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「コーヒー」を含めたカフェインの「摂取量・正しい飲み方」を医師が解説!

 公開日:2024/12/16

コーヒーを飲み過ぎてしまった時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「コーヒーを飲み過ぎる」と現れる症状はご存知ですか?適切な摂取量も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

コーヒーを含めた適切なカフェインの摂取量

コーヒーを含めた適切なカフェインの摂取量

カフェインを多く含むものは、コーヒー・お茶・チョコレート・コーラ・エナジードリンクや栄養ドリンク・風邪薬や鎮痛薬など様々です。
代謝・健康状態・反応の違いなどからカフェインによる症状の現れ方には個人差があります。日本では摂取量の上限は設定されていませんが、国際機関などにおいてカフェインの摂取に関して注意喚起がされています。
カナダ保健省では18歳以上の大人は、カフェインの摂取量を1日当たり400mgまでが推奨量です。
コーヒーでは237mLのカップで約3杯までに相当します。
不整脈がある人は発作の誘発、人によっては高血圧のリスクが高くなる、カルシウムが不足している人はカルシウムの排出増加による骨粗しょう症の発症の可能性があるので、カフェインの摂取量に注意が必要です。

食品中のカフェイン濃度

食品 カフェイン濃度 備考
エナジードリンク又は
眠気覚まし用飲料(清涼飲料水)
32~300mg/100mL
(製品1本当たりでは36~150mg)
製品によってカフェイン濃度及び内容量が異なる
コーヒー(浸出液) 0.06g/100mL
(=60mg/100mL)
浸出法:コーヒー粉末10g、熱湯150mL
インスタントコーヒー(粉末) 4.0g/100g
2g使用した場合1杯当たり80mg
玉露(浸出液) 0.16g/100mL(=160mg/100mL) 浸出法:茶葉10g、60℃湯60mL、2.5分
せん茶(浸出液) 0.02g/100mL(=20mg/100mL) 浸出法:茶葉10g、90℃湯430mL、1分
ほうじ茶(浸出液) 0.02g/100mL(=20mg/100mL) 浸出法:茶葉15g、90℃湯650mL、0.5分
玄米茶(浸出液) 0.01g/100mL(=10mg/100mL) 浸出法:茶葉15g、90℃湯650mL、0.5分
ウーロン茶(浸出液) 0.02g/100mL(=20mg/100mL) 浸出法:茶葉15g、90℃湯650mL、0.5分
紅茶(浸出液) 0.03g/100mL(=30mg/100mL) 浸出法:茶葉5g、熱湯360mL、1.5~4分
抹茶(粉末) 3.2g/100g(お湯70mLに粉末1.5gを溶解した場合、カフェイン含有量48mg)

コーヒーを含めたカフェインの正しい飲み方

コーヒーを含めたカフェインの正しい飲み方

カフェイン摂取によるメリットは覚醒・利尿作用による老廃物の排出・交感神経の働きを高め疲労感の低減などです。
カフェインは覚醒作用があるため、眠りの質を低下させる可能性があります。カフェインの代謝は個人差があり、コーヒーをどれくらい、何杯飲んだら眠れなくなるかは人により異なりますが、夕方以降~寝る前の摂取は控えることをおすすめします。空腹時や胃の調子が悪いときの摂取は胃酸過多や胃痛を起こす可能性があるため避けましょう。
禁煙サポートグッズのニコチンガム・精神神経薬(フルボキサミン)、強心薬(アミノフィリン)、気管支拡張薬(テオフィリン)、解熱鎮痛薬(アスピリン)などはコーヒーと同時に摂取することで、薬の作用が増強し、十分な効果が得られなくなる可能性があるため注意が必要です。

「コーヒーの飲み過ぎ」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「コーヒーの飲み過ぎ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

コーヒーは一日に何杯飲むのが適量でしょうか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

カナダや米国では、健康な成人のカフェイン摂取量は1日400mgまでと推奨されています。コーヒーで換算するとマグカップ3杯までです。カフェインを多く含む他の物と摂取量と合わせてカフェインの過剰摂取にならないよう注意しましょう。妊婦や胎児は体にカフェインが長く留まりやすいため、成人よりも摂取量の上限は低くなります。市販のコーヒー飲料は、高エネルギーで太る原因や糖尿病発症の原因になるので、摂取には注意が必要です。
コーヒーはシュウ酸を多く含むため、結石ができやすくなり、尿路結石を発症しやすくなります。コーヒーに含まれるタンニンは鉄の吸収を阻害する働きがあるので、貧血がある人は食事の前後ではコーヒーの摂取を控えましょう。

まとめ 適量でコーヒーを楽しみましょう

コーヒーを飲むと目が覚める・疲れにくくなる・リラックスできるなど良い効果を得られますが、カフェインを過剰に摂取することで効果が強まり過ぎて悪影響になることもあります。カフェインの体内での反応は個人差があるため、1日の推奨量を越えない範囲で、適量の摂取がおすすめです。

「コーヒーの飲み過ぎ」で考えられる病気

「コーヒーの飲み過ぎ」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

整形外科の病気

  • 骨粗しょう症

一般内科の病気

精神科の病気

消化器系の病気

コーヒーの飲みすぎで考えられる病気は、神経の興奮作用によるもの・コーヒーに含まれる成分の過剰摂取によるものがあります。病気の発症や悪化予防のためにコーヒーは適量の摂取がおすすめです。上記の疾患が疑われた場合にはコーヒーの摂りすぎに気を付け、症状が続く場合には、医療機関を受診しましょう。

「コーヒーの飲み過ぎ」に似ている症状・関連する症状

「コーヒーの飲み過ぎ」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

コーヒーに含まれるカフェインの摂りすぎは様々な症状を引き起こしますが、他の病気が隠れている可能性もあります。症状が続くようなら、早めに医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師