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「下痢が黒い」症状で考えられる病気はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2025/06/16

黒い下痢を催した時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「下痢が黒い」原因はご存知ですか?考えられる病気や対処法を医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

「下痢が黒い」際の特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「下痢が黒い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は、腸の動きが異常になることで、腹痛や腹部の不快感などさまざまな症状を伴う慢性の消化器疾患です。過敏性腸症候群は、ストレスや食生活の乱れが引き金となり、腹痛や腹部の不快感などにより下痢・便秘などになる場合がありますが、下痢が黒くなることは基本的にはありません。
症状を改善させるためには、食生活の改善だけでなく、ストレスの管理も重要です。また、症状が強い場合は抗うつ薬などが処方される場合もあります。
そのため、症状が持続し、日常生活に支障をきたす場合や、症状が急激に悪化した場合は、消化器内科や心療内科を受診しましょう。

大腸がん

大腸がんは、大腸の細胞が異常に増殖し腫瘍を形成する病気で、食生活の乱れ・遺伝的要因・加齢などが原因とされています。
初期段階では症状がほとんどないことが多いですが、進行すると腹痛・体重減少・便秘や下痢、そして、血便や黒い便が見られることがあります。そのため、気にある症状があれば、消化器内科・外科を受診しましょう。
受診の結果、大腸がんが早期に発見された場合は、内視鏡によるポリープの切除で対応可能ですが、がんが進行した場合は手術・化学療法・放射線療法をおこないます。

クローン病

クローン病は、消化管に慢性的な炎症を引き起こす疾患で、口から肛門までのどの部分にも発症する可能性があります。原因は完全には判明していませんが、免疫系の異常と環境要因が関係しているといわれています。
クローン病の症状には、腹痛・下痢・体重減少・疲労感・発熱などがあり、場合によっては黒い便も見られます。そのため、これらの症状が改善がしない場合は消化器内科を受診しましょう。
受診の結果、クローン病を診断された場合は、炎症を抑えるための薬物療法としてステロイドや免疫調整剤・栄養療法を主に実施し、場合によっては手術が必要です。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は大腸の内側に炎症と潰瘍が生じる病気で、クローン病と同じように、免疫系の異常が関与しています。原因はまだ完全には判明していませんが、遺伝的要素が1つの原因とされています。
症状としては、腹痛・下痢・血便、そして場合によって黒い便がみられます。血便が見られる場合や、下痢、腹痛が持続する場合は消化器内科を受診しましょう。
潰瘍性大腸炎と診断された場合は、治療として炎症を抑える薬物療法・栄養療法を基本的にはおこないますが、症状が重い場合は外科手術を実施します。

「下痢が黒い」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「下痢が黒い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ストレスが原因で下痢が黒くなることはありますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

一般的に、ストレスが原因で下痢が黒くなることはありません。ストレスは消化器系に影響を与え、下痢を引き起こします。また、ストレスが原因の胃潰瘍、十二指腸潰瘍を起こすこともあります。これらが重なりストレスで下痢が黒くなる可能性は否定できません。下痢が黒くなった場合の原因は消化管からの出血の可能性が高く、早めに受診をしましょう。

下痢が黒い場合、すぐに病院を受診したほうがよいですか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

黒い下痢は上部消化管からの出血を示している可能性があり、早めの受診が必要です。また、下痢が止まらない場合、腹痛や発熱、体重減少などの症状を伴う場合にも、速やかに医療機関での診察を受けましょう。

まとめ 下痢が黒い場合には早めに病院受診を!

「下痢が黒い」という症状は、食道や胃・十二指腸などの消化管からの出血を示す重要なサインの場合があります。
そのため、単なる消化不良よりも深刻な健康問題の可能性があり、特に出血を伴った黒い下痢には注意が必要です。このような症状が見られたときは、自己判断で市販薬を使用せず、速やかに専門医の診断を受けましょう。

「下痢が黒い」で考えられる病気

「下痢が黒い」から医師が考えられる病気は10個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

血液内科系の病気

  • 播種性血管内凝固(DIC)

これらの疾患はそれぞれ異なった症状と治療が必要ですが、下痢が黒い場合は消化管からの出血の可能性が高い傾向です。そのため、この症状が見られたら、すぐに消化器内科を受診し、必要に応じて内視鏡検査などの精密検査を受けることをお勧めします。

「下痢が黒い」に似ている症状・関連する症状

「下痢が黒い」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

これらの症状が「下痢が黒い」と同時に現れる場合、身体で何らかの重大な健康問題を訴えているサインかもしれません。
特に出血を伴うこれらの症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師

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