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「小脳出血の治療とリハビリ法」はご存知ですか?医師が監修!

 公開日:2024/12/30

ひどい頭痛・めまい・ふらつきなどが頻繁に起こると、脳の病気ではないかと不安になる方もいるでしょう。

脳で起こる脳血管障害(脳卒中)には、脳出血・脳梗塞・くも膜下出血があります。

そして脳出血は出血の部位によってさらに分類されます。なかでも、小脳で起こる脳出血が小脳出血です。

こちらでは、小脳出血の原因・前兆・症状・治療方法などについて詳しくご紹介します。小脳出血について知りたい方はぜひチェックしてください。

※この記事はMedical DOCにて『「小脳出血」の前兆となる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

小脳出血の治療とリハビリ

おばあちゃんと介護士

小脳出血の治療方法を教えてください。

脳出血の治療方法は出血の量や出血部位などによって異なってきます。通常、出血の量が少なく、神経学的な所見が軽い場合には手術はせず内科的治療で経過観察が行われます。
ただし、小脳の場合には比較的少量の出血でも手術に踏み切ることも多いです。出血は数週間で吸収されるため、降圧剤による血圧のコントロールを行い、止血剤や脳のむくみを抑える薬を使用するのが一般的です。
また、出血の部位や血腫の量によっては、外科的手術が行われることもあります。血腫を取り除く手術方法は、全身麻酔で行う開頭血腫除去術や内視鏡的血腫除去術などです。

入院期間はどのくらいでしょうか?

小脳出血の場合の入院期間は、症状や重症度によっても異なってきます。当然、外科的手術が行われない場合・行われる場合で大きく違うといえるでしょう。
軽度の場合は数週間程度と比較的早く退院できると考えられますが、重度の場合には入院期間が長期に及ぶこともあります。
リハビリが必要な場合にはリハビリのできる病院に転院することになり、入院期間も長くなりがちでしょう。

生存率を教えてください。

小脳出血にかかった場合の生存率は、症状・発症部位・健康状態・年齢などによっても異なってきます。重症の小脳出血で意識障害がある場合・高齢者の場合・基礎疾患がある場合などは、生存率が低くなるといえるでしょう。
脳出血全体の5年生存率は、約50~60%程度と考えられます。

どのようなリハビリを行うのでしょうか?

小脳出血のリハビリは、発病後早い段階の急性期から開始するのが重要とされています。治療のために入院している病院でリハビリが行えない場合は、リハビリのできる病院に転院するのが一般的です。
リハビリの内容は作業療法・理学療法・言語聴覚療法などが行われることが多く、症状に合わせて行っていきます。回復期に入ったら、歩行など日常的な動作ができるようになることを目標に行います。
リハビリは、小脳出血による後遺症を少なくするために有効です。基本的には入院中のみではなく退院してからも行われることが多いでしょう。

編集部まとめ

高齢者夫婦
頭痛・めまい・ふらつき・吐き気などが突然起こり、明らかに普段と違うと感じたら脳血管障害(脳卒中)を疑う必要があります。

小脳出血は脳出血のひとつで、小脳で起こる出血です。死亡率は脳出血の中でも比較的高めです。

原因は多岐にわたりますが、大きな原因となるのが高血圧です。高血圧が続くことで脳の血管がもろくなり、脳内で出血が起こってしまいます。

重症の場合には後遺症が残ることもあり、最悪の場合寝たきりになったり、死に至ったりする危険もあります。

塩分の多い食事は高血圧につながるため、心当たりのある方は食生活を改善し、生活習慣・飲酒・喫煙などにも注意しましょう。

いつまでも健康的な生活を送るために、小脳出血の発症予防を心掛けてくださいね。

この記事の監修医師