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「腹部エコー検査」では何が分かる?費用や前日・当日の注意点など医師が解説!

 公開日:2023/10/19
「腹部エコー検査」では何が分かる?費用や前日・当日の注意点など医師が解説!

胸部X線検査とは?Medical DOC監修医が腹部エコー検査で発見できる病気や検査結果の見方と所見、肺がんや気胸・肺炎等を詳しく解説します。

武田 美貴

監修医師
武田 美貴(医師)

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平成6年札幌医科大学を卒業し、札幌医科大学放射線科に入局。画像診断専門医となり、読影業務に従事。その後、新たな進路を模索するため、老年医療や訪問医療、リハビリテーションなどを学ぶ。現在は、一周回って画像診断で母校に恩返しをする傍ら、医療事故の裁判では、患者に寄り添う代理人を、画像診断と医学知識の両面でサポートすることをライフワークとしている。

胸部X線検査とは?

胸部X線検査は一般的に胸部レントゲン検査と呼ばれ、この検査では心臓や肺、さらには胸の中心部にある大血管を含む「縦隔」と呼ばれる領域を画像化します。X線の透過性の違いによる陰影の差から、肺や心臓、縦隔に異常があるかチェックすることができます。さらに、胸部の皮膚や筋肉といった軟部組織も映し出されるため、そちらの異常も確認が可能です。また、検査画像には胸椎や肋骨、鎖骨なども含まれるので、これらの骨構造における異常も検出できます。

胸部X線検査とはどんな検査?

病院によっては、上半身の下着を取り、検査着に着替えることがあります。これは、衣類に金属や模様がある場合、胸部X線写真に異常として写りこむことがあるからです。
検査室では、胸部に背後からX線を照射して検査をします。パネルに胸を付け、腕全体でパネルを抱えるように立ちます。背後にX線照射装置をセットして、息を吸った状態で息を止めて撮像します。撮像が終わると「楽にしてください」と声をかけられますので、それまで息を我慢して止めてください。写真はデジタルで表示される病院が多いので、放射線技師さんが写真を確認して、画質に問題がなければ検査は終了です。

胸部X線検査で体の何がわかる?

X線検査では、肺炎や肺結核、肺がんなどの肺腫瘍、肺気腫、胸水、気胸などの肺病変がわかります。また、大動脈瘤や心肥大などの心臓の異常、肺門部リンパ節腫大や縦隔腫瘍など縦隔病変の有無やその程度も調べることができます。

胸部X線検査の費用は?

胸部X線検査の費用は、撮影料、診断料の合計に、電子画像管理加算と言って、胸部X線のデジタル画像を管理する費用が掛かります。一般的に3割負担で、700円弱となっています。

胸部X線検査前日や当日の注意点

検査前日は、夜9時までに食事を済ませます。水分は水、お茶などは摂取してかまいません。牛乳は、白く映ってしまうので、夜は控えるようにします。ほかの検査にも影響するので、アルコールは飲まないでください。また、1週間以内にバリウム検査を行った場合も、写真に腸が写って診断が難しくなる場合もありますので、病院と相談してください。
当日は朝食など食事は一切取らないで来院します。服装は、前ボタンがない上着を着用します。女性などは下着に金具がついていることがあるので、着替えが必要なこともあります。Tシャツなどを準備していくと便利ですが、その際も模様がついていないTシャツを選んでください。ピアスなどのアクセサリーは、胸部X線検査では外す必要はありませんが、飾りの大きなイヤリングは写真に写りこむこともありますので、避けるようにします。

胸部X線検査の結果の見方と再検査が必要な診断結果・所見

ここまでは腹部X線検査について基本的なことを紹介しました。
再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。
以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。

胸部X線検査結果の見方と主な所見(肺がん・気胸・肺炎等)

