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「手掌紅斑」を発症したら何科を受診したらいいの?【医師監修】

 公開日:2025/03/13
「手掌紅斑(しゅしょうこうはん)」ができる原因はご存知ですか?医師が監修!

手掌紅斑(しゅしょうこうはん)とは、掌や指に赤いまだら模様が表れる症状です。
手に表れる異変だと甘く感じてしまうかもしれませんが、実は肝臓との関係があり、病気の可能性があります。

放置していると思いがけない病気を悪化させる可能性があるため、しっかりと症状や原因などを把握しておくことが大切です。

そこで本記事では、手掌紅斑とはどのような病気なのかをご紹介します。肝臓病との関係・検査・治療方法・放置するリスクについても解説するので参考にしてください。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

※この記事はMedical DOCにて『「手掌紅斑(しゅしょうこうはん)」ができる原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

手掌紅斑の診断と治療

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手掌紅斑がみられた場合は何科を受診しますか?

この病気が見られた場合には、すぐに内科を受診するようおすすめします。
先述したように、手掌紅斑の原因にはさまざまなものが考えられます。しかし、中でも肝臓の機能低下によって引き起こされている場合は非常に危険です。
肝硬変や慢性肝炎などが進行すると、肝機能の低下から食欲不振や倦怠感を伴う場合もあるでしょう。
肝臓病は自覚症状がほとんどないため、この手掌紅斑を発見した場合には、早期受診のタイミングといえます。

どのような検査で診断されますか?

この病気の検査方法としては、まずは視診を行います。
掌や指の付け根に発生している赤い斑点を確認し、手掌紅斑とその原因を確認するのです。
例えば、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患によるものであれば、他の部位の湿疹などを同時に確認します。
そして、手掌紅斑の確認を行って肝臓の病気の疑いがある場合には、血液検査画像検査を行います。
例えば肝硬変が進行している場合、AST値がALT値より高くなったり血小板数が低下したりといった数値の異常を生じる可能性が高いです。
また、CT検査MRI検査などの画像検査では、肝臓の萎縮や表面がでこぼこしているなどの形状の変化も見られるでしょう。
このように検査を組み合わせて、手掌紅斑とその原因となっている病気をはっきりさせていきます。

手足口病との判別方法を教えてください。

手掌紅斑の症状が近いものに手足口病があります。
手足口病とは、ウイルスの感染によって引き起こされる感染症です。5歳以下の子供を中心に、夏に発症するケースが多い病気です。
主な原因となるウイルスは、コクサッキーウイルスA6・エンテロウイルス71・コクサッキーウイルスA10などが挙げられます。主な症状は、口の中・掌・足底・足・背中などに生じる水疱性の発疹です。
発熱などもありますが、高熱になることはほとんどありません。また、数日のうちに治ることがほとんどです。飛沫感染・接触感染・糞口感染などによって感染します。
この病気と手掌紅斑の判別方法としては、皮膚に現れる湿疹の違いと表れる場所に注目することです。手掌紅斑は、主に掌や指の付け根に見られる症状です。
一方で、手足口病の場合は口の中や足の底などにも表れます。また、水疱性の湿疹であることも特徴です。手足口病は熱も伴いますが、手掌紅斑の場合には水疱性の湿疹や熱が表れることはほとんどありません。

治療方法を教えてください。

手掌紅斑の治療方法は、赤い斑点を発生させる原因となった病気を特定し、その病気に対しての治療を行うというものです。
先述した検査方法を用いて、肝臓の機能低下の有無や皮膚疾患によるものかを確定します。
中でも肝臓の機能低下が確認された場合には、さらに詳細に調べて、B型肝炎やC型肝炎などに感染していないかをはっきりさせます。
もしも感染しているようであれば、禁酒を行って抗ウイルス剤を使って治療を行う必要があるでしょう。
また、肝硬変などの場合は、抗ウイルス剤・ステロイド・ウルソなどを使って治療を行います。

編集部まとめ

提案する医師の手元
手掌紅斑は、目に見える症状が赤い斑点だけなので、気づくのが遅れたり気づいても甘く考えてしまったりすることがあります。

しかし、決して放置して良い病気ではありません。万が一、肝硬変などによって発症している場合は、さらに悪化すると命にかかわる可能性もあるためです。

病気の悪化を防ぐためにも、普段から予防を行いましょう。また、もし少しでも異変を感じた場合には、すぐに専門の医療機関に相談しましょう。

この記事の監修医師

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