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「うつ病の症状や治療法」はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/04/15

うつ病とは、脳の働きの低下や不調が原因で、落ち込みなどうつ症状が目立つ疾患です。症状はさまざまですが、行動の変化の1つとして顔つきや表情にも出ます。

思春期から中高年まで誰でもなりうる病気であるにも関わらず、その症状や対処法はあまりよく知らないという方も少なくありません。

心身の変調を感じて心療内科への受診を検討しているという方、身近な家族や友人にうつ病を疑う症状があるという方は参考にしてみてはいかがでしょうか。

※この記事はMedical DOCにて『「うつ病」を発症すると「顔の表情」はどのように変化する?うつ病の方が使う言葉も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 有毅

監修医師
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)

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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医

うつ病の症状や治療方法

カウンセリング

うつ病で精神面や身体に出る症状を教えてください。

うつ病は、脳の不調から精神・身体の両面にさまざまな症状が現れる気分障害です。精神面から現れるうつ症状には、意欲の低下・抑うつ気分・不安・イライラ・思考力や判断力の低下があります。さらに、身体への影響として、身体バランスが崩れることでさまざまな自律神経失調症のような症状が出ることがあるかもしれません。身体面に現れる症状には、食欲不振・不眠・過眠・倦怠感・喉の渇き・頭痛・動悸・めまい・耳鳴り・胃のもたれ・便秘などです。心と身体は密接な関係があり、脳機能の変化が行動にも変化を与えることがあるでしょう。例えば、うつ病によって行動の1つである顔つきや表情にも変化が現れるようになります。

うつ病はどのように診断されますか?

うつ病は、目に見えない心の病気なので、患者さん本人からの問診を中心に判断せざるを得ません。抗うつ気分・興味と喜びの喪失・易疲労感の増大のうち2つ以上の症状があり、かつ以下の症状の2つ以上のチェック項目が2週間以上続く場合、うつ病と診断されます。

  • 集中力と注意力の減退
  • 自己評価と自信の低下
  • 罪責感と無価値感
  • 将来に対する希望のない悲観的な見方
  • 自傷あるいは自殺の観念や行為
  • 睡眠障害
  • 食欲不振

なお、医師によって診断のブレをなくすために、アメリカの精神医学会のDSMとWHOが作成したICDの2つの判断基準があります。

うつ病の治療方法を教えてください。

うつ病が発症する原因には、脳のセロトニン不足が関与するといわれています。セロトニンは、脳のバランスを整える物質で、不足により物事への興味や反応が低下してしまって自発性がなくなることもあり、さまざまな脳の機能が低下するため薬物療法で補うことが考えられます。脳内のセロトニンが補充され気分の安定性が増すと、落ち込みや不安が目立たなくなるでしょう。また、脳の考える能力や認知機能全般が低下することによって、思考力・集中力・記憶力が低下します。さらに、身体のバランスも崩れるため、自律神経失調症のような状態に陥ることもあるかもしれません。運動療法のほかに散歩や音楽などリラックスして気分が楽になることを生活に取り入れるのも有効です。うつ病の治療には、休養をメインに環境調整・薬物療法・精神診療といった治療で気長に対処していきましょう。

編集部まとめ

落ち込む男性
今回は、うつ病の方の顔の表情の特徴・行動やよく使う言葉の特徴などを解説しました。

うつ病は、患者さんが心身の変調を自覚していないこともあり、治療が遅れる傾向があります。

今回お伝えしたようなうつ病の表情や顔つきは本人にはわからないため、心療内科を受診するまでには、相当の時間を要することもあるかもしれません。

表情の変化やうつ病特有の顔つきや言動が現れた場合には、早めに精神科や心療内科を受診することをおすすめします。

受診を焦る必要はありませんが、家族や周りが顔の表情や行動の変化に気付くことで、症状が重くなる前に治療を開始できることも覚えておきましょう。

この記事の監修医師

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