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「ノロウイルスの主な5つの症状」はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2024/11/15
「ノロウイルスの主な5つの症状」はご存知ですか?自宅での対処法も解説!

ノロウイルス感染症について、どのような症状がでるのか・潜伏期間がどのくらいあるのか・感染してしまったときにはどのようにすればよいのか、など詳しくご存じでしょうか。

一般的な症状は嘔吐・下痢・腹痛です。有効な治療薬はなく、とても感染力の高い病気です。

本記事では、ノロウイルスに感染してしまったときの対処法や予防法について解説いたしますので、ぜひ参考にしてください。

※この記事はMedical DOCにて『「ノロウイルスの主な5つの症状」はご存知ですか?自宅での対処法も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

ノロウイルスによる感染性胃腸炎の原因・症状

お腹をおさえる女性

ノロウイルスとはどのようなウイルスですか?

見た目の特徴として、表面はカップ状の窪みを持つタンパク質で覆われた形をしています。内部に一本鎖RNA遺伝子があるのも特徴です。ノロウイルスには豊富な遺伝子型があり、培養した細胞や動物実験でウイルスを増やすことができません。そのため、調べたいウイルスを分離して特定することが困難です。特に食品に含まれているノロウイルスを検出するのは難しく、原因や感染経路の特定は困難とされています。診断は臨床症状で判断されることがほとんどです。ノロウイルスに感染したかどうか検査するために、ふん便中のノロウイルスを検査キットで検出する方法があります。3歳未満と65歳以上は健康保険適用検査適応になる検査方法です。しかし、この検査はノロウイルスに感染していても陽性にならない場合もあるので、正確に検査することができません。その代わり、電子顕微鏡・RT-PCR法・リアルタイムPCR法などの遺伝子を検出する方法でウイルスを検出する場合は、精密に診断することができます。ただ、このようなウイルス検出方法は、通常の医療機関では行うことができません。行政機関や研究機関で、食中毒や集団感染の原因究明のために行われるものです。

ノロウイルスに感染する原因を教えてください。

ノロウイルスは経口感染・接触感染・飛沫感染・空気感染によって感染します。例えば下記のような例が考えられます。

  • 人の手を介して感染する
  • 家庭や施設で感染者が触れたものをほかの人が触ることで感染する
  • 食品を取り扱う料理者がノロウイルスに感染していることで食品が汚染され、汚染した食品を食べて感染する
  • ウイルスに汚染されている二枚貝を十分に加熱調理せずに、それを食べることで感染する
  • ウイルスに汚染された水の消毒が不十分なまま飲むことで感染する

このほかにも感染する具体的な経路はいくつもあるので注意しましょう。このような状況になったときには、そのまま生活を続けるのではなく手洗いをしたり、触れた物品の消毒を行なったりするようにしましょう。

どのような症状が出ますか?

主な症状は以下のとおりです。

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 腹痛
  • 発熱(38度を超えることは稀)

これらの症状は2〜3日続き、自然に治癒します。全体の10〜50%程度は無症状ですが、軽く風邪をひいたときのような症状になることもあります。基本的に後遺症はありませんが、高齢者・1歳未満の小児・免疫抑制状態の方は基礎疾患が増悪し、重症化することもあるので注意が必要です。

ノロウイルスによる感染性胃腸炎は日本でどのくらい発生していますか?

ノロウイルス感染症に特化した正確な人数を把握することは困難です。この病気は感染性胃腸炎の一部として報告されますが、感染性胃腸炎は全体で年間約800万人から1,000万人が罹患しているとされています。感染性胃腸炎に感染する患者数は11月から3月まで感染者が増加し、流行するのが特徴です。ノロウイルス感染症が患者さんに発症した場合、医療機関には報告の義務があります。しかし、感染性胃腸炎の病原体はノロウイルスだけではなく、細菌・ロタウイルス・腸管アデノウイルスなども含まれています。

編集部まとめ

笑顔の女性
ここまで、ノロウイルスの症状と予防法について解説しました。ノロウイルスにかかってしまったときには、脱水に気をつけつつ、症状が落ち着くのを待ちましょう。

また、病院を受診することや、看病を行う方がノロウイルスに移らないよう予防することが重要です。正しい汚染物の処理方法を実践し、こまめに消毒をするようにしましょう。

空気が乾燥する季節になるとノロウイルスをはじめとした、感染性胃腸炎の患者さんが増えるとの調査結果もあります。正しい手洗い方法を行う、手に触れるところを消毒するなど感染対策を心がけることも重要です。

この記事の監修医師

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