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「緑内障」とはどんな病気かご存知ですか?発症する確率も解説!【医師監修】

 公開日:2025/12/07

緑内障(りょくないしょう)は、目の奥にある視神経が障害されることで視野が狭くなり、進行すると視力を失う恐れのある病気です。日本では40歳以上の約20人に1人が緑内障で、中途失明原因の第1位にもなっています。しかし、緑内障自体で失明に至るケースは適切な治療でかなり抑えられており、早期に発見し治療を受ければ生涯にわたって視野・視力を維持できます。本記事では、緑内障の概要を解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「緑内障の原因」はご存知ですか?発症しやすい人の特徴も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

栗原 大智

監修医師
栗原 大智(医師)

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2017年、横浜市立大学医学部卒業。済生会横浜市南部病院にて初期研修修了。2019年、横浜市立大学眼科学教室に入局。日々の診察の傍らライターとしても活動しており、m3や日経メディカルなどでも連載中。「視界の質=Quality of vision(QOV)」を下げないため、診察はもちろん、SNSなどを通じて眼科関連の情報発信の重要性を感じ、日々情報発信にも努めている。日本眼科学会専門医。

緑内障の基礎知識

緑内障の基礎知識

緑内障はどのような病気ですか?

緑内障は、簡単にいえば視神経の病気です。目で受け取った映像を脳に伝える視神経が何らかの原因でダメージを受け、視野(見える範囲)が部分的に欠けたり狭くなったりする病気です。多くの場合、眼球内の圧力(眼圧)によって視神経が徐々に障害されることで発症します。日本では特に眼圧が正常範囲内でも発症する正常眼圧緑内障の割合が高いことが知られています。どのタイプの緑内障でも進行はゆっくりで、初期には痛みなどの症状がないため、自分では気付きにくい特徴があります。

緑内障の発症確率や患者数を教えてください

日本では緑内障は決して珍しい病気ではありません。実際、40歳以上の約5%(20人に1人)、60歳以上では10%以上(10人に1人)が緑内障に罹患していると報告されています。2016年の推計では、日本全国の緑内障患者数は約465万人に上るともされています。患者数が多いため、日本人の視覚障害(失明)の原因疾患では緑内障が第1位です。ただし、緑内障は初期には自覚症状がなく、患者さんの約9割は未発見・未治療ともいわれます。裏を返せば、定期検診で早期に発見し治療を開始すれば、失明に至らずに済む可能性が高いといえます。

緑内障はどのようなメカニズムで発症するのでしょうか?

緑内障の主な発症メカニズムは、目の中の液体(房水)の流れが滞って眼圧が上昇し、その圧力で視神経が圧迫・障害されることです。房水は毛様体で産生され瞳孔を通って前房に流れ、目の隅にある隅角から線維柱帯を経て排出されます。この経路が何らかの原因で詰まったり狭くなったりすると房水がうまく出ず、眼球内圧が高まって視神経を障害してしまいます。緑内障には、排出路が徐々に目詰まりして慢性的に眼圧が上がるタイプ(開放隅角緑内障)と、隅角が急にふさがって眼圧が急上昇するタイプ(閉塞隅角緑内障)があります。

編集部まとめ

編集部まとめ

 緑内障は決して珍しくない病気であり、特に中高年の方は誰でも発症しうるものです。しかし早期に発見し適切に治療を行えば、多くの場合で視野障害の進行を最小限に抑えることができます。自覚症状がないからと油断せず、40歳を超えたら定期的に眼科検診を受けて視神経や眼圧のチェックを欠かさないようにしましょう。大切な視力を守るため、緑内障のリスク要因がある方はもちろん、そうでない方も予防のつもりで目の健康診断を受けましょう。

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