「口唇がん」の治療法や予防法はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2025/02/20

口唇がんは、唇にできるがんです。
まれながんですが、主に喫煙・飲酒・紫外線などが原因とされ、50~70代の男性に多く発症しています。
唇や粘膜の内側など目に見えるところにできるので発見しやすいのですが、初期においては痛みも無いことも多く、放置されて進行してしまうケースも少なくありません。
早期発見であれば治癒できる可能性が高いのですが、進行すると治癒が難しくなります。
そこで、今回は口唇がんの治療方法を詳しく解説いたします。
※この記事はMedical DOCにて『「口唇がん」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
小島 敬史(国立病院機構 栃木医療センター)
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慶應義塾大学医学部卒。医師、医学博士。専門は耳科、聴覚。大学病院および地域の基幹病院で耳鼻咽喉科医として15年以上勤務。2年間米国で基礎研究に従事の経験あり。耳鼻咽喉科一般の臨床に従事し、専門の耳科のみならず広く鼻科、喉頭、および頭頸部腫瘍疾患の診療を行っている。日本耳鼻咽喉科学会専門医、指導医。日本耳科学会、日本聴覚医学会、日本耳鼻咽喉科臨床学会の各種会員。補聴器適合判定医、補聴器相談医。
目次 -INDEX-
口唇がんの治療方法や予防方法
口唇がんの治療方法について詳しく教えてください。
手術でがんを取り除く治療が中心です。転移があった場合は、まわりのリンパ節も取り除きます。生活するための機能をできるだけ補うために、手術で取り除いた部分を腕など別の部分の皮膚を使って補う手術をする場合もあります。
手術でがんを取り除いたとしても、まだがん細胞が残っているかもしれません。そのため、残っているがん細胞を死滅させるために、手術した後で放射線や抗がん剤を使う場合もあります。次のような場合は、手術ができません。
手術でがんを取り除いたとしても、まだがん細胞が残っているかもしれません。そのため、残っているがん細胞を死滅させるために、手術した後で放射線や抗がん剤を使う場合もあります。次のような場合は、手術ができません。
- がんの転移の範囲が広い
- 手術に耐えられる体力がないと判断される
- 本人が手術を望まない
このような場合は、放射線や抗がん剤を使った治療を行います。
口唇がんの治療期間はどのくらいですか?
手術をする場合は、2~3週間の入院となります。放射線治療はケースバイケースで、1回のみの場合もあれば、2カ月間に及ぶ場合もあります。治療頻度は通常1日1回、月曜日から金曜日までの週5回です。抗がん剤治療も期間・頻度はケースバイケースで、最低でも3カ月、長ければ数年かかることもあります。
毎日・毎週1-2回・毎月1-2回など、さまざまな頻度で行われます。 治療終了後、少なくとも約5年間は1~4カ月単位で、再発がないか検査器械を使い慎重な経過観察を行っていくことが必要です。
毎日・毎週1-2回・毎月1-2回など、さまざまな頻度で行われます。 治療終了後、少なくとも約5年間は1~4カ月単位で、再発がないか検査器械を使い慎重な経過観察を行っていくことが必要です。
口唇がんの再発の可能性を教えてください。
これはどのがんでも同じことですが、再発する可能性はあります。手術後1年半ぐらいが多いです。同じ場所からがんが発生する場合だけでなく、離れた場所から発生することも少なくありません。がん細胞は、血液やリンパ液に乗って移動する性質があるからです。
転移しやすいのは首・リンパ節・肺・骨などです。同じ場所から発生したときは、基本的に手術で切除を行います。リンパ節に転移した場合は、その周辺も含め手術で切除します。
離れた場所に転移したときは、各臓器の専門医と連携し治療方針を決めなければなりません。5年経つと再発の可能性は少なくなるといわれていますが、経過観察は重要ですので、担当医の指示通り通院してください。念のため10年くらいまでは経過観察するのが望ましいです。
転移しやすいのは首・リンパ節・肺・骨などです。同じ場所から発生したときは、基本的に手術で切除を行います。リンパ節に転移した場合は、その周辺も含め手術で切除します。
離れた場所に転移したときは、各臓器の専門医と連携し治療方針を決めなければなりません。5年経つと再発の可能性は少なくなるといわれていますが、経過観察は重要ですので、担当医の指示通り通院してください。念のため10年くらいまでは経過観察するのが望ましいです。
口唇がんの予防方法を教えてください。
先に述べたとおり、口唇がんの最大のリスク要因は喫煙・飲酒・紫外線です。次のことを心がけてください。
- 喫煙を控える
- 飲酒を控える
- 強い日差しに当たるときは、日焼け止めのリップクリームを塗る
- バランスの良い食生活を心がける
- 適度な運動をする
先に紹介したセルフチェックを普段から行ってください。
編集部まとめ
口唇がんを含む口腔がんは、患部を直接見ることができるので早期発見しやすいがんです。
そして、初期のうちに発見できれば比較的簡単な治療ですみます。ところが、進行するまで放置されてしまうケースも少なくありません。
そうなると、治療できたとしても顔が変形したり食事や会話が困難になったりして、日常生活に大きな支障をきたすことになります。
そのため早期発見・早期治療が非常に大切です。