていますか?もちろん、「歯の痛み」や「汚れが気になる」などの理由が多いと思いますが、「口臭が気になる」という理由で受診される方も多くいらっしゃいます。
2019年に歯周病専門医・指導医の若林健史先生と口臭測定機器メーカーなどで口臭に関して調査した「口臭白書2019」によると、意外なことに男性よりも女性の方が口臭リスクは高かったという報告がありました。これは、女性はホルモンバランスの変化により口臭の原因となる「歯周病」になりやすくなることが考えられます。
このように身近な悩みとして「口臭」は皆さんも気になると思います。口臭の原因のほとんどがお口に関係したものであることから、今回は口臭の原因や対策法などをお話ししたいと思います。

村野 嘉則

執筆歯科医師
村野 嘉則(美しの森デンタルクリニック 院長)

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《保有資格》
日本臨床歯周病学会認定医。日本歯周病学会認定歯周病専門医。厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導歯科医等。
《自己紹介》
美しの森デンタルクリニック院長の村野です。歯を失う原因である歯周病の治療を専門としておりますが、歯周病は歯だけでなく、全身の健康にも被害を及ぼすのではと懸念されている疾患の一つです。各科の専門医と協力することで、「なるべく歯を残す治療」を心がけています。

 口臭とは

口臭は大きく分けて「体に原因のあるもの」と「お口に原因のあるもの」に分かれます。
体の原因としては消化器疾患肝臓疾患糖尿病などが挙げられ、お口の原因には歯周病虫歯口腔乾燥症などが挙げられます。これらは病気が元で引き起こされるため、「病的口臭」と言われます。
体やお口に問題がなくても起きる口臭もあります。多くが起床時空腹時緊張した時などに見られ、唾液の量が減少することでお口の中がネバネバしたり、乾燥することで臭いを発します。また、清掃不良によるプラークの付着や、舌苔と言われる舌の汚れが原因となり臭いを発することもあります。これら健康な方に生じる口臭を「生理的口臭」といいます。

 病的口臭の原因

ほとんどの口臭が「お口に原因のあるもの」と言われていますが、その多くが歯周病や虫歯が関連しています。歯周病は歯周病菌の感染により引き起こされる病気で細菌が出す毒素や悪い酵素により、歯の周りの組織に炎症が起きてしまう病気です。この歯周病菌は空気の少ない場所を好む嫌気性菌と言われる細菌で、歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)の中に多く棲んでいます。この細菌達が歯周ポケットの中で増殖して、口臭の原因となるいくつかの揮発性硫黄化合物を放出します。この揮発性硫黄化合物が不快な匂いを発するため、歯周病特有の口臭の原因となるのです。揮発性硫黄化合物にはタマネギが腐ったような匂いのする最も歯周病で代表的な「メチルメルカプタン」やお口の中の細菌が出す卵が腐ったような匂いの「硫化水素」、内臓疾患に関連した生ゴミのような匂いの「ジメルサルファイド」などがあります。
「体に原因のあるもの」には、消化器疾患による消化不良で食べ物が腐ったような匂いや、肝臓疾患では体内の毒素が分解されないために生じるアンモニア臭、糖尿病では甘酸っぱい匂いが特徴のケトン臭があります。

 生理的口臭の原因

健康な場合であっても、ある程度口臭は発生します。時間帯によって口臭は変化し、最も匂うのは起床時です。これは唾液の分泌量が就寝時に減少することによって、お口の中の細菌が増殖しやすいことが原因となります。プラークの付着や、歯周病菌による口臭に関連するメチルメルカプタンを放出する舌苔と言われる細菌の塊が原因となり臭いを発することもあります。

 口臭の検査

口臭が気になった場合、原因を見つけるための検査があります。揮発性硫黄化合物の有無を調べるガスクロマトグラフィーというもので、「メチルメルカプタン」「硫化水素」「ジメルサルファイド」三つを計測し、一つでも基準を超えれば口臭ありと診断されます。
その他のガスの識別には、医師が直接匂いを診査する官能試験というものもあります。

 口臭対策法(治療法)とまとめ

口臭には様々な原因があるため、ご自身のみで対処していても一向に改善せず、状況を悪化させてしまうかもしれません。まずは的確な診査診断が大切です。口臭の原因のほとんどはお口が原因(歯周病)になることが多いため、まずは歯科医院にご相談すると良いでしょう。お口の問題でない場合は内科などの受診をお勧めする場合もありますが、明確な原因が判明すればそれに合わせた治療を行うことで、多くの口臭が改善できます。
また、お口の中に問題のない方もご自身にあった「セルフケア指導」や「プロフェッショナルクリーニング」を定期的に歯科医院で受けることが大切です。磨き残しなどによって知らず知らずのうちに生じるお口の問題を解消することで、未然に口臭を予防することが可能となります。