ジローラモと性ホルモン

性ホルモン

パンツェッタ・ジローラモさんのサイン

ジローラモ

性ホルモンと上手く付き合うには?ジローラモと産婦人科医の「ホルモン談義」

性ホルモンと上手く付き合うには?ジローラモと産婦人科医の「ホルモン談義」

男性女性問わず、性ホルモンの分泌量によっては体も心もふりまわされる!? 普段の生活で意識していなくても、人間はホルモンの影響を受け続けています。男性と女性では大きく異なり、自分でも振り回されていることに気が付かないこともあります。ましてや互いに理解し合うのは難しいもの。どのように生活すればホルモンと上手くつきあっていけるのでしょうか? “デキる男”の代表、パンツェッタ・ジローラモさんが産婦人科医、三輪綾子先生と性ホルモン談義に挑みます。

産婦人科医 三輪 綾子先生

AYAKO
MIWA

2010年 札幌医科大学卒業。順天堂大学産婦人科学講座に入局。産婦人科専門医、マンモグラフィー読影医。医療記事監修等行う。2017年より順天堂大学 非常勤助手として勤務。

タレント・モデル パンツェッタ・ジローラモさん

PANZETTA
GIROLAMO

1988年から日本在住。以降、多数雑誌、番組などで祖国イタリアについて紹介。2014年3月、【連続して最も多くファッション誌の表紙を飾った数(男性モデル)】という記録名でギネスワールドレコーズ2014に世界記録として認定。

パンツェッタ・ジローラモさん

気づいてほしい!
女性ホルモンの働きと
影響について

ホルモンの種類で変わる体への影響

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:男性と女性では、性ホルモンから受ける影響は違いますか?

三輪 綾子先生

三:個人差があるので男女のどちらが大きく影響を受けるかは一概には言えません。でも、女性の方が性ホルモンによる影響のアップダウンは大きいと思います。女性は長期の視点で考えると女性ホルモンが多く分泌される時期と、閉経を経て分泌量が減っていく時期とに分かれます。また、短期的にも生理が終わってから排卵までの卵胞ホルモンが多い時期と、排卵後から生理までの黄体ホルモンが多い時期の変化があります。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:ああ~、それ、わかる気がします。女性は生理前と後で、体調が違いますよね。

コミュニケーション中のパンツェッタ・ジローラモさんと三輪 綾子先生
三輪 綾子先生

三:そうです! 女性はホルモンによって体調が変化することを理解してくれている男性が少ないなと感じていまして、この企画で皆様には認識を新たにしてもらえると嬉しいです。そして身近な人で月経に苦しんでいる女性がいたら、婦人科の受診を勧めていただけたらなと思います。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:生理の前と後では、分泌されるホルモンが違うんですよね?

三輪 綾子先生

三:はい。生理の前後ではメインで働くホルモンの種類が異なるため、体調が少し変化します。正確には月経の前後というより排卵の前後で変わっています。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:どうして変わるんでしょうか?

三輪 綾子先生

三:排卵前っていうのは、卵胞ホルモン(エストロゲン)というホルモンが出ていて、すごく落ち着いている時期です。子宮内での赤ちゃんのベッドにあたる内膜を作っていく時期で、例えるなら大工さんが働いているような状態ですね。

排卵
三輪 綾子先生

三:排卵とは、卵子が卵胞という袋から外に排出されることを言います。そして卵子の入っていた袋は黄体というものに変化します。その黄体という、もともと袋だったものから黄体ホルモン(プロゲステロン)というホルモンが放出されるようになります。黄体ホルモンは主にベッドメイクさんの仕事をします。そうすると、赤ちゃんが着床しやすいように、ベッドがフワフワになっていきます。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:それぞれ大事な役割があるんですね。

