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「脊柱靱帯骨化症」とは?首や背中の痛みで相談したい科と検査内容について医師が解説!

 公開日:2025/06/20
脊柱靱帯骨化症の受診目安と診断

脊椎をつなぐ靭帯が肥厚し硬くなることにより脊髄が圧迫される「脊柱靭帯骨化症」とは、一体どのような病気なのでしょうか。

今回は、その気になる症状・治療方法・治療期間・注意点などを詳しく解説します。

脊柱靭帯骨化症は、脳から連続した中枢神経の一部である脊髄が圧迫されることにより様々な神経症状が現れる病気です。

障害される靭帯の種類や位置によって症状の出方が異なります。その中でも代表的なのが後縦靭帯骨化症と黄色靭帯骨化症の2つです。

この2つは難病に指定されている病気で、症状が急激に悪化する可能性もあります。症状の特徴や注意点を確認し、必要に応じて医療機関を受診するようにしましょう。

※この記事はMedical DOCにて『【医師監修】背筋や首の違和感には要注意!「脊柱靱帯骨化症」とは?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

脊柱靱帯骨化症の受診目安と診断

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脊柱靱帯骨化症はどのような症状がみられたら受診したら良いのでしょう?

圧迫された部位が頚椎の場合には、首や肩甲骨周辺の痛みから始まります。次第に手足にまで痛みやしびれが広がっていきます。胸椎や腰椎の場合に現れるのは下肢の症状です。足のしびれ・足に力が入らない・足が動かしにくい・歩きにくいなどの症状が特徴です。
痛みやしびれなどの異常を感じたら早めに受診するようにしましょう。脊柱靭帯骨化症は基本的には緩やかに症状が進行する病気ですが、何らかの衝撃により急激に悪化することもあります。

何科を受診したら良いですか?

脊柱靭帯骨化症を疑う症状がみられた場合には整形外科を受診しましょう。すでにしびれや感覚の異常がみられる場合や家族に脊柱靭帯硬化症を患っている人がいる場合には、より専門的な脊髄外科への受診もおすすめです。

脊柱靱帯骨化症はどのように診断するのか知りたいです。

まず初めに行うのは症状の聞き取りや神経症状の確認です。その後、レントゲン・CT・MRIで病巣の詳しい状態を確認していきます。これらの画像検査により、その後の治療方針を検討します。

検査内容が知りたいです。

まず第一に行うのはレントゲン検査です。レントゲン検査により靭帯の骨化部分を確認することができます。さらに、骨化した部分の広がり方などの詳しい状態を調べるために行うのがCT検査です。それに加えて、神経がどの程度圧迫されているかをMRI検査で把握していきます。検査により広範囲に複数の骨化巣が見つかることもあります。

編集部まとめ

女性
手足に痛み・しびれ・感覚障害といった神経症状が現れる脊柱靭帯骨化症についてご紹介しました。

脊柱靭帯骨化症の中でも、後縦靭帯骨化症と黄色靭帯骨化症の2つは難病にも指定されている病気です。

軽度の場合には保存療法が一般的で、強い神経症状がみられれば難易度の高い手術が必要となります。

また、重症化した場合には症状が回復しにくくなる可能性があります。手足の感覚に違和感を感じることがあれば、できるだけ早めに専門機関へ受診することが大切です。

この記事の監修医師