定期健診で子どもの歯を守り、健やかな発育を促す 【広島県広島市 ピノキオ歯科医院】

ピノキオ歯科医院
ピノキオ歯科医院

今なお「歯が痛くなったから治療を受ける」という人が多く、「予防のために普段から歯科にかかっている」という人はまだまだ少数派。一方、子どもについてはどうだろう。歯周病と全身疾患の関連性なども指摘されるようになった今、これまで大人がしてきたのと同じように「虫歯があるから歯医者に行く」で果たしてよいのか。歯科に慣れ親しんで予防に取り組むことの重要性や、歯並びや噛み合わせのポイントなどを、1970年から小児歯科をメインに診療を続ける「ピノキオ歯科医院」の益田隆志副院長に聞いた。

 

Doctor’s Profile
益田 隆志
ピノキオ歯科医院 副院長

2001年 愛知学院大学歯学部歯学科卒業後、同大大学院歯学研究科に入学。05年同大大学院歯学研究科を卒業し、歯学博士(歯周病学)取得。同大歯学部歯周病学講座の非常勤講師などを経て、09年に「ピノキオ歯科医院」副院長に就任。予防治療に力を注ぎ、定期健診やメンテナンスを根付かせることで、できるだけ歯を保存する治療を実践している。

歯科の定期健診、予防歯科の重要性!

歯科医院での定期健診って何するのですか?

診察・検査で病気の有無や進行状態を把握することと歯垢や歯石を除去することが主な内容です。子供の場合は、歯の生え替わりが正しく行われているか、潜んでいる永久歯は大丈夫かといった確認も加わります。また、歯みがき方法や生活習慣等を改善してもらうため、歯科的知識をお伝えすることも定期健診の大切な内容です。早期対策や予防的概念を取り入れていただければと思います。

歯科の定期健診、予防歯科の重要性!

歯垢や歯石ってなんですか?

歯垢(プラーク)は生きた細菌の塊です。これが虫歯や歯周病の原因です。歯面にねっとりと付着しています。日常的に歯垢の量を少なく維持しておくことが大切です。
歯石は細菌が死んで石のようになったものです。歯の面に強くくっついています。歯石の表面に歯垢が付着し、また歯石となり、徐々に歯石が大きくなります。
当院では顕微鏡で歯垢の中身を確認していただいています。歯垢が虫歯や歯周病の原因で、定期的にきれいに取り除くことが治療でもあり、予防にも繋がることを理解していただくことが大切です。
歯科の定期健診、予防歯科の重要性!

特に痛みがなくても、定期健診した方がよいですか?

その通りです。主な理由として、①病気がすでにあるのに、痛くないから気付かず放置していることがある、②虫歯も歯周病も目視できない場所で潜伏的に病気が進行する、③歯垢や歯石が想像以上に蓄積している、④生活習慣改善のきっかけになる、等が挙げられます。
定期的に病気の進行程度を確認し、歯のクリーニングを行うことは、歯をなるべく維持したいと考える方々にとって、大きな力になると思います。

定期健診はどれくらいの割合で通えばよいですか?

3カ月ごとが理想で、少なくとも6カ月ごとです。それ以上が悪いというわけではありませんが、“定期”健診という意味では、年間に何度か来院しておく方が安心です。もちろん、患者さんごと、お口の中の状態や社会的背景が異なるので、必ずこれとは言えませんが、ご自身で守れるペースが良いと思います。

幼少の頃から歯医者さんと仲よくしよう!

子供は何歳くらいに歯医者さんデビューをしたらよいのでしょうか?

病気の確認だけでなく、歯科に関する有益な知識を得るという意味でも、やはり早い方が良いですね。1歳に満たない頃からでも、歯垢や歯石がたくさんついているお子さんもいます。少なくとも3~5歳頃には一度、歯科受診させた方が良いと思います。生活習慣を改善するきっかけになれば、と思います。
歯垢は想像以上に溜まっています。中には仕上げ磨きをうまくさせてくれないお子さんもいると思います。溜まった歯垢をたくさん取り除くという点からも、定期健診を日常に取り入れていただければと思います。なお、妊娠中のお母さんや乳幼児期のお子さんがいる方は、お母さんの口腔内の歯垢を減らしておくと、お子さんにとって有益、ということも知っておいていただきたいです。

幼少の頃から歯医者さんと仲よくしよう!