三輪 綾子先生

三:この黄体ホルモンが、同時に不安定さを増すようなホルモンでもあるんです。生理前に肌荒れしたり、むくんだり、怒りやすくなってイライラしたりするのはこのためです。
黄体の寿命はおよそ2週間なので、着床しなかった場合、黄体から分泌される黄体ホルモンも減少していき、再び生理がきて、また安定期に戻っていくと。そんなサイクルになっています。男性はホルモン分泌量の変化が月単位では起こらないので、影響の受け方が緩やかというワケです。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:確かに女性の方が体調の変化が頻繁にありますよね。僕の姉はいつも生理の前はイライラしてました。子どものときから感じていましたが、大人になるまで原因がわからず、なるべく近づかないようにしていました(笑)。

パンツェッタ・ジローラモさん

男性も知るべし!
ホルモン変化との
付き合い方

生理前症状には個人差がある、
相手を思いやる対応を

三輪 綾子先生

三:女性は、ホルモンによって変わる体調に常に対応しないといけません。そして個人差がとても大きく、一人ひとり違います。のたうち回るような痛み、嘔吐がある人もいれば、何も変化がない人もいます。女性一人ひとりでもそれだけ異なるのですから、男性にとっては理解しにくい部分があって当然だと思っています。ジローラモさんは周りの女性たちの変化を感じたことはあったでしょうか?

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:そうですね。昔の彼女は、生理の前にイライラする人だったんですが、自分でコントロールするためにピルを飲んでいました。

三輪 綾子先生

三:あ、いいですね。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:ピルを飲んで落ち着くのはいいと思うんですが、ずっとピルを飲んでいると生理がこなくなってしまうということはあるんでしょうか? 

三輪 綾子先生

三:よく誤解されているのですが、ピルは生理を来ないようにする薬ではありません。生理のときの出血の量がとても少なくなる、もしくは稀に無くなることもありますが、長期間飲み続けていても基本的に悪影響はないとされています。でも、40歳以降も変わらず内服し続けるのは副作用の面から注意が必要なので、他の治療法に変えていくのも良いと思います。ひどいひとはピルだけで改善されない場合もあるんです。月経前の不調をPMS(月経前症候群)と呼ぶんですが、PMSと比較して精神症状が重くみられるPMDD(月経前不快気分障害)という症状に悩まされているひとが全女性の1%くらいはいるんです。男性にはあまり知られていないし、女性でも知らない人が多いんですよね。いずれにしろ生活に支障がでるようであれば専門医に診てもらう必要があります。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:女性は皆さん大変だということを周りの男性が理解することが大事ですね。男性は理解できたとしても実感できないわけですから、一歩引いて、突っ込まない。見守る感じがいいと思います。

三輪 綾子先生

三:仕事のパフォーマンスにも影響しますから、ジローラモさんのように大きな気持ちで接してあげてほしいと思います。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:そう、恋愛でもビジネスでも、相手のことを考えるのが大事

三輪 綾子先生

三:日本人の男性って、なかなか生理について学ぶ機会がないんですよ。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:多分、イタリア人もたいていはわかってないですよ。例えばスウェーデンだと学校で教えてますけど、知らないまま大人になったら、経験して理解するしかないですね。僕は姉もいますし、大人になってからの女性とのおつきあいで経験的にわかったんですね(笑)。それでも知識が足りないと思います。

三輪 綾子先生

三:性ホルモンに振り回されていることが正しいことだと思わないでほしいです。治療して毎日快適に、幸せにすごせるように、私たち産婦人科に相談しに来てください。そして、なによりも月経の辛さは我慢しなくていいものなんだ、治療できるんだということを広く知ってもらいたいです。

診察中の三輪 綾子先生

女性の社会進出にも影響する更年期障害

三輪 綾子先生

三:生理があるときより、閉経の時期の更年期症状のほうが大変という方もいます。ホットフラッシュといって、いきなり汗が止まらなくなったり、意欲の低下や、イライラをコントロールできなくなったり。更年期症状のため、仕事に行くことが辛くなったり、昇進を断ったりする人もいます。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:更年期は何歳ぐらいからですか?

