「神経調節性失神を予防」するには?誘因する3つの習慣についても解説!【医師監修】

神経調節性失神は、脳の酸素不足が原因で失神を引き起こす病気です。日常生活でよくみられる状況や行動が誘因となって発症します。
本記事では、神経調節性失神の予防法について紹介しています。
※この記事はMedical DOCにて『「神経調節性失神(反射性失神)」の症状・原因・予防法はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
目次 -INDEX-
神経調節性失神の予防の基礎知識
神経調節性失神は予防できますか?
また、繰り返し失神が起きるようであれば日々の生活にも支障が出るでしょう。すぐに意識が戻るからと放置せず、予防に取り組むようにしましょう。
神経調節性失神の日頃からできる予防法について教えてください。
例えば、排泄時や嚥下時に発症する状況失神の場合、決まった行動の改善を図れば失神は防げます。長時間立つ・座る姿勢でいることで血管迷走神経性失神が起きている場合は、体勢を定期的に変えるように意識しましょう。
また、いずれの失神においても、脱水・睡眠不足・運動不足などが失神の誘因となります。生活習慣を整えることで、失神の予防につながるでしょう。アルコールによって引き起こされる失神もあるため、飲酒のし過ぎも控えてください。
失神が起きてしまった場合は、前兆となる症状が起きた際に対策をしましょう。気分が悪い・血の気が引くといった感覚があったら、その場にしゃがんでください。しゃがむことで血圧が上昇し、意識の消失が予防できる可能性があります。また、転倒による外傷を防止する意味でも屈みこむことは有効です。
神経調節性失神はどのような人がなりやすいですか?
中でも失神が起きる可能性が高くなるのは、生活習慣が乱れている人です。睡眠不足や運動不足が誘因となり、失神してしまう可能性があります。アルコールが誘因となって発症する場合もあるため、飲酒をよく行う方も注意が必要です。
また、体重が軽すぎる人もこの病気にかかりやすいでしょう。失神に悩まされている方は、自分の生活習慣を一度見直してみてください。
神経調節性失神に似た病気はありますか?
不整脈などが原因となって起きる心原性失神や、起立性低気圧によって起きる失神がみられるでしょう。加えて、肺や消化器の疾患が原因で発症する失神もあります。
これらは脳の酸素不足によって引き起こされる失神ですが、そうでない病気もあります。代表的なものは、てんかん・脳震盪・くも膜下出血・心因性などです。病気によって治療法が異なるため、失神が起きたら病院を受診して適切な治療を受けましょう。
編集部まとめ
神経調節性失神は、日常生活における状況や行動によるストレスが誘因となって失神する病気です。
失神は、酸素を含んだ血流が脳に十分に届かないことが原因で生じます。一時的に意識を消失しますが、数分以内に回復することが特徴です。
意識消失の前兆として、冷や汗や気分不良などの症状が現れます。こうした前兆があった際には、その場でしゃがむ体勢をとりましょう。失神・転倒の防止の効果が期待できます。
一過性意識消失が失神かどうかの判別は実際は難しい場合が多く、神経失調性失神と思っても、重症な器質的心疾患・冠動脈不整脈性失神と区別が難しい場合もあり、注意を要します。
また、失神自体を防止するには生活を見直すことが大切です。失神の誘因となる状況や行動を知り、予防を意識して生活しましょう。
睡眠不足や運動不足も失神の原因となるため、生活習慣に気を配ることも重要です。
神経調節性失神は再発が防止できる病気です。病院から指導を受けることで再発を防げることがあるので、早めの受診を心がけましょう。