乳歯はいずれ抜けてしまうので、放置しても大丈夫じゃないの?

単純に考えて、乳歯の頃に虫歯になっているわけですから、永久歯が生える頃も同じ口腔内環境のまま、というのは避けたいですよね。定期健診で虫歯を治し、歯垢の量を減らし、お家でのおやつ事情や歯磨き習慣を改善していく、といった長期的な視野での取り組みが大切です。
乳歯の虫歯をそのまま放置すると、いずれ乳歯の根っこの先にも炎症が及び、そのすぐ下に存在する永久歯に悪影響を及ぼします。乳歯が崩壊すると、正しい咬み方ができなくなり、あごの骨の発育にも悪影響を及ぼします。隣の歯も傾き寄ってくるので、乳歯の後ろの永久歯が出るスペースが失われ、歯並びに悪影響を及ぼします。
乳歯の頃から虫歯にならないようケアが大切ですし、虫歯になっても早期発見、早期治療が大切です。

幼少の頃から歯医者さんと仲よくしよう!

歯医者さんが嫌い、怖くて、泣きわめきますが、受診して大丈夫でしょうか?

当院はウェルカムです。むしろ、しっかり来院して、歯医者さんや歯科衛生士さんに慣れ親しんでもらうことが大切です。例えば、お母さんだけが受診される日に、お子さんも一緒に連れてきていただければと思います。
当院は、子供が多い歯医者さんなので、泣いたり、わめいたりする光景は日常的です。そういったお子さんの場合、診療にあたり、複数人のスタッフを介助に伴わせることが大切だと考えております。通常の診療スタイルだと、実際の口の中の診察、治療をきちんと行うのは困難だと認識しているからです。そのため、少しお待ちいただいたり、予約時間帯をお願いしたりと、ご迷惑をおかけすることがあるかと思います。

子供の矯正治療!早期治療で健康な発育を促そう!

子供の矯正治療って何ですか?

ここで言う子供の矯正治療とは、幼児期から小学校低学年頃に開始する矯正治療を言います。すでに判明している歯並びやあごの骨の問題、口腔機能の問題を子供の頃に少しでも軌道修正しておこうという概念です。
子供の矯正治療終了後は、いったん区切ります。残りの永久歯がどう生えるか、あごの骨の成長はどうなるかを観察していきます。中学生・高校生になってから再び矯正治療を開始するかを決めます。

子供の矯正治療は必要なの?

子供の矯正治療を行えば、その後がすべて解決する、ということではありません。新たな問題が生じることもあるでしょう。“2度手間”になる可能性があるのは嫌だ、と捉える保護者の方もいるでしょう。そういった場合は、中学生・高校生になってから矯正治療を考えればよいと思います。
一方、子供の矯正治療は、成長前あるいは成長期を活用できる時期に治療を開始することで、後々大きな問題に繋がることを回避できることもあります。自然には治らないことを早期治療しておこう、ということです。お子さんによっては、非常に有意義になることもあります。
矯正治療は、見た目の改善もさることながら、呼吸する、食べる、飲み込む、話すといった基本的な口腔機能を正しく獲得することを目指しています。高齢者になっても自分の歯が存在し、口腔機能が十分に発揮されていることは、豊かな生活に繋がるのではないでしょうか。

子供の矯正治療!早期治療で健康な発育を促そう!

子供の歯並びについては、どのあたりをチェックすればよいでしょうか?

お家でもわかりやすいこととして、①乳歯の時点ですでにきつく並んでいないか、②永久歯の前歯の並びがガタガタしていないか、③生えてきた歯が捻じれてないか、④下の前歯が上の前歯より前に出て覆っていないか、等が挙げられます。
また、日常的な悪い癖として、①鼻ではなく口で呼吸をしていないか、口が開いていることが多くないか、②舌を前へ出したりする癖がないか、③クチャクチャ音を立てて食事をしていないか、④頬杖や爪嚙みや指しゃぶりをしていないか、等が挙げられます。歯並びやあごの骨の成長に影響します。
この他にも、例えば、奥歯の咬み合わせの状態やあごの位置や大きさ、動かし方等、一見ではわかりにくい内容もあります。

歯科を上手に活用することで生涯に渡って健康な歯を維持する!

