「リンチ症候群」と診断された際の注意点は何?【医師監修】

リンチ症候群とは、大腸がんや子宮体がんなどを発症しやすい遺伝性のがん体質です。
原因は遺伝子の変異であり、ご家族にがんの方が多い場合は疑った方が良いと考えられています。
しかし、あまり聞き慣れない病名であり、具体的な症状などを知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、リンチ症候群と診断された場合の注意点なども併せて解説するので、参考にしてください。
※この記事はMedical DOCにて『「リンチ症候群」は「大腸がん」や「卵巣がん」を発症しやすくなるの?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
リンチ症候群の注意点
リンチ症候群と診断された場合に注意することはありますか?
- 遺伝カウンセリングを受ける
- 定期的な検査を受ける
- ご家族の検査も行う
1つ目の注意点が、遺伝カウンセリングを受ける点です。遺伝カウンセリングでは、この病気のリスクや治療方法などを教えてもらえます。リスクや治療方法などの情報は、先述したような様々な検査を受けるかどうかの判断に必要であるため、しっかりとカウンセリングを受けた上で判断しましょう。
2つ目の注意点が、定期的な検査を受ける点です。この病気は、一般的な方よりもがんが発症しやすい体質が特徴です。そのため、放置していると気づかないうちに悪化しているケースも少なくありません。定期的な検査を受けていればがんの早期発見ができるため、がんによるリスクを抑えられます。
3つ目の注意点は、ご家族の検査も行うことです。この病気は遺伝性の病気であるため、ご自分やご家族の誰かが罹患した場合には、家族内にも罹患者がいる可能性が高いです。そのため、必ずご家族にも病気のことを説明して検査を行いましょう。
家族にも遺伝するのでしょうか?
お子様に遺伝しなかった場合には、その後は受け継がれることはありません。ご家族に遺伝が考えられるため、医師に相談しながら早めに検査しましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
また、検査の際にはしっかりと遺伝カウンセリングを受けましょう。病気のリスクや治療について正しく把握して、医師と連携して治療を進めることが非常に大切です。
編集部まとめ
リンチ症候群は遺伝性の病気であるため、ご家族の中で頻繁にがんを発症する方がいる場合には、すぐに疑って検査を受けた方が良いです。
症状が現れてからでは、発見が遅く治療方法が限られるかもしれません。また、ご自分にこの病気が判明した場合には、ご家族にも遺伝している可能性があります。
万が一に備えて、ご家族の検査も早めに受けましょう。この病気は疑わないと診断されにくいとされているため、早期発見のためにも正しい情報を把握することが大切です。