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「巨赤芽球性貧血」の治療についてご存じですか?なりやすい人も解説!【医師監修】

 公開日:2025/06/18
巨赤芽球性貧血の治療方法

貧血の中でも巨赤芽球性貧血は自覚症状が少なく、重症化するまで気づかないこともあります。

重症化すると認知機能の低下・味覚障害・感覚障害が起こることもあり、さらには回復までに時間がかかるとされています。

巨赤芽球性貧血の主な原因は胃腸などの疾患ですが、極端な食生活・妊娠・飲酒によって起こることもあるため、誰にとっても身近な病気といえるでしょう。

今回は巨赤芽球性貧血の検査や治療方法、なりやすい人についてご紹介します。

※この記事はMedical DOCにて『「大人の軽度知的障害の特徴」はご存知ですか?日常生活における影響も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

巨赤芽球性貧血の治療方法

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巨赤芽球性貧血はどのような検査で診断しますか?

具体的な検査項目は医療機関などによって異なりますが、巨赤芽球性貧血では次のような検査が行われることが一般的です。

  • 問診
  • 血液検査
  • 内視鏡検査
  • 骨髄検査(骨髄穿刺)

問診では普段の食生活の様子や胃腸障害の有無などを問われます。血液検査は血液中のビタミンB12・葉酸の量などを調べるのに有効です。内視鏡検査の対象は主に胃腸で、萎縮性胃炎の有無などが確かめられます。
骨髄穿刺は骨髄の成分を取り出して調べる検査です。骨髄検査で骨髄中に巨赤芽球が認められる場合は、巨赤芽球性貧血の可能性が高まります。その他にも、貧血をきたす他の病気と区別するために様々な検査が行われることがあります。

巨赤芽球性貧血には手術・入院は必要ですか?

基本的には巨赤芽球性貧血は外来診療です。場合によっては、検査や治療のために入院が必要になることもあります。巨赤芽球性貧血の治療では、不足しているビタミンB12・葉酸の補充が行われます。
ビタミンB12は静脈注射・筋肉注射、葉酸は内服薬が選択されることが一般的です。葉酸の経口薬投与はビタミンB12不足による神経症状を悪化させるおそれがあるため、服用量などに注意しましょう。
普段の食生活に問題があってビタミンB12・葉酸が不足している場合は、生活指導が行われることもあります。巨赤芽球性貧血は他のタイプの貧血に比べると回復までに時間がかかりやすいのが特徴で、特に神経症状が出ている場合は早期回復はあまり望めません。

巨赤芽球性貧血はどのような人が発症していますか?

巨赤芽球性貧血を発症しやすいのは次のような方です。

  • 偏った食生活の方(菜食主義・極端なダイエット)
  • 胃腸の手術を受けた方
  • 胃腸の疾患がある方
  • 大量飲酒の習慣がある方
  • 妊娠中・授乳中の方

代表的なのは胃腸の手術歴・持病がある方です。栄養の吸収率が低下しやすくなるため、食事に気をつけていてもビタミンB12・葉酸不足になることがあります。
また、偏った食生活をしている方もビタミンB12や葉酸の欠乏症になりやすいため、巨赤芽球性貧血のリスクは高めです。その他にリスクが高いのは、大量飲酒・妊娠中・授乳中の方です。
葉酸が体内で大量に消費されるため、通常の食事では補給が追い付かずに欠乏症を起こすおそれがあります。巨赤芽球性貧血は悪性腫瘍や甲状腺機能亢進症などの持病が原因となることもあるため、それらの発症者もリスクは高いといえるでしょう。

編集部まとめ

女性
巨赤芽球性貧血は未熟な赤血球が増えることで起こる貧血です。

胃腸疾患のある方や、ダイエット中の方・妊娠中の方・お酒が好きな方はリスクが高いため、注意してください。

一般的な貧血症状に加え、味覚障害・舌炎・知覚障害などがあらわれた場合は、巨赤芽球性貧血を疑って早めに医療機関を受診してください。

この記事の監修医師

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