X線が通る部分は黒く写り、通りにくいところは白く写る特性があります。肺は空気が多いため、X線が通りやすい臓器ですので、異常がなければ黒く写ります。何らかの異常があれば、その部分はX線が通りにくくなるので、白い影として写ることになります。そのほか、心臓が大きくなっていないか、胸郭と横隔膜との境界が、胸水などにより鈍化していないかなどの異常を見ていきます。X線が通らず白くなっている部分がある場合、または心臓の大きさや縦隔の大きさが大きくなっているなどの所見がある場合は、再検査として詳しい検査を勧められます。
胸部X線検査でよく見られる所見を、一覧にして以下に示します。

初見
気胸 ブラという肺の袋が破れた状態です。胸部X線検査では、小さくなった肺と胸腔内の空気の溜まりとして見られます。
胸水 胸に水が溜まった状態です。心不全、腎不全や胸部の炎症性変化などで見られます。
横隔膜挙上 何らかの原因で、横隔膜が上に上がった状態です。肺の異常でみられることもありますが、特に右側では肝臓など内臓の異常で出現することもある所見です。
胸膜肥厚 肺を包んでいる胸膜が厚くなっている所見です。古い胸膜の炎症の結果を示していることが多いですが、胸膜中脾腫など胸膜が肥厚する悪性腫瘍である場合もあります。
結節影 肺野にうつった、比較的小さな類円形の陰影を言います。原発性肺がんや転移性肺がん、結核、良性腫瘤などが疑われます。
石灰化 結節が白くうつっている状態です。硬くなっている状態で、一般的に古い結核を示すことが多いですが、大腸がんの転移などでもみられる所見です。
浸潤影 肺野に炎症性変化がある場合、淡くもやもやした像としてうつる所見です。肺炎であることが多いですが、がん病変の周りに生じた炎症でも見られます。
食道裂孔ヘルニア 本来腹部にある胃の一部が、食道裂孔という穴を通って、胸部に入り込んでいる状態です。胸やけ、胸部圧迫感などが現れます。

胸部X線検査の再検査基準と内容

胸部X線検査のやり方は、背後からX線を照射して、息を止めた状態で撮影します。検診でも同じですが、胸部X線撮影を検診バスなどで行う場合は、間接撮影といって人とフィルムが離れた状態で撮影する方法であることが多いです。この撮影方法は、病気のスクリーニングには適していますが、精度がやや劣ります。要精密検査の結果が出た場合は、病院で行う直接撮影による胸部X線検査で詳しく検査していきます。
検査費用は、3割負担ですと1,000円以内であることが多いです。検査の結果、要精密検査となった場合は、2次検査として病院受診を勧められます。
再検査となった場合は、症状がなくてもできるだけ早く病院を受診します。何科に行けばよいかわからないときは、内科を受診して相談してください。精密検査の内容としては、直接撮影での胸部X線撮影を行うことが多いです。その結果、正常であればそのまま経過観察となります。病院での胸部X線撮影でも異常が見つかった場合は、精密検査として胸部CTを行うこともあります。精密検査で異常が見つかった場合は、その病気に合わせた治療を行うことになります。

「胸部X線検査」で発見できる病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「胸部X線検査」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

肺がん

肺がんがないか調べることが胸部X線検査を行う主な目的です。喫煙歴があることは危険因子になります。初期症状として、咳が止まらない、息がゼイゼイするなどの症状があることもありますが、検診で行った胸部X線検査で発見されることもあります。肺門部にできた肺がんの場合は、胸部X線検査で発見するのが難しいこともありますが、肺野にできた肺がんの場合は、ある程度の大きさであれば検診で発見されることが多いです。腫瘍としての大きさが確認できる前の段階で、肺野の一部が白くうつる所見で異常が指摘され、胸部CTで肺がんであることが確認される場合もあります。肺がんのサイズが小さい場合、外科手術で根治が期待できるケースもあるので、咳などの症状が続く場合や胸部X線検査で異常が指摘された場合は、なるべく早く医療機関を受診しましょう。

