【NEWS】女性の命を守って! ”子宮頸がんワクチン”の接種勧奨再開を望む医療団体、会見で声明

一般社団法人の予防医療普及協会(代表理事・提橋由幾)とG1(代表理事・堀義人)は2019年7月18日の記者会見で、国や各自治体などに対し、HPVワクチンの積極的な接種勧奨を再開するよう求めた。また、2019年参議院選選挙の立候補者約300人におこなった同ワクチン接種に関するアンケート結果の一部を公表した。

HPVワクチン接種には、子宮頸がんの原因となる「ヒトパピローマウイルス(HPV)」の感染を防ぐ目的がある。同ウイルスは「女性の約8割が生涯に1度は感染する」とされている。このため、かつて国は、HPVワクチンの積極的な接種を勧奨していた。しかし、呼吸困難やじんましんなど、副作用の疑いが否定できない症状が散見(発症率約0.005%)されたとして、2013年6月から勧奨を一時“差し控え”ていた。その結果、一時7割近くあった同ワクチン接種率は、現在1%を割る結果となっている。

 

こうした中、名古屋市が2015年に実施したHPVワクチンについての大規模疫学調査「名古屋スタディ」では、HPVワクチンと接種後に現れたさまざまな症状の因果関係解明のため、名古屋市在住の小学校6年生から高校3年生までの女子約3万人のデータを解析し『HPVワクチン接種者と非接種者では、諸症状の発生に有意差は認められなかった』という結論を出しているが、現在まで政府からHPVワクチンの接種勧奨は再開されていない。

 

国がHPVワクチンに対して否定的な見解を示しているのは、世界でも異例といえる。医学支援を目的とした財団「ウェルカム・トラスト(本拠地・イギリス)」の調査によると、日本人が持つワクチンへの信用度は、調査対象国144カ国中で最下位から2番目。情報の「ガラパゴス化」が、ここでも起きているようだ。

 

会見によると、選挙の立候補者約300人におこなったアンケートでも、有効回答93人のうち「再開すべきではない」が50人、「再開すべき」が20人、「どちらとも言えない」が23人だった。アンケートで得た回答について順次、同協会ホームページのコラム(https://yobolife.jp/column/)で公開していくという。

 

「科学的な課題よりも政治的な課題によって膠着状態になっている」と訴える同協会の稲葉可奈子顧問はかねてより、行政へ対策を求める オンライン署名(https://www.change.org/knowHPVvaccine) をおこなってきた。目標とする1万5000人の賛同は、間もなく達成される見込み(7月19日段階)で、集まった署名と以下の対策を、厚生労働大臣と各自治体首長へ求めていく方針だ。

『子宮頸がんは予防できる』という情報が届けられていない日本の女性を救いたい!-

 

(1)HPVワクチンの「有効性とリスクについての公平な正しい情報」と「対象者は無料接種できる」という案内をきちんと送ってください。

 

(2)予防接種の案内が届かなかったがために定期接種対象期間を過ぎてしまった人は5~6万円全額自己負担となります。そんな「はざまの世代」へも助成をしてください。

 

(3)厚生労働省、各自治体ホームページのHPVワクチンについての説明はとても否定的な印象を与える記載になっています。情報を求めている人に、有効性とリスクについて正しく情報が伝わるような公平な説明に改善してください。

 

(4)日本におけるHPVワクチンの有効性や副反応の発生状況などを正確に把握するために、子宮頸がん検診の問診票に「HPVワクチン接種歴」の項目を設けて、接種歴を把握できるシステムを作ってください。

 

(5)定期接種対象者自身が「HPVワクチン」と「HPV関連疾患」について理解できるよう、中学校の副読本にその内容を入れてください。

なお、HPVワクチンは現在、対象年齢の女性なら無料で接種できるようになっている。稲葉可奈子氏は、自身のSNSなどを通じても、HPVや子宮頸がんに関する知識の啓蒙などの活動を積極的におこなっている。

全国の高1女子とその保護者さんへ|note(ノート)
https://note.mu/kaaaaaaana/n/n7c97c227b3dd

医師のコメント

  • 稲葉 可奈子(産婦人科専門医)

ワクチンで予防できるはずのHPV関連疾患を日本人も予防できるよう、政治家の方々にもこの問題を真剣に捉えて頂き、科学的エビデンスに基づいて積極的勧奨の是非を検討して頂けるように、そして日本においてもいずれは男子へも接種が推奨され、より効果の高い9価HPVワクチンも認可され、世界水準でのHPV関連疾患の予防が実現可能となるように、今後も各方面に働きかけていきたいと考えています。

今年高校1年生の女の子は、定期接種として無料でHPVワクチンを接種できるのは3月までです。全3回を無料でうつためには10月にはうちはじめないと間に合いません。知らなかったがために無料接種の期間を逃してしまうということがないように、1人でも多くの高校1年生の女の子とその保護者様にこの情報が届きますよう、産婦人科医として切に願います。