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「リンチ症候群」と診断された際の注意点は何?【医師監修】

 公開日:2025/02/20

リンチ症候群とは、大腸がんや子宮体がんなどを発症しやすい遺伝性のがん体質です。

原因は遺伝子の変異であり、ご家族にがんの方が多い場合は疑った方が良いと考えられています。

しかし、あまり聞き慣れない病名であり、具体的な症状などを知らない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、リンチ症候群と診断された場合の注意点なども併せて解説するので、参考にしてください。

※この記事はMedical DOCにて『「リンチ症候群」は「大腸がん」や「卵巣がん」を発症しやすくなるの?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

リンチ症候群の注意点

注意を知らせる男性医療従事者

リンチ症候群と診断された場合に注意することはありますか?

リンチ症候群と診断された場合には、以下の点に注意しましょう。

  • 遺伝カウンセリングを受ける
  • 定期的な検査を受ける
  • ご家族の検査も行う

1つ目の注意点が、遺伝カウンセリングを受ける点です。遺伝カウンセリングでは、この病気のリスクや治療方法などを教えてもらえます。リスクや治療方法などの情報は、先述したような様々な検査を受けるかどうかの判断に必要であるため、しっかりとカウンセリングを受けた上で判断しましょう。
2つ目の注意点が、定期的な検査を受ける点です。この病気は、一般的な方よりもがんが発症しやすい体質が特徴です。そのため、放置していると気づかないうちに悪化しているケースも少なくありません。定期的な検査を受けていればがんの早期発見ができるため、がんによるリスクを抑えられます。
3つ目の注意点は、ご家族の検査も行うことです。この病気は遺伝性の病気であるため、ご自分やご家族の誰かが罹患した場合には、家族内にも罹患者がいる可能性が高いです。そのため、必ずご家族にも病気のことを説明して検査を行いましょう。

家族にも遺伝するのでしょうか?

ご家族にも遺伝する可能性があります。この病気は遺伝子の変異によって引き起こされる病気であり、変異した遺伝子はお子様に50%の確立で遺伝します。万が一、お子様に遺伝した場合は、お孫様にも遺伝する可能性があるため注意が必要です。
お子様に遺伝しなかった場合には、その後は受け継がれることはありません。ご家族に遺伝が考えられるため、医師に相談しながら早めに検査しましょう。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

この病気は、がんを発症しやすい遺伝性のがん体質です。一般的ながんの発症ケースよりも若い年齢で発症する場合が多く、気づかない内に悪化や転移していることも少なくありません。そのため、少しでも異変を感じた場合には早めの検査が必要です。
また、検査の際にはしっかりと遺伝カウンセリングを受けましょう。病気のリスクや治療について正しく把握して、医師と連携して治療を進めることが非常に大切です。

編集部まとめ

健康診断の結果
リンチ症候群は遺伝性の病気であるため、ご家族の中で頻繁にがんを発症する方がいる場合には、すぐに疑って検査を受けた方が良いです。

症状が現れてからでは、発見が遅く治療方法が限られるかもしれません。また、ご自分にこの病気が判明した場合には、ご家族にも遺伝している可能性があります。

万が一に備えて、ご家族の検査も早めに受けましょう。この病気は疑わないと診断されにくいとされているため、早期発見のためにも正しい情報を把握することが大切です。

この記事の監修医師

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