三輪 綾子先生

三:女性の閉経は平均50歳なので、その前後5年ぐらいが更年期と言われています。なので50歳閉経の人は45歳から55歳くらい。治療が必要な人もいれば、全然なんともなく、うまく過ごせる人もいます。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:治療する場合は、どういったことをするんですか?

三輪 綾子先生

三:生活改善や、漢方薬を飲んだり、ホルモン補充療法(HRT)を行ったり、様々です。ホルモン補充に関しては、長期投与になると乳がんのリスクが増加するため、きちんと検査をしてから開始し、治療中は定期的に乳がん検診を受けることをおすすめしています。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジローラモも気になる?!
ホルモンが与える
男性への影響

男性にもある、更年期障害

三輪 綾子先生

三:女性のほうが、性ホルモンの変化が急であるとお話ししましたが、男性にも更年期は存在するんですよ。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:男性ホルモンが低下するのは何歳ぐらいからですか?

三輪 綾子先生

三:男性ホルモンの一つに「テストステロン」というホルモンがありますが、20歳くらいが分泌量のピークと言われていて、そこから徐々に下がります。4、50代で症状が出てくる人もいれば、70で出てくるひともいます。下がり方が緩やかなので、女性の更年期症状ほどは急激な症状に悩まされる人は少ないですけどね。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:テストステロンが減ると、どういう症状が出ますか? 

三輪 綾子先生

三:男性ホルモンが低下することをLOH症候群と呼びます。いわゆる男性更年期障害ですね。やる気がなくなったり、眠れなくなったり、うつになったり、勃起障害が出たりします。それらの症状が緩やかに起きていくので、本人は気がつかないことも多いんですよ。ジローラモさんは男性ホルモンの低下を自覚することはありますか?

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:僕は特に問題ない気がしてますけど、友達で薬をのんでるひとはいますね。男性ホルモンは大事だと感じてます。二日酔いが長くなるとか、肌の状態とか、ポイントポイントで体から信号が出てると思うので、見逃さないようにしないといけないですね。

三輪 綾子先生

三:ジローラモさん、肌ツヤがとてもいいですもんね。しっかりとケアされていらっしゃるのではないでしょうか。普段から意識が高いことが若さを保つ秘訣なんでしょうね。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:見えるところだけじゃなくて、オヤジ臭くならないように匂いにも気を付けてますよ。仕事がデキるひとは、体のケアもちゃんとしてるひとが多いですね。

診察中のパンツェッタ・ジローラモさん
パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:男性ホルモンの低下を防ぐ方法ってあるんですか?

三輪 綾子先生

三:そうですね。まず、ワクワクできることを見つけたり、適度な運動は大事です。何か活発にしている時って、テストステロンの分泌が多少改善するといわれています。意欲的に取り組むことが何かあるといいと思います。それでも改善がみられない、体の調子が以前と変わってきたと思ったら、泌尿器科や内科に行ってホルモン値を検査してみるといいかもしれません。男性ホルモンが低下していたら、体の不調が更年期からきている可能性があります。更年期症状が強いときは薬で補充することもあります。ホルモン補充が必要な人は副作用に注意しながら行うとよいでしょう。

パンツェッタ・ジローラモさん

ジ:みんな歳をとりたくないんです。でも、歳の取り方が、自然で素敵であればいいかなと思いますね。健康的な食生活を心がけたり、運動したり、見た目にも気を遣っていきたいです。ワクワクも大事ですね。
女性の体調の変化が性ホルモンの影響を受けることが今回よくわかったので、今まで以上に相手のことを考えて接しようと思います。そういうスマートな行動がデキないと、デキる男って言えないですからね。

編集部より

“デキる男”は、性ホルモンとのつきあいかたも上手いはず。そんな予想から実現した対談でしたが、ジローラモさんのスマートな回答は「さすが」でした。いつまでも若々しくいるための努力を惜しまず、周りのひとへの気遣いも忘れないからかっこよくいられるのでしょう。読者の皆様も、女性ホルモン、男性ホルモン、それぞれの働きを知ったうえで、ご自身のカラダに再注目してみてください。気になる症状があれば、専門医に相談を。

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