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「猫アレルギー」の症状・原因・発症率はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/03/12
猫アレルギーの症状と原因

猫は人気のペットであり、人間にとって最も身近な動物といえます。愛らしい姿から飼ってみたいと思っている人も多いでしょう。

しかし猫をなでたり抱っこしたり、猫を飼っているお宅に招かれたりしたとき、鼻水・くしゃみ・目や皮膚のかゆみなどの症状が表れたことはありませんか。

また、すでに猫を飼っているのに最近同じような症状が気になっていませんか。もしかしたら猫アレルギーかもしれません。

この記事では、猫アレルギーの症状・原因物質・発症率などを紹介します。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

※この記事はMedical DOCにて『「猫アレルギー」の症状・飼っていて発症した場合の対処法はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

猫アレルギーの症状と原因

咳する女性

猫アレルギーとはどんな病気ですか?

人間の体には、体の成分と異なる物質が外部から入ってくると、攻撃して排除しようという仕組みがあります。これが免疫です。アレルギー反応は広くは免疫の一つですが、体を守るだけでなく自分自身の体も傷つけてしまう反応のことをいいます。
アレルギー反応を引き起こす原因物質がアレルゲン(抗原)です。その多くがタンパク質であり、食物・ダニ・カビ・花粉などとともに猫など動物の皮屑が含まれます。
猫アレルギーとは、猫の皮屑(フケ・垢)に反応するアレルギー症状のことです。猫のフケ・垢に付着したアレルゲンが体内に入るとIgE抗体が作られ、待機している状態になります。これを感作といいます。
そしてアレルゲンが再び体内に侵入したときにIgE抗体が反応し、アレルギー症状を引き起こすのです。

猫アレルギーではどんな症状が出ますか?

猫などのアレルゲンに反応するIgE抗体は即時型アレルギー反応を引き起こします。以下のような症状が挙げられます。

  • アレルギー性鼻炎(くしゃみ・鼻水・鼻詰まり)
  • アレルギー性結膜炎(目のかゆみ・充血・目やに)
  • 気管支喘息(気管支の収縮・粘膜のはれ・たんの分泌増加で気道が狭くなり、ヒューヒュー、ゼーゼーと呼吸が苦しくなる)
  • アトピー性皮膚炎(慢性的に顔や体にかゆみを伴う湿疹)
  • じんましん(一時的に皮膚がぶつぶつと赤く膨らみ、跡が残らないのが特徴)
  • アナフィラキシー(呼吸困難・じんましん・しびれ・血圧低下などの急激に表れる全身症状)

特に短時間のうちに全身に呼吸困難やじんましんなどの症状が急激に表れるアナフィラキシーは、ショック状態(アナフィラキシーショック)になると命の危険があるため注意が必要です。猫に触れたときに症状が出たら、猫アレルギーの可能性があります。

猫アレルギーの原因物質はなんですか?

猫由来のアレルゲンとしては 8 種が知られており、特にFel d 1(フェルディーワン)は猫アレルギーの人の90%以上が反応するとされています。
Fel d 1は唾液腺や皮脂腺で作られ、猫が毛づくろいでなめることで毛に移ると考えられてきましたが、毛の表面にも元々あることが分かりました。非常に細かい物質のため空気中に長時間浮遊します。

猫アレルギーの発症率はどれくらいですか?

5人に1人が猫アレルギーといわれていますが、症状の程度はさまざまです。また、血液検査で陽性を示しても実際には症状が出ない場合もあります。気管支喘息やアレルギー性鼻炎の人は猫アレルギーの可能性も高いと考えられています。

編集部まとめ

猫
猫アレルギーは、くしゃみ・鼻水・目のかゆみ・喘息などの症状を引き起こします。

症状に応じた薬を処方してもらうことで、アレルギー反応が出ないようにコントロールすることも可能ですし、猫アレルゲンを減らすように環境を工夫・対策することもできます。

ただアナフィラキシーショックなどの重篤な症状が起こる可能性もあるので注意してください。

猫に触れたときに何らかのアレルギー症状が表れた人や猫を飼っていて最近体調の異変を感じるようになった人は一度医師に相談してみましょう。

この記事の監修医師

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