「在宅医療」を身近な存在にしておくことで、慌てず、安心して、うまく活用できる【大阪市生野区 医療法人幸人会田島クリニック】 2020/07/20

医療法人幸人会田島クリニック
医療法人幸人会田島クリニック

在宅医療、訪問診療、訪問看護、往診。その違いを明確に説明できる人は多くないだろう。一方で、自宅で介護を行うケースは増えている。知らないままでいいはずはない。また知らぬまま利用の機会を逃している人もいるかもしれない。大阪市内での訪問診療・訪問看護の実績が豊富な「医療法人幸人会田島クリニック」の理事長兼院長の射手矢先生に、詳しい話を伺った。

Doctor’s Profile
射手矢 侑大(いてや ゆきひろ)
医療法人幸人会田島クリニック 理事長兼院長

藤田保健衛生大学(現:藤田医科大学)卒業。社会医療法人阪南医療福祉センター阪南中央病院にて小児科・産婦人科のほか、さまざまな診療科で研修。日本赤十字社和歌山医療センターの救急外来・消化器内科で診療を行い、その後2つのクリニックに勤務するなかで在宅医療を含む総合診療の経験を積む。2016年に医療法人幸人会田島クリニック理事長兼院長就任。今後は志を共にできるドクターを招き、地域医療のさらなる拡充を目指す。

目次 -INDEX-

自分や家族が利用する可能性を見つめ直す

そもそも、在宅医療とはどんなものなのでしょうか?

自宅や施設にいながら受けられる医療のことです。訪問診療、訪問看護のほか、広い意味では訪問歯科診療、訪問リハビリテーション、訪問薬剤指導などもここに含まれます。田島クリニックでは、訪問診療と訪問看護を行っております。

自分や家族が利用する可能性を見つめ直す

在宅医療を受けられる条件などはありますか? また、子どもでも利用はできますか?

一人で通院することが難しい方であれば、家族が同居されていても利用可能です。多くは高齢であったり身体が不自由であったり、認知症、精神疾患をお持ちの方です。お子さんの場合も条件は同じです。精神疾患、脳性麻痺、脳出血、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経難病のケースが多いでしょうか。

在宅医療は、往診とは違うのでしょうか?

往診も在宅医療に含まれます。ただ、往診は患者側からの要請を受け、その都度医師が訪問・診療を行います。在宅医療のうち往診と対になるのは「訪問診療」ですが、こちらは1~2週間ごとに、決まった曜日の決まった時間帯に医師が訪問するのが特徴です。重要度の度合いによって在宅医療の内容に変化があるので1度相談頂けると助かります。

往診と比べたとき、訪問診療にはどのようなメリットがありますか?

定期的に医師が訪問することで、計画的な診療が可能になります。また当院の場合ですと、緊急の連絡先をお伝えし、24時間365日いつでも駆けつけることができます。電話口での救急搬送の判断、その場での応急処置の指示などもしております。

一人暮らしの方も心強いですね。訪問の際には、どんなことをお話ししますか?

診療の説明では、わかりやすい言葉を使うようにしています。また、ご家庭の状況など、困っていることをご相談いただいたり、こちらからお尋ねしたりといったことがあります。外来のときと同じように、世間話もしますよ。

お話ししているなかで、課題が見つかることもありますか?

あります。ただ、遠慮される患者さんも少なくありません。ですので「何か困っていることはありませんか?」とこちらから聞くことも大切にしています。医師は特に遠慮されやすい立場ですので、看護師やケアマネジャー、介護士、ご家族とのつながりも大切にし、患者さんの声を共有します。

非常にメリットの大きな仕組みであるにもかかわらず、在宅医療が注目され始めたのは最近のことであるような気がします。なぜでしょうか?

これまで回復期などに療養的に入院していた方が以前より短期間で退院するようになったこと、「病院のベッドよりも自宅で過ごして療養したい、最期を迎えたい」という方が増えていることなどが理由として考えられます。

では、実際に利用する方も増えているのでは?

はい。ただ、在宅医療そのものを知らなかったり、利用の方法がわからなかったり、費用が不安であったりといったことにより、利用の機会を逃している方は少なくありません。

自分や家族が利用する可能性を見つめ直す

無理をして外来受診を続けている方、先生に来てもらうのは申し訳ないという方もいらっしゃると聞きました。どんなことを伝えたいですか?

無理をして外来受診を続ける方は、通院中のけがや家族の負担が心配ですね。そういうときは、私から「こんな方法もありますよ」と訪問診療を紹介することもあります。医師が訪問することに遠慮なさる方には、とにかく「気を遣わないで」「気兼ねなく利用して」とお伝えしたいですね。

訪問診療開始に向けてやるべきこととは?

訪問診療開始に向けてやるべきこととは?

訪問診療を希望する場合、どのような手続きが必要ですか?

まずはケアマネジャーを探すのが一般的です。お住まいの地域の「介護保険課」または「地域包括支援センター」に行くと、居宅介護支援事業所のリストがもらえます。そのリストからケアマネジャーを探します。

ケアマネジャーがつくと、どうなるのですか?

介護サービスの提案、介護保険の申請代行、ケアプランの作成、介護に関わる各種手続き、行政・介護サービス提供者との連絡・調整を行ってくれます。ちなみに、ケアマネジャーに対する支払いが生じることはありません。すべて介護保険でまかなわれます。

訪問診療を実施している医療機関に直接連絡してもいいのでしょうか?