歯医者さんは何となく嫌なのですが・・・。

子供の頃から歯医者さんに接する機会が少なかった人は確かに腰が重いと思います。麻酔や歯を削られる等、嫌なことをいっぱいされて・・・。発想の転換をしていただければと思います。「嫌なことをされないために歯医者さんに行く」と。今からでも、口腔ケアの意識を高め、歯医者さんを活用していただければ、必ず、将来の口腔内の進む道が違ってきます。「安心のために歯医者さんに行く」という考え方になっていただければと思います。

歯科を上手に活用することで生涯に渡って健康な歯を維持する!

痛みがあったのですが、数日後、痛くなくなったのでそのままにしているのですが・・・

通常の虫歯や歯周病は月単位、年単位でゆっくり進行します。痛くない期間の方が長く、数日間痛くなり、また痛くなくなる、これを繰り返します。痛くないまま病気が進みます。「削る必要のない小さい虫歯」でも、「腫れるほどの大きい虫歯」でも、潜伏的に痛くない期間があることを知っておいてほしいのです。
虫歯や歯周病は病気の有無だけではなく、進行の“程度”というものがあります。だからこそ、早めに歯科受診されることをお勧めします。痛いからといって、大きな処置が必ず必要というわけではありませんし、病気ではない一時的な生理的な痛さのこともあります。

子供の歯の生え替わりが遅いような気がして心配なのですが?

歯が出てくる時期は個人差が大きいです。単にゆっくり発育しているという場合もあります。一方、先行する乳歯による悪影響で永久歯の生える方向がおかしくなっている場合もありますし、永久歯そのものがもともと存在していない場合もあります。X線検査等を行い、長期的な視野で経過を追っていくことが大切です。

子供が高校生で歯を磨かないのですがどうしたら良いでしょうか?

中学生・高校生は、生活環境が大きく変わる時期です。お家での歯磨きをさぼりがちになる子もいます。そうならないためには、やはりお子さんが自分で歯科への意識を高めるしかありません。親御さんとしては「歯を磨こうね」、「定期健診しておこうね」と促すことが大切になります。お年頃ということもあり、口臭や歯肉出血に対する意識が高くなることもあります。こういったことをきっかけに歯科の話題を出してみるのはいかがでしょうか。

お菓子や飲み物はどうでしょうか?

通常のお菓子やジュース、スポーツ飲料水には「砂糖」や「ブドウ糖果糖液糖」、「果糖ブドウ糖液糖」といった表記がされています。これらが虫歯にとってよくありません。摂取してはいけないということではなく、癖になるといけないのです。毎日、ダラダラ食べたり、チビチビ飲んだりすることはやめましょう。

読者にメッセージをお願いします!

読者にメッセージをお願いします!

子育ての一環として、歯科の定期健診を活用してもらえればと思います。虫歯や歯周病を管理することや成長発育を見守ることは、子育てと同じく長期的な視点が大切です。あせらず、ゆっくりと好転するように向かうことが大切です。お子さんが大人になった頃に、定期健診継続の大切さを理解していただけるのではないでしょうか。子供の頃から歯医者さんに慣れ親しんでいただきたいです。
今まであまり歯医者さんと関わってこなかったという方も、何歳からでも、歯科の定期健診を始めることは有益です。ただ、今までの習慣や価値観を突然変えて、急にお口の中のケアを実践しようとは思わないかもしれません。だからこそ、きっかけの意味で、一度、歯医者さんに行かれてみてはいかがでしょうか。
お子さんやご自身のお口の健康管理のために、歯医者さんをうまく活用していただければと思います。

編集部まとめ

歯科領域は生活環境による影響がすごく大きいものです。益田先生の話により、幼少の頃から口腔内の歯垢を堅実に減少させる習慣を身に付けておくことが大切ということがよく理解できました。また、子供の頃の矯正治療の重要性もわかりました。歯科医院での定期健診を上手に活用したいと思います。お口の中の管理を早めに実践し、生活習慣のアドバイス等も受けながら、虫歯や歯周病のない健やかな口腔内へとつなげていただきたいと思います。

医院情報

ピノキオ歯科医院
所在地 〒733-0812
広島県広島市西区己斐本町1-23-18
サンコウワークテソーロ2F
アクセス JR山陽本線 西広島駅 徒歩2分
広島電鉄 西広島駅 徒歩1分
診療内容 小児歯科 小児矯正 予防治療 歯科一般