気胸

肺に穴が開いて、肺が縮んでいる状態です。片方の肺が完全に縮んでしまうと、呼吸が苦しくなるなどの症状がありますが、小さな穴が開いた状態ですと、自覚症状がない場合もあり、胸部X線検査で初めてわかることもあります。原因はブラという小さな肺ののう胞性変化がつぶれることで、肺に穴が開くことが多いです。このブラは、喫煙歴のある人にできることが多く、軽度の肺気腫状態です。胸部X線検査では、肺と胸郭の間に隙間が見える所見が見られます。気胸が疑われる場合は、それ以上肺が縮んだ状態が進行しないように、早めに病院を受診しましょう。

肺炎

肺に炎症が起きている状態です。熱などの自覚症状がある場合もありますが、自覚症状がなく治ったあとの瘢痕も、肺炎像として白く写ります。肺炎が疑われる場合は、すぐに病院を受診しましょう。血液検査などで炎症が活発であることが疑われる場合、抗生物質による治療が行われます。

「胸部X線検査」で引っかかる理由は?

肺野に白い影が見えるときや、肺門部(心臓の周り)の拡大が疑われるとき、胸部X線検査の結果が要精密検査となることがあります。その際には、なるべく早く内科などを受診しましょう。胸部X線検査を受けたとき、咳や熱などの自覚症状があった場合は、肺炎や肺がんの可能性も考えられます。
女性の場合、乳頭が肺腫瘍と間違われることがあります。乳頭の場合左右対称性ですので、引っかかることは少ないですが、左右で位置に違いがある場合や、何らかの理由で片方の乳首が写っていない場合は、引っかかることがあります。逆に、乳がんで乳房切除したあとなどには、乳頭が片側しか写らないので、写った乳頭が腫瘍と間違われることがあります。既往歴の記載は、できるだけ詳しく書くようにしましょう。

「胸部X線検査」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「胸部X線検査」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

胸部X線検査では何を調べていますか?

武田 美貴武田 美貴 医師

胸部X線検査は肺野内や縦隔(心臓や血管などがある胸の真ん中の部分)、胸部領域の軟部組織(皮下組織)に異常がないかをX線を使って調べる検査です。

胸部X線検査(レントゲン)はどういった時に受けるべきですか?

武田 美貴武田 美貴 医師

検診では必ず行う検査です。そのほか咳が止まらない、息が苦しいなど呼吸器の異常が疑われる場合、まず胸部X線検査で肺野に異常がないか調べます。

胸部X線検査を受けるときはどういった服装で行けばいいですか?

武田 美貴武田 美貴 医師

ボタンがない上着を着用します。Tシャツでも可能ですが、絵がプリントされていると、そのプリントがX線の通過を邪魔して異常所見となることがあるので、なるべくプリントが小さい、あるいは、プリントのないTシャツを着用します。Tシャツの色は関係ありません。

健康診断の胸部X線検査は費用がかかりますか?

武田 美貴武田 美貴 医師

健康診断で行う胸部X線検査は、検診代金に含まれているので、追加の費用は掛かりません。健康診断で要精密検査となった場合、受診した病院で行う胸部X線検査には保険が適応されますので、3割負担で1000円以下(初診料別)の費用負担があります。

まとめ 「胸部X線検査」で肺がんを早期発見!

胸部X線検査は、病院を受診して受ける検査のなかでは、頻度が高い検査です。肺野の異常だけでなく、心臓や食道、リンパ節が存在する縦隔の異常もわかることがあります。咳や発熱、息苦しさなどの呼吸器症状を自覚して病院を受診するときは、胸部X線検査をスムーズに受けられるような服装を選んで行きましょう。

「胸部X線検査」の異常で考えられる病気

「胸部X線検査」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

  • 心拡大などの心臓の異常
  • 胸水

血液疾患の病気

その他の病気

  • がんの肺転移

胸部には肺の他に、心臓や大きな血管、リンパ節などがある縦隔があります。これらの臓器に異常がある場合、胸部X線で異常所見として写ることがあります。要精密検査の結果が出たら、なるべく早く病院を受診しましょう。

この記事の監修医師