当院の場合、「わからないことは何でも聞いてください」というスタンスです。ケアマネジャーがついていない、介護保険申請ができていないといった段階であっても、一つひとつサポートしながら、当院からの訪問診療までご案内します。

距離の制限があると聞きました。

訪問できるのは、その医療機関から半径16km以内にご自宅や入居施設があるという場合に限られます。当院の訪問先で多いのは、生野区、東住吉区、天王寺区、東成区、平野区、浪速区などです。

施設に入居している場合、特定の医療機関からの訪問診療を希望できますか?

施設によっては提携している医療機関があるので、入居中の施設に確認していただくのが先になります。了承が得られたら、その後は当院や希望する医療機関に問い合わせるか、ケアマネジャーに相談するといいでしょう。

では、その後の訪問診療の流れを教えてください。

医師がご自宅・入居先を訪問し、現状を判断します。訪問診療の適応となれば契約書を作成し、同意を得て治療計画の立案を行います。訪問する曜日と時間を調整すれば、訪問診療の開始ということになります。

診療にかかる費用はどれくらいでしょうか? また、交通費は必要ですか?

当院の場合、月2回訪問、1割負担の方で6,000~7,000円ほどです。交通費を請求するケースもあるようですが、当院では不要です。訪問診療は私がかねてより実現したかったもので、高齢の方や身体の不自由な方に少しでも楽に、少しでも気軽に適切な医療を受けていただきたいという思いがあります。また月1回の訪問も可能になりますのでお気軽にご相談ください。

ここまで、24時間365日での緊急対応や、交通費のことなど、意外なお話が聞けました。ほかに患者さんが「知らなかった!」というようなことはありますか?

介護認定を受けるだけで費用がかかる、と誤解されている方がよくいらっしゃいます。サービスを受けなければ費用は発生しません。
あとは、65歳になると介護保険被保険者証が交付されますが、そのままでは介護保険サービスを受けられないので要注意です。お住まいの地域の介護保険担当窓口で申請を行う必要があります。

訪問診療開始に向けてやるべきこととは?

医療機関の選択のポイントはどこにある?

医療機関の選択のポイントはどこにある?

先生がサービスを受ける側であるとすれば、どのような医療機関による訪問診療を希望しますか?

第一に「医師、看護師とのコミュニケーションの取りやすさ」を重視します。わかりやすい言葉で説明してくれる、自分だけでなく家族とも話してくれることで、在宅での医療が機能しやすくなりますし、何より安心できると思います。

居心地のいい空間で医療が受けられることは在宅医療の大きなメリットですから、そこは外せませんよね。でも、どうやって判断すればいいでしょうか?

ケアマネジャーに相談してみるのもいいでしょう。また、その医療機関を一度外来で受診したり、電話で相談したりしたときの対応でも読み取れるのではないかと思います。実際当院では、外来受診されていた方がお歳を召して通院が辛くなり、訪問診療に移行するケースが多く見られます。

ほかにポイントはありますか?

第二に「フットワーク」です。簡単にいえば、すぐに駆けつけてくれるということです。
でも、なかなか利用する前に判断するのは難しいかもしれません。ただ距離が近いから、というだけでは判断しないほうが賢明だと思います。医院の体質にもよるでしょう。いつでも連絡がつくということも大切ですね。

確かに在宅医療を選択して、いざというときに対応が遅れては意味がなくなりますね。

その通りです。そして第三に「頼もしさ」です。経験に基づいた広域にわたる知識・技術を備え、もし高度な検査・治療が必要になったとき、その先生自身で、あるいはそうでなくても迅速に専門の医療機関や医師を紹介してくれること。地域医療のあり方そのものでもありますが、訪問診療においても同じことがいえると思います。

医療機関の選択のポイントはどこにある?

田島クリニックは、総合診療を掲げていらっしゃいますね。

疾患・症状ごとに違う医療機関に通院するのは、患者さんにとって負担になりますので、内科、整形外科、皮膚科、小児科、リハビリテーション科を備えています。そして、高齢の方の通院が難しくなったときのために、訪問診療を準備していました。

先生にとっては総合診療も訪問診療も、ごく自然に取り組むべき課題だったのですね。では最後に、読者へのメッセージをお願いします。

人生100年時代を迎え、在宅医療は多くの方にとって身近なものとなります。皆さまの幸せな健康が長く続きますよう、包括的に、親身になってサポートをいたしますので、「身内の若いお兄さんが身体の調子を診てくれる」という気軽さでご相談いただければと思います。

編集部まとめ

訪問診療をはじめとする在宅医療は、私たちにとって決して無関係のものではないということがよくわかりました。また、介護保険制度、訪問診療にかかる費用についても、一般の方が知らないこと、十分に理解できていないことが少なくないようです。田島クリニックは、訪問診療のこと、ケアマネジャーのこと、介護保険申請のこと、何でも相談に乗ってくれる頼もしいクリニックです。

医療法人幸人会田島クリニック

医院名

医療法人幸人会田島クリニック

診療内容

内科 整形外科 小児科 皮膚科 リハビリテーション科

所在地

大阪府大阪市生野区田島5丁目5-31

アクセス

JR関西本線「東部市場前」駅より車で4分